一般の方にはあまり聞きなれないかもしれない「歯科衛生士」。 「歯石のお掃除をしてくれる女性」というイメージでしょうか? 太田貴司個人としては、「歯科医師よりすごいのでは?」と思っています。 歯科医師と歯科衛生士の違いは、「治す」歯科医師と「守る」衛生士です。 歯科医師は、与えられた仕事上、どうしても「減らす」仕事です。 例えば、「削る」「抜く」です。 その患者様のため、その歯のため、を思ってのことですが、「減らす」仕事です。 感謝されますが、「減らした」ものは戻ってくることはありません。 それに対して、歯科衛生士は、「減らさない」仕事です。 歯石の除去をして、歯周病から「守る」。 ブラッシング指導をして、むし歯から「守る」。 現状維持をしようとする仕事です。 歯科衛生士は、歯科医師の仕事のように「何かを変化させる」仕事ではありません。 例えば、歯科医師がむし歯を削って白い詰め物をしてもらう。 これは綺麗になるので、素人目からしても分かりやすいです。 その場で感謝されます。 「治療してもらってありがとうございます。」「きれいな詰め物をしてもらってありがとうございます。」と。 歯科衛生士は、何か大きく変化させる仕事ではありません。 (大きな歯石を取ってもらう以外は。) そのため、感謝されにくい仕事ではあります。 何も変わっておらず、現状維持だからです。 しかし、歯が長持ちするのはどちら …続きを読む
2018年5月30日
「銀歯はどうしたらいいのですか?」 先週の続きです。 「今、すでに入っている銀歯は外した方が良いのですか?」 「痛くなった時に外したら良いのですか?」 「どうしたらいいのですか?」 よく聞かれます。 「今、すでに入っている銀歯は外した方が良いのですか?」への回答(太田貴司個人としての) →①「ご心配であれば外してもいいでしょう」とお伝えしています。 私も含め、歯科医師は銀歯の下のむし歯、その怖さを知っています。 ご心配であれば外しましょう。 外して初めて分かるむし歯も少なくありません。 ②「定期健診で経過を追いましょう」とお伝えすることもあります。 見た目では全く分かりません。 レントゲンを撮影することが重要です。 そのレントゲンを時系列で追っていきます。 ③「今すぐに全部外さなくても良いかもしれません」とお伝えすることもあります。 こうお伝えする方は、よくブラッシングをされていて、生活習慣も整っている方です。 「痛くなった時に外したら良いのですか?」 このご質問も頂きます。 答えは「No」です。 歯以外のお身体もそうですが、痛くなった時は手遅れのこともあります。 痛くなってからでは遅いです。 特に歯は痛くなってからですと、抜歯や抜髄(神経を取る)の可能性があり、痛くなってからでは遅いです。 ぜひ痛くなる前に定期健診を続けましょう。 つまり、いかにも …続きを読む
2018年5月23日
滋賀県守山市古高町にある歯医者、おおた歯科こども歯科の院長 歯科医師の太田貴司です。 予防・痛くなる前の治療や、矯正治療に力を入れています。 「銀歯の下のむし歯が心配です。銀歯の下にむし歯はありませんか?」 レントゲンを撮影した後、患者さんから言われます。 その時、私はこうお伝えします。 「明らかに大きなむし歯であれば分かります。しかしレントゲンを撮っても、銀歯の下のむし歯は100%は分かりません。銀歯を外して初めて分かるむし歯もあります。不意にポロっと銀歯が外れて、その時初めて分かるむし歯もあります。」 銀歯には、インレーとクラウンがあります。 インレーは、部分的に「詰める」もの。 クラウンは、上から完全に「被せる」もの。 です。 インレーでもクラウンでも、銀歯であれば、むし歯になりやすいですし、見付けにくさは変わりません。 逃げているわけではないのですが、銀歯の下のむし歯は本当に分かりません。 「見逃してしまった」「見逃された」ではありません。 見えないのです。 当院では、1年ごとにレントゲンを撮影しています。 数年後のレントゲンで、「ここの銀歯の下にむし歯がありました」と分かることがあります。 1年ごとのレントゲンを比較して、やっと分かるのです。 正確に言い直すと、 「明らかに大きなむし歯は分かります。 レントゲンを撮っても、銀歯の下のむし歯は1枚 …続きを読む
2018年5月16日
今回は、縁あっておおた歯科こども歯科に入社してくれた新人についての取り組みをご紹介します。 新人は、新卒であろうと既卒であろうと、年齢問わずおおた歯科こども歯科のシステムを知りません。 そのため、他のスタッフよりも早くに入社してもらい、院長と勉強をします。 具体的には。。。 ①8:00に出勤してもらいます(通常は8:30の出勤です) ②朝の勉強会は約1か月間です。 今までの新人へのカリキュラムをさかのぼると、衛生士は約2週間、歯科助手は約3週間でまとまることが多いです。 ③朝の勉強会は、院長とマンツーマンです。 院長が愛情を持って、勉強に付き合います。 ④内容は、あり方とやり方です。 あり方とやり方、どちらも重要です。 なぜその仕事が必要なのか、必要だと知ったらその仕事をどのようにするのか。 前者が「あり方」、後者が「やり方」です。 我々は何のために働くのか。 給料は、結果です。目的ではありません。お金のために働くのではありません。 我々は医療人です。一生懸命、来院された方に歯科医療をほどこし、それがスタッフへの給料につながるのです。 ボランティアでも、バイトでもありません。我々はプロです。 あり方を伝えたら、当院のシステムでどのように来院された方に貢献するのか。 そのやり方を知らないと、頭でっかちになります。 例えれば、座学と実技でしょうか。 両輪が必要です。 そして、院長だけで …続きを読む
2018年5月9日
「歯を抜かないといけません」 歯科医院で言われたくない言葉ですよね。 実は、言う方も嫌なのですよ。 なぜなら、良い反応があるわけがないからです。 「歯を抜かなければいけません」とお伝えして、 「ありがとうございます。嬉しいです。」なんて言われるわけがないからです。 みなさん、顔が曇ったり、「え?」と言われたり、「嫌です」なんて言われることもあります。 それはそうですよね。 歯を残すために通院するわけですから。 こちらも言いたくないフレーズの一つなのですよ。 我々も歯を残すために歯科医師をやっているわけですので。 でも、それを乗り越えないといけない時がある。 抜かないといけない時がある。 その患者様のため、その歯のため、隣の歯のため、今後の治療方針のため。 抜歯をお伝えして、歯を抜いてもらうか、抜かずに経過観察かはお任せですが。 【歯を抜かなければいけないとき、抜いた方がいいとき】 ①横向きに親知らずが生えていて、手前の歯に悪さをしているとき 手前の歯(第二大臼歯)にすでにむし歯・歯周病がある。 今後、親知らず・第二大臼歯ともにむし歯・歯周病のリスクが高い。 親知らずを抜かないと、第二大臼歯の治療がきちんとできない場合。 親知らずが押して、歯並びがデコボコしている(→この場合、親知らずを抜いても歯並びが元に戻ることはありません) ②むし歯でボロボロになっている 歯 …続きを読む
2018年5月2日