滋賀県守山市古高町にある歯医者、おおた歯科こども歯科の院長 歯科医師の太田貴司です。
予防・痛くなる前の治療・歯周病の治療に力を入れています。
今回は、「血糖のコントロールと歯の喪失（そうしつ：歯を失うこと）本数の関係」についてお話しします。
実は、血糖値と歯の健康は、思った以上に深く関係しています。
全身疾患と歯の健康、という意味では糖尿病が一番深いかかわりがあると考えています。
糖尿病のある患者さまは、将来的に歯を失うリスクが高いと言われています。それは重度であればあるほどです。ｌ
今回のブログは、歯科業界だけではなく、医科も意識が向いているとても大切な記事です。
ご自身やご家族の健康のために、ぜひ最後までお読みください。
目次
１．血糖コントロールとは何か？
２．糖尿病と歯周病の深い関係
３．歯周病が進むと歯を失う理由
４．血糖値と歯の喪失本数の研究結果
５．歯を守るために今日からできること
６．歯科医院での定期的なケアが大切な理由
７．ご家族みなさんで歯を守る習慣を
1. 血糖コントロールとは何か？
血糖コントロールとは、血液の中の糖（とう）＝ブドウ糖の量を適切にコントロールすることを指します。
食事、運動、薬などで、血糖値が上がりすぎないようにコントロールすることが大切です。
血糖値が高い状態が続くと、全身の血管や神経に負担がかかります。
短期的に見ると、お口の中が渇きやすい・空腹状態が強くなる・傷口が治りにくい・感染症にかかりやすくなる
長期的に見ると、網膜症 （失明の原因になる）、腎症 （腎不全・透析になるリスク）、神経障害 （手足のしびれ・感覚麻痺・足の壊疽（えそ））、脳梗塞、心筋梗塞、足の動脈硬化 など命に関わる病気につながります。
2. 糖尿病と歯周病の深い関係
糖尿病とは、血糖値が高くなりやすくなる病気です。
糖尿病の患者さまは、歯を支える骨が溶けて歯が抜けてしまう病気「歯周病」になりやすいことがわかっています。
歯周病は、歯を支えている骨や歯ぐきが炎症を起こし、少しずつ壊れていく病気です。
痛みがなく進行するため、気づいたときには重症になっていることもあります。
3. 歯周病が進むと歯を失う理由
歯周病が進行すると、歯を支える骨が溶けてしまいます。
その結果、歯がグラグラし、最終的には抜けてしまうこともあります。
血糖値が高い状態では、体の抵抗力が落ち、細菌と戦う力が弱くなるため、歯周病が悪化しやすいのです。
4. 血糖値と歯の喪失本数の研究結果
近年の研究では、血糖値が高い人ほど、歯を多く失っているというデータがあります。
ある調査では、糖尿病の人は、そうでない人よりも歯を失う本数が多い傾向があると報告されています。
また、血糖コントロールが不十分な人は、歯周病の治療をしても、改善しにくいことがわかっています。
つまり、血糖コントロールが良好なほど、歯を守れる可能性が高いのです。
https://dm-rg.net/news/8a3b1aba-2462-45bc-bdbc-869f4284f25a
5. 歯を守るために今日からできること
まずは、毎日の歯みがきを丁寧に行うことが大切です。
歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシも使うと効果的です。
また、規則正しい食生活と運動も、血糖コントロールと歯の健康につながります。これらは、歯周病だけでなく全ての病気の予防と健康に繋がりますね。
「咬む」回数を意識することで、食べ過ぎを防ぐことにもなります。
体重のコントロールが大切ですね。
6. 歯科医院での定期的なケアが大切な理由
血糖値が高い方ほど、むし歯や歯周病のリスクが上がります。
だからこそ、歯科医院での定期的なチェックとクリーニングが欠かせません。
当院では、患者さま一人ひとりの体調や生活習慣に合わせたケアを行っています。
「痛くなったから行く歯医者」ではなく、「悪くならないために通う歯医者」として、地域の患者さまに安心して通っていただいています。
悪くなってからのリカバリーは本当に大変です。削ったり抜歯したり。しかもどれだけお金・時間を使っても戻ってくることはありません。
7. ご家族みなさまで歯を守る習慣を
血糖値や歯周病のことは、大人だけの話ではありません。
生活習慣は家族で作るものです。
お子さまにも、正しい歯みがきや食生活を教えてあげましょう。
親御さんが定期的に歯科に通っていると、お子さまも自然と通うようになります。
「咬み合わせ」が乱れると全身のバランスにも影響します。早めの予防が大切です。
血糖のコントロールは、全身の健康を守るだけでなく、歯を守ることにもつながります。
これを機に、ご自身やご家族の健康について見直してみませんか？
おおた歯科こども歯科 院長 太田貴司
（自己紹介）https://ohta-dent.com/staff.html#intyo
2025年11月30日
