滋賀県守山市古高町にある歯医者、おおた歯科こども歯科の院長 歯科医師の太田貴司です。
予防・痛くなる前の治療・歯周病の治療に力を入れています。
今回は、「紙タバコと電子タバコ、歯周病にとってどちらがより悪い?」についてお伝えします
「紙タバコを止めることができたので、今は電子タバコを吸っています」というのは、本当にお身体にとって効果的なのでしょうか?
目次
1.歯周病とは?
2.紙タバコが歯周病に与える影響
3.電子タバコが歯周病に与える影響
4.どちらがより歯ぐきに悪いのか?
5.まとめと太田貴司からのアドバイス
1. 歯周病とは?
歯周病とは、歯を支える骨や歯ぐきが炎症を起こし、徐々に壊れていく病気です。
進行すると、歯がグラグラしてきて、最終的には抜けてしまいます。
原因は、歯の表面にたまったプラーク(歯垢:しこう)という細菌のかたまりです。
この細菌が歯ぐきに炎症を引き起こし、進行すると歯を支える骨まで溶かしてしまいます。
歯周病は、初期段階では痛みが少ないため、気づかないうちに進行してしまうのが特徴です。
歯周病、というと皆さま「歯ぐきの病気」とイメージされます。歯ぐきが腫れたり、出血したり、膿が出たり、赤くなったり。
しかし、真の歯周病は「骨の病気」です。歯を支える骨が溶けます。顎の骨が溶けてしまうのです。すると、歯を支えられなくなり歯が抜けてしまうのです。
むし歯は、歯が溶ける病気。歯周病は、歯を支える骨が溶ける病気。です。
ということは、歯周病の方が怖い病気なのです。
さらに無意識に知らないうちに進行します。気付いたら抜歯をせざるを得ない状況になってしまっているかもしれません。
2. 紙タバコが歯周病に与える影響
紙タバコには、ニコチンやタールなどの有害物質が多く含まれています。
これらは、歯ぐきの血流を悪くし、免疫力を下げる働きがあります。
そのため、歯周病にかかりやすく、治りにくくなります。
また、ヤニによって歯が黄ばみやすく、口臭も強くなる傾向があります。
紙タバコを吸っている患者さまは、歯ぐきの色が黒ずんで見えることもあります。
これは、メラニン色素の沈着によるものです。
さらに、治療をしても治りが悪く、再発しやすいという特徴もあります。
3. 電子タバコが歯周病に与える影響
電子タバコは、紙タバコよりも有害物質が少ないとされています。
しかし、だからといって安心はできません。
電子タバコにもニコチンが含まれているタイプがあります。
ニコチンは、血管を収縮させ、歯ぐきの血流を悪くします。
それにより、歯周病にかかりやすく、進行もしやすくなります。
また、フレーバーに使われている成分が、口の中の細菌バランスを崩す可能性も指摘されています。
このバランスが崩れると、歯周病菌が増えやすくなります。
一見無害に見えても、口の中にとっては危険な存在になり得るのです。
4. どちらがより歯ぐきに悪いのか?
結論から言うと、「どちらも歯周病にはよくありません」。
ただし、影響の大きさで言えば、紙タバコの方がより悪いと言えます。
それは、含まれている有害物質の量が圧倒的に多いためです。
しかし、電子タバコも決して安全ではありません。
とくに、長期間使い続けることで、歯周病のリスクは高まります。
患者さまの中には、「電子タバコなら大丈夫」と思っている方もおられますが、油断は禁物です。ぜひ禁煙をしましょう。
5. まとめと太田貴司からのアドバイス
紙タバコと電子タバコ、どちらも歯周病には悪影響があります。
その中でも、とくに紙タバコは有害物質が多く、歯ぐきにとって大きな負担となります。
電子タバコも油断は禁物です。
ニコチンや香料成分などが、知らないうちに口の中の環境を悪くしている可能性があります。
歯周病を防ぐためには、禁煙が一番の方法です。
そして、定期的な歯科検診とクリーニングを受けることで、歯ぐきの健康を守ることができます。
患者さまが安心して通えるように、当院では禁煙サポートや歯周病予防にも力を入れています。
禁煙サポートについては、スライドを用意しております。専門家には負けますが、サポートしていきたいです。
タバコは、癌(悪性腫瘍)の原因にもなります。
癌になったら歯周病どころではありません。治療にどれだけのお金と時間を要するか。人生が変わってしまいます。周りの方の人生もです。
生きているなら、ある一定の確率で癌になる可能性はあります。だからと言って、喫煙で自ら可能性を上げることはありません。
一度の人生、二度ない人生。どうせ生きるなら健康に生きたいですよね。
大切なご家族のためにも、まずはご自身のお口の健康を守っていきましょう。

おおた歯科こども歯科
院長 太田貴司(自己紹介)https://ohta-dent.com/staff.html#intyo
2025年12月7日











