滋賀県守山市の歯医者、おおた歯科こども歯科の院長太田貴司です。 むし歯が大きく進行して、冷たいもの・温かいものでしみる、痛いとき。 歯科医院に駆け込みます。 診断の結果、全てが全てではありませんが、「神経を取らざるを得ない」場合が多いです。 歯の神経は“歯髄(しずい)”と言われます。 骨髄や脊髄と同じ感覚です。 その髄を抜くため、抜髄(ばつずいと呼びます)と言います。 【抜髄の手順】 ①麻酔をします 抜髄をする時は、何かしら症状がある時です。 症状がある時は、麻酔が効きにくいです。 よって、通常の治療よりも多めに麻酔をします。 ②むし歯の部分を削ります いきなり神経をとるわけではありません。 まずはむし歯の部分を全部削らないと、むし歯菌が入り込んでしまうためです。 ③神経を取るために形を整えます ④神経が入っている管を広げます ファイルという道具を使います。 ⑤仮のフタをして、痛み止めの飲み薬をお出しします。 1日目はここまでです。 2日目 ⑥管のお掃除、消毒をします ⑦管に最終的なお薬を詰めます(根管充填;こんかんじゅうてんと呼びます)。 ⑥、⑦は症状や前歯・奥歯で回数が変わります。 2回目で終わらないことも多々あります。 ⑦の後、詰め物をしたり、被せる治療を行います。 抜髄から詰め …続きを読む
2018年10月31日
金属アレルギー 滋賀県守山市の歯医者、おおた歯科こども歯科の院長太田貴司です。 金属アレルギーは、花粉症と同じような発症の仕方をします。 それまでは何ともなかったのに、ある時突然発症してしまうものなのです。 原因となるものが、長期に身体(歯ぐき)に触れていることで、アレルギーが発生します。 いきなり発症することもありますが、何十年も眠っていて急に発症することもあるのです。 金属アレルギーになってしまった場合、 「一体何が悪かったの?」とその原因を知りたくなりますよね。 金属が悪かったの? 歯科医院が悪かったの? それとも、自分が悪かったの? いいえ。悪いものはありません。 答えは、その金属がその方に「たまたま」合わなかっただけなのです。 「銀歯」と言われる詰めもの・被せものは、日本全国で使われています。 それは、保険診療で認められていて、安価で使いやすい材料だからです。 いわゆる「銀歯」は、100%銀ではありません。 当院で使用している「銀歯」は、金、パラジウム、銀、銅、亜鉛、インジウム、ガリウム、イリジウムから成り立っています。 「銀歯」に「金」が入っていることに驚かれるかもしれませんね。 ここで少し、学校で習った元素記号を取り入れて説明してみましょう。 金属アレルギー …続きを読む
2018年10月27日
滋賀県守山市の歯医者、おおた歯科こども歯科、院長太田貴司です 。 何度かお伝えしている、タバコと喫煙の関係。 歯周病にかかる危険は、1日10本以上喫煙すると5.4倍に、10年以上吸っていると4.3倍に上昇し、また重症化しやすくなります。 タバコに含まれるニコチンや一酸化炭素が歯周病の原因となります。 ニコチンは血管を縮める悪影響があるため、歯ぐきへの血管が細くなります。 栄養が行き渡りにくくため、歯周病が悪化します。 一酸化炭素は酸素が運ばれるのを妨げます。 同じく栄養が行き渡りにくくなります。 タバコを吸っていると、歯ぐきの腫れや出血が隠れてしまうのです。 炎症があるというのは、大切なサインなのに、患者さん自身が歯周病に気づきにくくもなります。 実際に治療を始めても歯ぐきの治りは悪いです。 再発もしやすいです。 それはインプラントでも同じです。 喫煙をすると、インプラントが緩んできてしまいます。 歯だけではなく、インプラントも抜ける原因になります。 全身で言えば、タバコには発がん物質が300種類入っていると言われています。 時間とお金と労力を使って、自らの手で歯周病やガンに向かわせているのもご自身の人生のためにはなりませんよね。 さて、最近よくある問合せに、「なら電子タバコなら歯周病にはなりませんか?」があります。 答えは、 …続きを読む
2018年10月24日
滋賀県守山市の歯医者、おおた歯科こども歯科の院長太田貴司です。 『Professional mechanical Tooth cleaning』 通称PMTC(ピーエムティーシー)とは、歯科衛生士などの専門家が専用の道具を使って歯をお掃除することです。 PMTCは、歯を削らずに、自分では磨きにくいところ・汚れが貯まりやすいところを綺麗にすることができます。 むし歯や歯周病は、歯みがきなどで取りきれなかった小さな汚れが原因です。 自分で取れない汚れや、汚れがたまりやすい場所をしっかり磨き、むし歯・歯周病を未然に防いでいきましょう。 自分ではとりきれない歯の汚れ 必ずある!どうしてもとりきれない“歯の汚れ”磨きにくい部位もたくさんあります。歯の山の部分、谷の部分、奥の奥、歯ぐきの下(ポケット)……。それは、歯科医師や歯科衛生士などの歯のプロフェッショナルな人たちでも同じで、自分の歯をすみずみまで磨ききることはできません。 毎日、歯みがきや歯間ブラシ、フロスを使っても、自分で汚れを100%取り除くことはできません。 歯はたくさんあります。デコボコもしています。溝もあります。 とても厄介!“ばい菌のバリア”そう思ってはいませんか?それは何故でしょうか?このバイオフィルムはとても固いため、自分ではとれず、専用の道具でなければ剥がせない場合があります。 …続きを読む
2018年10月20日
滋賀県守山市の歯医者、おおた歯科こども歯科、院長太田貴司です 。 歯周病は、いつ発症するのでしょうか? よく「成人の80%は、歯周病になっている」と言われます。 この“成人”とは具体的に、何歳なのでしょうか? いきなり歯周病になるものでしょうか? 徐々になっていくものなのでしょうか? アメリカの論文に「歯周炎はほとんどの場合、30~40歳に発症し、そのピークは38歳である」という報告がされています。 別の論文では、「22~28歳に発症する」とあります。 「思ったより早い」と思われたのではないでしょうか? 歯周病にかかりやすい人は、20代から発症するのです。 20代前半と言えば、ほとんどお口や歯に興味関心がない年齢です。 それは、「自分の口の中には、歯があって当たり前だ」と思っている時期ですし、そもそもそれすら思っていないのかもしれません。 ご自身の健康に関心がない年齢です。 そして、歯周病は、いきなりかかっていきなり歯が抜ける病気ではありません。 静かに静かに、徐々に徐々に進行します。 気付いた時は、「抜歯」になってしまうかもしれません。 【歯周病のリスクファクター】 リスクとは、「病気のなりやすさ・起こりやすさ」を示します。 ファクターとは、「その要因」です。 歯周病のリスクファクターが多いほど、歯周病にかかりやすく治りにくいということです。 ここでは、歯 …続きを読む
2018年10月17日
滋賀県守山市の歯医者、おおた歯科こども歯科の院長太田貴司です。 お口の内部まで、削ることなく調べることができるレントゲン。 歯科では、歯の内部、歯を支える骨の状態、金属の下の診断、顎関節の診断に用いられます。 レントゲンには2種類あります。 ①オルソパントモグラフィー(パノラマレントゲン) レントゲンの機械が、お顔を中心に回転しながら撮影するレントゲンです。 歯、骨だけでなく、顎や鼻の空洞、親知らずの状態、舌を支える骨も写ります。 ②デンタルレントゲン 歯を3本前後写すレントゲンです。 お口の中に、レントゲンフィルムを入れ、その相対する場所に筒のようなレントゲン撮影器を近づけ ます。 スイッチを押すと、筒からエックス線が出て、フィルムに焼き付けられます。 それを現像機で現像します。 最近は、デジタルなので一瞬です。 私が学生時代のころ(15年ほど前)は、現像液を入れて手もみで現像していました。 今では考えられないです。 ③セファログラムレントゲン 主に矯正をするにあたり、診断のためのレントゲンです。 真横から撮影することが多いです。 オルソパントモグラフィーも、デンタルレントゲンもセファログラムも現像は数秒です。 レントゲンでは、空洞の部分が黒く、密度の濃い部分が白く写ります。 金属はレントゲンを通さないため、真っ白に写ります。   …続きを読む
2018年10月13日
滋賀県守山市の歯医者、おおた歯科こども歯科、院長太田貴司です 。 唾液、つまり“つば”です。 美味しそうなもの、梅干しやレモンを見ると、思わず出てきてしまいますよね。 ただの“つば”ではなくて、すごい力を持っています!! 我々は、唾液がなければ生きていくことができません。 【役割】 ①食事:食べ物と混ぜ合わさって、飲み込みやすくする ②消化酵素を分泌する:唾液アミラーゼを分泌する(唾液アミラーゼは、はデンプンを分解します) ③会話:お口の中を濡らして、話しやすくする ④洗浄:お口の中を洗ってくれる ⑤食べ物を消化する ⑥抗菌;抗菌物質が出ます。これにより細菌やウイルスから防御します ⑦緩衝:口の中が酸性になったとき、中性に戻します ⑧再石灰化:脱灰されてしまったエナメル質を元に戻す(→初期のむし歯なら治してくれるのです!) 【唾液が出る場所】 唾液はいつの間にか、どこからともなく出てきます。 さて、どこから出てくるのでしょう? 唾液を作る工場は、お口の中に無数あります。 大唾液腺(だいだえきせん)と小唾液腺(しょうだえきせん)という工場に分かれます。 大唾液腺は、耳下腺(じかせんと呼びます)、顎下腺(がっかせんと呼びます)、舌下腺(ぜっかせん)があります。 この3つを三大唾液腺と呼びます。 耳下腺は耳の前にあります。 顎下腺は左右のあごの下 …続きを読む
2018年10月10日
滋賀県守山市の歯医者、おおた歯科こども歯科の院長太田貴司です。 ご自身でする「毎日の歯みがき」と「歯科医院での定期的なクリーニング」。 皆さんはどちらが大切だと思われますか? 歯科医院でのクリーニングは、器具も揃っているし、歯科のプロが行う、いかにも専門的でしっかりお掃除してくれそうなイメージですよね。 それに対して、毎日の歯みがきは日々のルーティーンの一部としてあまり注目されず、どうしても惰性になっている部分もあるかもしれません。 どちらが大切なのか? の答えは、「どちらも大切」です。 たまにいらっしゃるのです。 毎日の歯みがきがややおろそかで、歯ブラシを当てて頂きたいところに残念ながら当たっていない。 結果、磨いてきたばかりなのに、磨き残しがたくさんある。 それでも数ヶ月ごとに、定期的にクリーニングに来て下さるという方。 そういった方は、痛みもないのに、お忙しい中定期的に歯科医院に来て下さる。 それはとても素晴らしいことです。 むし歯が見つかったら、私たちも早期に治療ができますしね。 ただ、果たしてそれを手放しで褒めて良いのかどうか。 あるいは、磨けていないことをお伝えし、アドバイスするのか。 それで気分を害されて、通院が途絶えてしまうことになったら、歯の状態はさらに悪化してしまう …続きを読む
2018年10月6日
滋賀県守山市の歯医者、おおた歯科こども歯科、院長太田貴司です 。 歯石が歯ブラシではとれないんですが、どうしたらいいですか? 答えは、「はい。歯ブラシではとれません。無理せずに歯科医院で取ってもらいましょう」です。 歯石は、歯周病の原因です。 歯周病は、細菌の塊である歯垢(しこう)と、歯垢・細菌が唾液などで石のように固まった歯石(しせき)から発症します。 歯周病は、喫煙や高血圧、糖尿病、内服薬の副作用とも関連しますが、大元は歯垢と歯石です。 歯垢は日常の歯ブラシで除去できます。 歯石になると、歯ブラシでは除去できません。 さらに、数か月でまた付いてしまうので、定期的な除去が必要です。 歯石には2種類あります。 歯肉縁上(しにくえんじょう)歯石と歯肉縁下(しにくえんか)歯石です。 ①歯肉縁上歯石 白っぽく、軟らかい。 除去しやすい。 歯周病の原因にはなるが、そこまで悪さはしない。 ②歯肉縁下歯石 黒く、硬い。 除去しにくい。 放置すればするほど、歯ぐきの下に付くため、麻酔が必要な場合がある。 根の先まで歯肉縁下歯石が付くと、除去できない。 歯周病の大きな原因になる。 どちらが悪さをするのか大体お分かりだと思います。 「歯石を取る」と言っても、人それぞれです。 部分的に歯肉縁上歯石しか付い …続きを読む
2018年10月3日