子供の歯を乳歯と呼びます。 タイトルを「牛乳の歯」としたのは、英語で「milk tooth」と表記するからです。 baby toothとも表記します。 乳歯が生えてくるのは、生後6ヶ月くらいからです。 ゆっくりなお子様は、8ヶ月からというのも珍しくありません。 身長体重に個人差があるように、歯が生えてくる時期にも個人差があります。 全て生えそろうのは、3歳くらいです。 本数は上10本、下10本で、合計20本です。 前歯から生え始め、奥が生えてきます。1本飛んで生えることがありますが、多くは問題ありません。 乳歯は大人の永久歯とは、似て非なるものです。 大人の歯が生えそろうまで、飲んで、咬んで食べ、話したりすることを通して、頭・顎の骨の成長を助けてくれます。脳の発達にも関わります。 乳歯の色は、青白い色をしています。永久歯が黄色っぽいのとは異なります。 大きさも小さく、根っこも短いです。 歯の神経(歯髄)が入っている空間(歯髄腔、しずいくうと呼びます)も、永久歯と比べ広く大きいです。永久歯と同じ大きさのむし歯でも、乳歯のむし歯の方が重症化することがあります。 歯並びにも特徴があります。 乳歯の歯並びには隙間(生理的空隙、せいりてきくうげきと呼びます)があります。 具体的には、霊長空隙(れいちょうくうげきと呼びます)や発育空隙(はついくくうげきと呼びます)です。 このすき間は、後から乳 …続きを読む
2017年2月15日
歯に栄養を送る部分を歯髄(しずい)と呼びます。 中心の部分です。 人体で見ると、脊“髄”や骨“髄”と同じです。 歯髄は、“歯の命”です。 我々から“命”を取ると、死んでしまいます。 歯も神経を取ると、死んでしまいます。 栄養が送られなくなってしまうからです。 我々歯科医院側がよく「神経をとる」と言いますが、実際に取っているのは神経だけではありません。 血管も一緒に取っています。取らざるを得ないのですが。。。 神経は、脳から歯へとつながっているので、歯の先の部分で切断するのです。 良い気はしませんよね。 神経を取るには、歯を大きく削る必要があります。 たくさん歯を削って、神経を取って、血管もとる。 この場合、むし歯が大きく痛みがあるときです。 さて、神経を取るとどうなるのでしょうか? ①歯がもろくなる 栄養がないため、ヒビが入ったり、割れてしまいやすくなります。 ②次にむし歯になっても気付かない 神経がすでにないので、むし歯になっても“痛い”とはなりません。 気付いたときには、治療が不可能なむし歯になっていることも。 ③変色する 血液が流れないため、その歯が紫色になります。 神経を取った歯は、通常被せるため、変色には気付きません。 ただ、前歯は神経を取っても被せないことがあるので、数年後に変色してくることもあります。 我々歯科医院側は、神経を取ることのデメリッ …続きを読む
2017年2月8日
歯の表層はエナメル質です。 そのエナメル質の下にある組織が象牙質です。 ゾウの牙が名前の由来です。 エナメル質よりは硬くはありませんが、骨よりは硬いです。 エナメル質より柔らかいため、むし歯がエナメル質を越えてしまうと、むし歯の進行がより早くなってしまいます。 この“柔らかい”ということはデメリットだけでなく、メリットもあります。 硬すぎるエナメル質のクッション材になるのです。 象牙質の大きな特徴は、“形が変わる”ことです。 エナメル質自体は変わりません。しかし、象牙質は変わります。 どういうことでしょうか? 実は内部で変わるのです。外側ではありません。 むし歯や、歯が削れてしみる(知覚過敏)になると、歯に穴が開いたり、薄くなります。 そこで、象牙質が成長し、穴が開いたり薄くなった部分を厚くしてくれます。 象牙質が分厚くなると、むし歯と歯の神経(歯髄)までの距離が離れます。 歯髄は、歯に栄養を送るのでとても大切な組織です。 象牙質は成長し、歯や歯髄を守ってくれるのです。 しかし、油断は禁物です。 象牙質は無限にあるわけではありません。 穴が開いても、痛くないからと言って放置は良くありません。 むし歯の進行が早い場合もありますし、いずれ痛くなってしまいます。 ぜひとも、むし歯は早期に治療しましょう。
2017年2月1日