滋賀県守山市古高町にある歯医者、おおた歯科こども歯科の院長太田貴司です。
予防・痛くなる前の治療・歯周病の治療に力を入れています。
今回は、「歯茎から膿が出る」ことについてお伝えをします。
そもそも「膿(うみ)」とは何でしょうか?
化膿した際に傷口から出てくる黄白色でアルカリ性の液体。膿汁(のうじゅう)とも呼ばれる。これは微生物を食べる過程で崩壊した白血球や他の組織が崩壊したもの、その他の死んだ又は生きている細菌などである。膿の有形成分を膿球、液体成分を膿清と呼ぶ。(→Wikipediaより)
とあります。
傷や感染したところに、自身の白血球や免疫物質が集まってきます。「外部から敵が来たぞ」と反応するからです。
自分の白血球や免疫物質と、原因となる細菌・その死んだ細菌
の集まり、というと分かりやすいでしょうか?
「単なるばい菌の集まり」だけでなく、自身の血液も混ざっているということです。
歯茎から膿が出る
となると、歯周病を思い浮かべるでしょう。
歯と歯茎の隙間(歯周ポケット)に歯周病の細菌が入り込み、自身の白血球や免疫物質が戦い始めます。
戦っている最中の結果、膿が出てくるのです。
歯周ポケットから膿が出るということは、歯周病が相当に進行している可能性が高いです。
ここまで来ると、ご自身では治せないので歯科医院で治療を受けましょう。助かる可能性もあります。
ここで厄介な点があります。
歯周ポケットから膿が出るといっても、必ずしも歯周病とは限らないのです。
それは、歯の神経の管に細菌が入った「結果」として歯茎から膿が出ることもあります。
「結果」歯茎から膿が出ても、「原因」は歯の内部なのです。歯茎が原因ではありません。
歯の神経の管に細菌が入る原因
➀むし歯が大きく、神経の管に進行してしまった
②以前神経の治療をした歯で、詰め物・被せ物の隙間から細菌が入ってしまった
③歯自体が割れてしまっている・ヒビが入っている
その割れた隙間・ヒビから細菌が入ってしまった(これは歯科の現場ではよくあります。むし歯や歯周病でなくても、細菌が入ってしまうのです。)
歯周病でなくても、膿が出るというのは病態が相当に進行してしまっていそうです。
歯茎から膿が出るだけで、痛みがないことも多いです。だからといって、歯科医院に受診をしなかったり、後回しにしてしまうのはよろしくないです。
できるだけ早めに診てもらいましょう。
膿の治療をすると一時的にですが、かえってもっと腫れてしまう可能性があります。
それは、死んだ細菌が増えるからです。それはいずれ消失していきます。
おおた歯科こども歯科 院長 太田貴司
(自己紹介)https://ohta-dent.com/staff.html#intyo
2020年6月3日