滋賀県守山市古高町にある歯医者、 歯周病治療に力を入れている、おおた歯科こども歯科の院長太田貴司です。 「歯周病の治療期間はどれくらい?何回くらいの通院なの?」についてお話しをします。 答えは、「現在の歯周病の状態によって、人それぞれ」です。 歯周病は、基本的に完治がありません。 継続して行っていくものです。 歯周病が軽度(GやP1)であれば、1~2回で次は数か月後のメインテナンスになるでしょう。 歯周病が中程度以上(P2とP3)ですと、数回かかりますし、次のメインテナンスも早い方で1ヶ月後になるでしょう。 歯が28本あり、27本が健康であっても、1本だけが重度の歯周病というパターンもあり、そのような方も早いメインテナンスになるでしょう。 歯周病とは、生活習慣病の1つとも言われます。 高血圧、糖尿病の範ちゅうに入ります。 高血圧、糖尿病も完治がないかと思います。継続的に内服をしたり、食事療法・運動療法があるでしょう。 歯周病も同じなのです。 毎日歯磨きをして、定期的に歯科医院でスケーリング・SRPを受けて頂いても、歯ぐきの下に歯周病の細菌が入り込みます。 1回完璧にスケーリング・SRPを受ければその後は歯科医院に行かなくても済む、というわけではないのです。 通院回数・通院の間隔・通院期間・治療期間は、歯周病の状態 …続きを読む
2019年11月6日
滋賀県守山市古高町にある歯医者、 歯周病治療に力を入れている、おおた歯科こども歯科の院長太田貴司です。 今回は、「歯周病は治るの?」です。 答えは、「治るものと、治らない/治りにくいもの に分かれます」です。 歯周病は、大きく分けて2つに分類されます。 歯肉炎(G)と歯周炎(P)です。 Pには、P1・P2・P3と数字の分類があり、数字が大きいほど重度です。 歯肉炎とは、歯肉だけの病気です。 「歯ぐきが腫れた」「歯ぐきが赤い」「歯ぐきから出血する」が症状です。 対して、歯周炎とは、上記に加え歯を支える骨の病気です。 「歯ぐきが腫れた」「歯ぐきが赤い」「歯ぐきから出血する」に加えて、 骨の病気である「歯が動く」「歯が動揺する」「歯がグラグラする」などです。最終は、歯が抜けてしまいます。 歯周病は治るの?に戻ります。 歯肉炎(G)は治ります。 歯周炎(P)は治りません/治りにくいです。 つまり、 歯ぐきだけ(G)なら治ります。 歯周炎(P)で溶けてしまった骨は戻りません(お口の中が素晴らしい環境になった、再生治療なら別です) 歯周炎でも、歯ぐきの腫れや出血は治まりやすいです。しかし、骨は戻らない/戻りにくいので、結果「歯周炎は治らない/治りにくい」となります。 では、どうすれば良いのか? ①歯周炎にしない。歯肉炎で治す …続きを読む
2019年10月23日
滋賀県守山市古高町にある歯医者、 歯周病治療に力を入れている、おおた歯科こども歯科の院長太田貴司です。 今回は、「歯周病の予防・改善に、牛乳は有効か?」 です。 牛乳を飲むと骨が強くなり、骨粗しょう症の予防になります。 それは、歯を支える骨(歯槽骨)にも有効なのか?から来ているのでしょう。 答えは、「有効とある情報もあるし、逆に歯周病を進行させる情報もあります。今のところ、どちらが正解か分かりません」です。 そうなのです。情報によって真逆のことを言っているのです。 そんなことあるの?と思われるかもしれませんが、すいません。 似たり寄ったりなら分かるのですが、真逆なのです。 歯周病ではなく、むし歯の予防に牛乳は有効か? これには答えがでています。 答えは、「有効どころか、逆に牛乳はむし歯の原因になる」です。 これは今のところ正しいようです。 牛乳には砂糖は含まれていません。 ただ、乳糖が含まれています。 糖が入っているので、むし歯の原因になります。 砂糖の入っていないヨーグルトにも乳糖は入っています。 (ちなみに、むし歯のリスクとしては、砂糖→果糖→乳糖です。) 牛乳と歯周病の関連については、いつか答えが出ることを願っています。 牛乳とは離れますが、歯周病と食物についてお伝えをします。 歯を失いやすい …続きを読む
2019年10月9日
滋賀県守山市古高町にある歯医者、 歯周病治療に力を入れている、おおた歯科こども歯科の院長太田貴司です。 今回は、歯周病のレッドコンプレックスについてお話しをします。 レッドコンプレックスとは、歯周病の原因菌の中で特に悪性のものです。 悪性といっても、悪性腫瘍とは無関係です。 とくに歯周病を悪化・進行させる細菌のことを言います。 具体的には、 ① P.g菌( Prophyromonas gingivalis、ポルフィノモナス・ジンジバリス) ② T.d菌( Treponema denticola、トレポネーマ・デンティコーラ ) ③ T.f菌( Tannerella forsythensis、タンネレラ・ファーサイシア ) です。 それぞれ多く存在すると、歯周病が進行しやすいです。 口臭の原因だったり、全身の病気に関連する細菌もいます。 この細菌の賢いところは、それぞれの細菌が仲が良いことです。 細菌の種類が多ければ多いほど、タッグを組みます。 タッグを組むとより難治性になります(治りにくくなります)。 歯周病の治療は、このレッドコンプレックスをいかに減らすことができるかにかかっています。 でも、どの細菌がどれくらいいるの? という話になります。 それはおおた歯科こども歯科でも実施している「リアルタイムPCR検査」 …続きを読む
2019年9月25日
滋賀県守山市古高町にある歯医者、 歯周病治療に力を入れている、おおた歯科こども歯科の院長太田貴司です。 「私の歯周病は、遺伝だから」 そう言われ、ご自身の歯周病の進行と治療を諦める方がいらっしゃいます。 安易に抜歯を希望されます(僕としては残る歯はそれを伝え、思い留まってもらうこともあります)。 諦められるのは、遺伝と思い込んでいるからですね。 果たして、歯周病は遺伝するものなのでしょうか? 答えは、「0ではありませんが、ほとんどありません。特殊な遺伝性の歯周病だけではないでしょうか?」です。 歯周病の中には、歯肉が異常に膨れ上がるものがあり、それは遺伝するかもしれません。 しかし、歯周病の原因のほぼほぼが後天性です。 後天性ということは、産まれてからの問題です。 歯周病の直接的な原因は、「歯周病の細菌」です。 間接的な原因が「歯磨き不足」「歯石」「喫煙」「糖尿病」などです。 歯の問題もあります。「歯ぎしり」「嚙み合わせが良くない歯」「嚙み合わせが良くない被せもの」です。 生活習慣が問題であり、先天的ではありません。 「遺伝が原因だから」と言えば楽かもしれません。ご自身の問題ではなくなりますから。 ご先祖のせい?にしているので、楽にあるかもしれません。 しかし、歯周病の原因は後天的・生活習慣を受けい …続きを読む
2019年9月11日
滋賀県守山市古高町にある歯医者、 歯周病治療に力を入れている、おおた歯科こども歯科の院長太田貴司です。 今回は、歯周病の改善・予防に電動歯ブラシや音波歯ブラシは有効?? についてです。 私の答えは「Yesかもしれないが、頼りすぎてもいけない」です。 歯周病に電動歯ブラシ・音波歯ブラシがどれだけ有効かは分かりません。 歯ブラシをする目的は、「歯垢(プラーク)を除去して、歯周病の細菌を減らすこと」です。 つまり、「歯垢(プラーク)を除去して、歯周病の細菌を減らすこと」を達成できるのであれば、普通の歯ブラシ・電動歯ブラシ・音波歯ブラシのどれでも良いのです。 私は電動歯ブラシ・音波歯ブラシを一回も使ったことはありません。 普通の歯ブラシで十分だと考えているからです。 ともすると、電動歯ブラシ・音波歯ブラシは、物に頼りがちになってしまいます。 「電動歯ブラシを使っているから大丈夫」 「音波歯ブラシを使っているから大丈夫」 となりがちです。 電動歯ブラシ・音波歯ブラシを使っていても、使い方が悪く「歯垢(プラーク)を除去して、歯周病の細菌を減らすこと」が達成できないのであれば、使う意味がないのです。 普通の歯ブラシを丁寧に使って、「歯垢(プラーク)を除去して、歯周病の細菌を減らすこと」を達成できれば、あえて電動歯ブラシ・音波歯 …続きを読む
2019年8月21日
滋賀県守山市古高町にある歯医者、 歯周病の治療に力を入れている、おおた歯科こども歯科の院長太田貴司です。 歯周病と全身の病気との関連についてお伝えします。 歯周病は、ただ単に歯がグラグラになって抜ける病気ではありません。 全身の病気とも関係しています。 例えば、 アルツハイマー病、脳梗塞、心筋梗塞、心内膜炎、高血圧、誤嚥性肺炎、糖尿病、動脈硬化、低体重児出産、早産、骨粗鬆症、関節炎・腎炎です。 全く関係のないようなものでも、密接に関係しています。 なぜ関係しているかと言うと、歯周病の細菌が血管を伝って、全身に回るからです。 ①歯周病と血管の病気 歯周病の細菌が原因で、血管が細くなります。 どこの血管が細くなるかで、脳梗塞・心筋梗塞などが分類されます。 ②糖尿病 糖尿病は相互の関係があります。 歯周病の方は、糖尿病にかかりやすい。 糖尿病の方は、歯周病にかかりやすい。 ということです。 歯科医院が糖尿病を治すために、歯周病の治療をすることはありません。(できません) しかし、おおた歯科こども歯科で通院している方に例があります。 HbA1cが8%を超えている重度の糖尿病の方がいらっしゃいました。 その方は同じく重度の歯周病でした。 歯ぐきが腫れ、赤く出血していました。すでにグラグラ動いている歯もあります。 通院に負担 …続きを読む
2019年8月7日
滋賀県守山市古高町にある歯医者、 歯周病の治療に力を入れている、おおた歯科こども歯科の院長太田貴司です。 今年はよく流行ったインフルエンザ。 インフルエンザと歯周病のお話しをします。 数年前、新聞にも取り上げられました。 それは「歯周病が進行していると、インフルエンザになりやすい」「口腔内が清潔でない方は、インフルエンザになった時、タミフルが効きにくくなる可能性がある」というものです。(日本大学歯学部、細菌学講座の研究) そして、歯磨きなどの日常生活の注意で、インフルエンザの予防ができたり、重症化を防ぐことができるというものです。 インフルエンザウイルスは、細胞内に入り込んで増殖し、ほかの細胞に感染を広げます。 その際、ウイルス表面の酵素「ノイラミニダーゼ」を使い、ウイルス自身を細胞から切り離します。タミフルやリレンザなどはこの「ノイラミニダーゼ」の働きを防ぐので、インフルエンザに効果があります。 研究で、歯垢(プラークとも呼ばれます;食べカスとそれに集まった細菌が膜を張ったもの)に含まれる細菌がノイラミニダーゼを作り出すということが分かったのです!! お口の中を清潔にして、細菌を減らすことができればノイラミニダーゼを減らすことができます。 そうすれば、インフルエンザになることを防ぐことができます。 さらに、インフルエンザにな …続きを読む
2019年7月24日
滋賀県守山市にある歯医者、おおた歯科こども歯科の院長、太田貴司です。 おおた歯科こども歯科は、歯周病の治療・予防に力を入れております。 むし歯の治療・予防より力をいれているのは、歯周病があると歯が根本から抜けてしまうからです。 どれだけまっさらできれいな歯があっても歯周病が重度だと抜けてしまいます。 どれだけ高いセラミックの歯を入れても、歯周病が重度だと抜けてしまいます。 歯は、歯ぐきありき・歯を支える骨ありきです。 むし歯は、歯の頭から進行します。 歯周病は、歯の根元から進行します。 今回は、「歯周病とアルコール・お酒・ビールの関係」です。 この関係性は、全く無いようで実は「おおあり」です。 アルコール・お酒を多く飲むと、活性酸素が増え、抗酸化力が低下するようです。 岡山大学が発表した論文にもあります。 「過剰なアルコール摂取が歯周病を悪化させる」と予防歯科学分野の 山本龍生先生が論文で発表をされています。 歯周病の直接的な原因は、細菌です。 増悪因子(直接的な原因に加えて、これがあると悪化する因子)が喫煙、糖尿病、関節リウマチ、高血圧、肥満、そしてアルコール・お酒です。 アルコール・お酒を飲むと、お口の中が乾きます。 乾くと唾液が減ります。 歯周病菌・むし歯菌に抵抗力を持つ唾液が減るということは、それだけ歯周 …続きを読む
2019年7月10日
滋賀県守山市にある歯医者、おおた歯科こども歯科の院長、太田貴司です。 しばらくは、おおた歯科こども歯科でとても力を入れている歯周病について述べていきます。 知らぬ間に発症し、知らぬ間に進行する歯周病。 気付いたら歯がグラグラになって、手遅れになってしまうことも。 私としては、むし歯よりよっぽど怖い病気です。 さて歯周病って、人から人へうつるのでしょうか? 答えは、「Yes」です。 歯周病の菌は、もともと産まれた時にはお口の中にはいません。 いつの頃からかうつっているのです。 感染経路は、唾液です。 お箸・食器といった道具からや、キスのようなスキンシップからです。 歯周病が発症するのは、30歳代中頃からです。 (早い方は、20歳代後半から) なので、以前は歯周病の菌の感染は、30歳前後と言われていました。 しかし、最近は10歳代に感染すると言われています。 感染は10歳代、発症は30歳代ということですね。 30歳代から歯周病の細菌への抵抗力が落ちます。 なので、若いころは歯で苦労したことがない人も歯周病になってしまうとずっと苦労されます。 歯周病の菌の感染を広げないためには、あなただけでなく周りの人の協力も大切です。 あなただけが歯周病の治療を頑張っても、ご主人や奥様、彼氏彼女が歯周病になっていると一 …続きを読む
2019年6月19日