むし歯ではないことが前提です。 冷たいもの・甘いもの・酸っぱいものがその歯に触れると、シカっとしみることがあります。 歯磨きの時、ブラシがその歯に当たるとピリッとすることがあります。 そのイヤな症状は、基本的にその時だけです。 すぐ消えてしまいます。 そのような症状を知覚過敏(ちかくかびん)と言います。 テレビでも聞いたことがあるかもしれません。 歯の中には、神経(歯の神経を歯髄と言います)が入っており、これが何らかの原因で反応すると、“しみる”となります。 原因は様々です。 ①強い歯磨き 歯が削れてしまいます ②歯磨き剤が多い 研磨材で歯が削れてしまいます ③歯ぎしり、噛みしめ 大きな力で歯が削れてしまいます ④酸 コーラやワインなどで歯が溶けます ⑤歯周病や歯石のお掃除の後 歯周病は歯ぐきが下がってしまうことでしみます 歯石の除去後は、はぐきが引き締まることでしみることがあります。 ➅ホワイトニングの後 ホワイトニングのお薬でしみることがあります。 ⑦年齢 どうしても歯ぐきが痩せてしまうため、その部分がしみることがあります。 【知覚過敏の治療】 ・知覚過敏を抑える塗り薬 ・くぼんでいる部分は樹脂で埋める ・症状が強すぎる場合は、神経の治療をする 通常は神経を取ることなく治療はできます。 一般の方は、むし歯でしみるのか、知覚過敏でしみるのか分からないはずです …続きを読む
2017年4月26日
たまに来院されます。 破折というのは、転んだりケガで、歯が欠けてしまうことです。 脱離というのは、丸々歯が抜けてしまうことです。 【破折】 歯はとても硬いですが、大きな衝撃が加わると欠けたり、根の奥で折れてしまうことがあります。 食器を落とすと割れてしまうイメージです。 破折があると、歯がしみるようになったり、痛みが出てきます。 場所が悪いと、歯がグラグラしてきます。 治療はどこで欠けたかで変わります。 一部であれば、その部分を樹脂で詰めます。 根元で折れた場合、長期間経つとばい菌が入るため、根の消毒が必要かもしれません。 差し歯になることもあるかもしれません。 根の深い部分で折れていた場合は、数か月レントゲンで経過観察をすることもあります。 くっつく場合もありますし、折れたまま無症状で残ることもあります。 バラバラに折れていた場合は、残念ながら抜歯ということもあります。 【脱離】 お子様に多いです。 根が短かったり、完全に出来上がっていないためです。 歯の表面にある細胞が生きていれば、元の場所に納めるとつながる可能性もあります。 その時に重要な点が2点あります。 ①何よりも時間勝負です。 脱離して数時間以内にお持ちください。 時間が短ければ短いほど、治りが良いです。 ②抜けた歯の洗いすぎは禁物。 唾液や成分無調整の牛乳に保存してお持ちください。 歯の保存液は禁物です。治り …続きを読む
2017年4月19日
歯周病とは。。。 文字通り“歯の周りの病気”です。 一昔前は歯槽膿漏(しそうのうろうと呼びます)と言われていました。 30歳代の約80%が歯周病にかかっており、国民病です。 ギネスブックにも載っています。(人類がかかっている最も多い病気。高血圧や糖尿病よりも多いです。) 歯の周りの病気なので、歯とは無関係です。 歯の周りの歯肉や、骨の病気です。 最初は歯ぐきが腫れているとか、出血するだけだったのに、進行すると歯ぐきが痩せていきます。 最後は歯を支える骨が溶けていってしまうのです。 歯を支える骨が溶けるとどうなるのでしょうか? どれだけ綺麗な家が建っていても、土壌が腐っていると家が崩れてしまいます。 それと同じように、全く削っていない健康な歯でも、例えセラミックスの歯でも、末路は変わりません。 歯そのものが抜けてしまうのです。 【歯周病の原因】 むし歯の原因は、プラークです。 歯周病の原因は、プラーク、歯石ですがそれだけではありません。 生活習慣や食べ物の好み、喫煙、ストレス、糖尿病、高血圧、薬の副作用、遺伝、かみ合わせ、被せ物の不良。 たくさんあります。 むし歯よりも対策すべきが多いですね。 それでも、基本は毎日のブラッシングと、歯科医院での定期的な歯石の除去です。 人によっては、やることが多いですが、毎日のコツコツが一生涯ご自身の歯でのお食事につながります。
2017年4月12日
最初は小さな黒い点だったのに。。。 放置していたら、ドンドン大きくなって、しみるようになった。 冷たいものでちょっとしみるだけだったのに、最後はズキズキ痛い。 それに歯も減ってきてしまった。 これがむし歯です。 【原因】 むし歯は単独ではできにくいです。 以下の4つが多いほどむし歯になりやすいです。 ①歯の質 生えたての歯や、元々歯がもろい人はむし歯になりやすいです。 ②細菌 むし歯菌が多いほどむし歯になりやすいです。 ③砂糖 砂糖が多いほどむし歯になりやすいです。 ④時間 歯磨きまでの時間が長いほどむし歯になりやすいです。 プラークに触れている時間が長いほどむし歯になりやすいです。 【むし歯の予防】 上の4つの対策をすれば、むし歯にならない/なりにくいです。 ・フッ素で歯を強くする(特に、乳歯と生えたての永久歯に効果的です) ・プラークコントロールをする(歯磨きの質、時間、回数を増やす/改善する) ・砂糖を取らない/砂糖を減らす ・プラークができる前に、歯磨きをしっかりする 私たちが生きている上で、どうしても避けられないこと。 例えば、風邪をひく、こちらが気を付けていても交通事故に遭ってしまう。 これらとは違い、むし歯は避けることができます。 4つの対策をすること。予防が大切ですね。 そして、むし歯になってしまったら、早期に治療をしましょう。 それが歯の寿命を短くしない …続きを読む
2017年4月5日
親知らずです。 成人前後に生えてくるので、仕上げをしない親さんが気付かないという由来です。 親知らずは別名智歯(ちし)、第三大臼歯、知恵歯とも言います。 イメージは、 “痛くなる” “腫れる” “抜いても痛くなる、腫れる” “大人になってから腫れる” “横向きに埋まっている” くらいでしょうか。 生えてくるのは、18歳くらいからです。 かなり高齢になってから突然生えてくることもあります。 親知らずは、上下左右で合計4本あります。 しかし、4本が4本とも、まっすぐ生えそろうことは少ないです。 埋まったままだったり、手前の歯にぶつかったままで生えなかったり、元々生まれつきないことも珍しくないです。 親知らず→抜かないといけない、と思っていらっしゃる方もいますが、なにも悪さをしなければそのままでも構いません。(ちなみに、私太田貴司は将来悪さをするのが怖かったので、完全に埋まっている親知らずを抜いてもらいました。その時は悪さはしていませんでした。この考え方は少数派だと思います・・・) 親知らずが痛くなる原因は大きく分けて2つあります。 ①親知らずそのものにむし歯ができて痛い ②親知らずの周りの歯ぐきが炎症を起こして、痛い・腫れている 厄介なのは、親知らずの手前の歯も道連れにしてしまうケースです。 最悪は、2本失いかねませんので、抜歯をした方が良いかもしれません。 親知らずが一回痛くなったり …続きを読む
2017年3月22日
子供の歯を乳歯と呼びます。 タイトルを「牛乳の歯」としたのは、英語で「milk tooth」と表記するからです。 baby toothとも表記します。 乳歯が生えてくるのは、生後6ヶ月くらいからです。 ゆっくりなお子様は、8ヶ月からというのも珍しくありません。 身長体重に個人差があるように、歯が生えてくる時期にも個人差があります。 全て生えそろうのは、3歳くらいです。 本数は上10本、下10本で、合計20本です。 前歯から生え始め、奥が生えてきます。1本飛んで生えることがありますが、多くは問題ありません。 乳歯は大人の永久歯とは、似て非なるものです。 大人の歯が生えそろうまで、飲んで、咬んで食べ、話したりすることを通して、頭・顎の骨の成長を助けてくれます。脳の発達にも関わります。 乳歯の色は、青白い色をしています。永久歯が黄色っぽいのとは異なります。 大きさも小さく、根っこも短いです。 歯の神経(歯髄)が入っている空間(歯髄腔、しずいくうと呼びます)も、永久歯と比べ広く大きいです。永久歯と同じ大きさのむし歯でも、乳歯のむし歯の方が重症化することがあります。 歯並びにも特徴があります。 乳歯の歯並びには隙間(生理的空隙、せいりてきくうげきと呼びます)があります。 具体的には、霊長空隙(れいちょうくうげきと呼びます)や発育空隙(はついくくうげきと呼びます)です。 このすき間は、後から乳 …続きを読む
2017年2月15日
歯に栄養を送る部分を歯髄(しずい)と呼びます。 中心の部分です。 人体で見ると、脊“髄”や骨“髄”と同じです。 歯髄は、“歯の命”です。 我々から“命”を取ると、死んでしまいます。 歯も神経を取ると、死んでしまいます。 栄養が送られなくなってしまうからです。 我々歯科医院側がよく「神経をとる」と言いますが、実際に取っているのは神経だけではありません。 血管も一緒に取っています。取らざるを得ないのですが。。。 神経は、脳から歯へとつながっているので、歯の先の部分で切断するのです。 良い気はしませんよね。 神経を取るには、歯を大きく削る必要があります。 たくさん歯を削って、神経を取って、血管もとる。 この場合、むし歯が大きく痛みがあるときです。 さて、神経を取るとどうなるのでしょうか? ①歯がもろくなる 栄養がないため、ヒビが入ったり、割れてしまいやすくなります。 ②次にむし歯になっても気付かない 神経がすでにないので、むし歯になっても“痛い”とはなりません。 気付いたときには、治療が不可能なむし歯になっていることも。 ③変色する 血液が流れないため、その歯が紫色になります。 神経を取った歯は、通常被せるため、変色には気付きません。 ただ、前歯は神経を取っても被せないことがあるので、数年後に変色してくることもあります。 我々歯科医院側は、神経を取ることのデメリッ …続きを読む
2017年2月8日
歯の表層はエナメル質です。 そのエナメル質の下にある組織が象牙質です。 ゾウの牙が名前の由来です。 エナメル質よりは硬くはありませんが、骨よりは硬いです。 エナメル質より柔らかいため、むし歯がエナメル質を越えてしまうと、むし歯の進行がより早くなってしまいます。 この“柔らかい”ということはデメリットだけでなく、メリットもあります。 硬すぎるエナメル質のクッション材になるのです。 象牙質の大きな特徴は、“形が変わる”ことです。 エナメル質自体は変わりません。しかし、象牙質は変わります。 どういうことでしょうか? 実は内部で変わるのです。外側ではありません。 むし歯や、歯が削れてしみる(知覚過敏)になると、歯に穴が開いたり、薄くなります。 そこで、象牙質が成長し、穴が開いたり薄くなった部分を厚くしてくれます。 象牙質が分厚くなると、むし歯と歯の神経(歯髄)までの距離が離れます。 歯髄は、歯に栄養を送るのでとても大切な組織です。 象牙質は成長し、歯や歯髄を守ってくれるのです。 しかし、油断は禁物です。 象牙質は無限にあるわけではありません。 穴が開いても、痛くないからと言って放置は良くありません。 むし歯の進行が早い場合もありますし、いずれ痛くなってしまいます。 ぜひとも、むし歯は早期に治療しましょう。
2017年2月1日
それは歯の「エナメル質」という部分です。 歯の最も表面の部分です。 歯は、丸々「歯」ではなく、表層・中層・深部で構造が異なります。 エナメル質は、歯の表層にあり、痛みや刺激から守ってくれる鎧です。 話しは変わりますが、痛みを感じる部分は、神経です。 例えば、自分の腕をつねってみて下さい。 すると、痛いです。 それは皮や脂肪、筋肉の下に神経があるからです。神経は脳とつながっているため、脳が“痛い”と感じているのです。 エナメル質には神経(歯の神経を歯髄、しずいと呼びます)がありません。 むし歯の多くは、表層のエナメル質からできるのですが、エナメル質にとどまっている初期のむし歯は痛くないのです。 エナメル質には歯髄がないからですね。 “むし歯になると即痛い”というイメージがあるのですが、そういうわけではありません。 むし歯がエナメル質を越え、象牙質に達し、どんどん進行すると“しみる”になります。 歯髄に近くなると“痛い”になり、その後は痛くなる一方です。 食生活や歯の硬さにもよるので、個人差があります。 しかし、エナメル質にできたむし歯が1ヶ月、2ヶ月で歯髄に達し、ズキズキ痛くなることは少ないです。 むし歯にしないことは大切ですが、むし歯になってしまったらいかに初期のうちに治療するのかが重要です。 歯は削れば削るほど、寿命が短くなるからです。
2017年1月25日
私たちの歯は大きく分けて2つあります。 乳歯(子供の歯)と永久歯(大人の歯)です。 乳歯は生後6ヶ月頃に生えます。 前歯からです。 一番奥の乳歯は、11~12歳ごろまでお口の中に残っています。順次、永久歯に生え変わります。 永久歯は6歳ごろから生え始め、親知らずになると20歳前後に生えてきます。 (現代の日本人は、顎が小さいため、生えてこないこともあります。親知らずは元々ないこともあります。) 乳歯も永久歯もいつの間にか生えて、白く並んでいます。 どのように生えてくるのでしょうか? 私たちがお母さんのおなかの中にいる胎生7週くらい。 乳歯の種(歯胚、しはいと呼びます)が出現します。この種が徐々に歯へと育っていきます。 朝顔の種が成長し、芽を出して、伸び、花になるのに似ています。 歯胚の外で、歯の頭(エナメル質)が作られます。 歯は、根っこからではなく、頭から作られます。 エナメル質というのは、ご自身のお口を鏡で見た時に、白く見える部分です。 エナメル質は、身体の中で最も硬い組織です。ダイヤモンドくらいの硬さです。 エナメル質の内側では、象牙質(ぞうげしつと呼びます)ができます。 その後、根っこ(歯根、しこんと呼びます)が作られます。 歯根の周りには、セメント質という部分が表面に作られ、内部には「神経、神経」と普段呼ばれる歯髄(しずいと呼びます)が作られます。 歯根が作られる時期に、 …続きを読む
2017年1月16日