お薬だけで、手強い歯周病は治る?? 最近はありませんが、一時「お薬を飲んで、歯周病を治す」がブームになった時がありました。 お薬を飲めば、歯周病の菌を抑えることができる、というものです。 さて、どうなのでしょうか? 答えは「治りません」です。 お薬を飲むだけで歯周病が治るのであれば、これだけ歯周病で苦しんでいる人は全て救われます。 (成人の80%以上が歯周病にかかっています。人類で最もかかっている病気として、歯周病がギネスブックの載っています) お薬だけで治るのであれば、歯みがきも必要ありません。 歯間ブラシ、フロスも必要がありません。 歯周病で抜歯することもなくなるし、入れ歯も不要になってしまいます。 ブリッジ、インプラントも不要です。 まるで夢のようです。 日本の歯科医療は、まだ発展途上です。 先進国の中でも遅れています。 それでも徐々には進化しています。 なのに、歯周病は一向に減らない。 それは、「歯周病は慢性疾患であり、完治することはない」からです。 初期を除いて、治ることはないのです。 病気なら、治療をすれば治る、ではないのです。 そこが、歯周病が厄介で手強い理由なのです。 歯周病は、生活習慣病の位置付けられます。 生活習慣病の代表的なものは、高血圧と糖尿病です。 この高血圧と糖尿病も、生活習慣が原因です。 運動不足、塩分過剰、砂糖の摂り過ぎ、飲酒、喫煙、ストレスなど。 …続きを読む
2018年2月14日
今回は志向を変えて、当院のスタッフについてお伝えします。 ①受付 医院の顔とも言える受付。 いつも頑張ってくれています。 患者様のお出迎えから始まり、診察券・保険証の受け取り、お会計、次回の予約。 さらに、イレギュラーで突然のお電話。 どなたからなのか?、ご用件は?、今お返事をしないといけないのか後からでもいいのか?、それをすぐに察知し、対応してくれます。 「医院の顔」と言えば、院長というお声もあります。 間違ってはいません。 しかし、医院を訪れた時に最初に対応するのは受付です。 電話をした時、受け取るのは受付です(私太田貴司も出ることがあり、患者様からは驚かれます) そういう意味でおおた歯科こども歯科の顔は、受付だと感じています。 院長は、診察室で治療をしているだけです。 (※怠けているだけではありません。スタッフが一生懸命働いてくれるおかげで、診療に集中できるのです。) 受付のように、受付+診察室+待合室+消毒室と目まぐるしく移動することはありません。 受付は、歯科医師や歯科衛生士も気付かない全体像を見てくれます。 司令塔と言ってもいいかもしれません。 ②歯科衛生士 次は歯科衛生士。 また別の機会にもお伝えしたいのですが、歯科衛生士は素晴らしい職業です。 何せ「予防」ができるのですから。 むし歯・歯周病から歯を守り、予防・現状維持を管理できるのは、歯科衛生士です。 痛みを取るの …続きを読む
2018年2月7日
善玉菌を取れ入れましょう。 プロバイオティクスと呼ぶのですが、あまり聞きなれない言葉だと思います。 歯科では予防に取り入れられています。 題名にもあるように、善玉菌を取り入れ、悪玉菌が増えるのを抑えるために使われます。 例えば、歯周病。 歯周病は、磨き残し・歯石に歯周病の菌が住み着き、増殖することが始まりです。 それが発症すると、歯ぐきが腫れたり、出血したり、咬むと痛い、歯がグラグラするといった症状が出てきます。 菌が原因なので、治療は菌を抑えることです。 菌を抑えるには、毎日の歯みがきと、歯科医院での定期的なクリーニングが重要です。 毎日の歯みがきや、歯科医院でのクリーニングによって、悪玉菌は追い出されたとします。 まずないのですが、追い出されると空っぽになります。 空っぽになったところには、また菌が入ってきてしまいます。 再度悪玉菌がはいると、歯周病はいっこうに改善されません。 プロバイオティクスは、一度悪玉菌を追い出し、再度悪玉菌が入る「前に」善玉菌を入れましょう、という考えから来ています。 お身体の中に善玉菌が増えれば、そこに悪玉菌が入る余地はありません。 それを継続していけば、歯周病の改善につながるのです。 【プロバイオティクスに必要なこと】 ①安全であること ②ヒト由来の菌であること ③胃酸や胆汁酸に抵抗力があること ④生きた菌であること ⑤人に有効であること ⑥腸管に …続きを読む
2018年1月31日
歯が抜けるとどうなる? 歯を1本失った、2本失った。 ひとまずは生活できるけど、放置しておいても良いのでしょうか? 歯が抜ける原因 ①歯周病で歯がグラグラになって抜ける/抜かざるを得ない ②むし歯で、ボロボロになってしまった/隣の歯にも悪影響がある ③歯が折れてしまった(腕や足の骨折のように) ④矯正で歯並びを治すため、歯科医院で抜歯をしてもらった ⑤交通事故、ケガで抜けてしまった。 歯が抜けてそのままにしておくと‥‥ ①前歯であれば見た目が悪い ②話をするときに、息が漏れる。 ③咬みにくい ④歯がない方に動くため、歯並びが変わってしまう。 ⑤歯並びが変わるので、汚れが溜まりやすい、磨きにくい ⑥むし歯や歯周病になりやすい。 ⑦咬みあう相手の歯がないため、歯自体が延びてしまう。 延びすぎると、歯ぐきにささり、口内炎になる。 ※例外 親知らずと、その手前の歯(第二大臼歯) この2本については、失ってもほとんど問題はありません。 見た目は全く関係ありません。 息も漏れないでしょう。 咬みにくくなることもあまりありません。 この2本については、歯並びにも影響しません。 相手の歯が延びることはありますが、延びない人もいます。さらに延びたとしてm、半年や1年で大きく延びることはありません。 数年をかけて徐々に延びてきます。 親知らずと第二大臼歯は、失っても …続きを読む
2018年1月24日
滋賀県守山市古高町にある歯医者、おおた歯科こども歯科の院長 歯科医師の太田貴司です。 予防・痛くなる前の治療・歯周病の治療に力を入れています。 ご自身でする毎日の歯みがき と 歯科医院での定期的なクリーニング。 どちらが大切なのでしょうか? 歯科医院でのクリーニングは、いかにも専門的でしっかりお掃除してくれそうなイメージですよね。 それに対して、毎日の歯みがきはどうしても惰性になっている部分もあるかもしれません。 どちらが大切なのかの答えは、「どちらも大切」です。 たまにいらっしゃいます。 毎日の歯みがきがややおろそか、当てて頂きたいところに当たっていない。 磨いてきたばかりなのに、磨き残しがたくさんある。 それでも数ヶ月ごとに、定期的にクリーニングに来て下さる。 痛くもないのに、定期的に歯科医院に来て下さる。 それはとても素晴らしいことです。むし歯が見つかったら、早期に治療できますしね。 しかし果たして、それを手放しで褒めて良いのかどうか。 あるいは、磨けていないことをお伝えし、アドバイスするのか。 それで機嫌を悪くされて、通院が途絶えてしまったらさらに悪化してしまう。 私たちは、悩ましい立場にあることもあります。 本音としては、「毎日の歯みがきと歯科医院での定期的なクリーニングは、どちらも大切です。歯科医院に全てを預けるのは、良くないんですよ」「全ての汚れの源は、 …続きを読む
2018年1月17日
「乳歯が抜けていないのに、後ろから永久歯が生えてきました。これって大丈夫ですか?永久歯が悪くなりませんか?」 よくあるお問い合わせです。 多くは、下の前歯です。 たまに上の前歯でもあります。 これは、「二重歯列」と呼ぶことがあります。 問題は、「抜歯をするか、抜歯をしないで経過観察をするか」です。 ①乳歯がグラグラしていて、何も気にならない →経過観察で良いでしょう。そのうち抜けてしまいます。 ②乳歯がグラグラしている。気になっていつも触ってしまう。 →ご本人、親様とご相談します。抜歯をした方がいいかもしれません。 ③乳歯がグラグラしている。痛い。 →抜いた方が良いでしょう。 ④乳歯が全然グラグラしていない。 →親様と相談の上、抜いた方がいいかもしれません。 正常とは異なる位置に永久歯があるかもしれません。 いずれも、レントゲン撮影をして、現在の状態を確認しましょう。 大きくグラグラしていて、今すぐでも抜けそうな場合は、麻酔の注射をせず、塗るだけの表面麻酔だけで抜けるかもしれません。 「麻酔の注射をして、2~3時間痺れるが痛くない抜歯」 と 「表面麻酔なので、完全に無痛は得られない。抜歯の時に多少痛いかもしれない。ただ、注射の痛みがなく、痺れている時間も数分。」 悩まれる方も多いですが、どちらを選ぶかですね。 通常、麻酔液の中には止血剤が含まれています。 後者 …続きを読む
2018年1月10日
滋賀県守山市古高町にある歯医者、おおた歯科こども歯科の院長 歯科医師の太田貴司です。 予防・痛くなる前の治療・歯周病の治療に力を入れています。 今までの「当たり前」は本当に正しい?? 日本人の習慣として、「起床→朝ご飯を食べる→歯を磨く」があります。 この習慣に問題を投げかけるのは、医師の川合満先生。 「歯を磨かずに朝食を摂ると、夜のうちに増殖した口の中の細菌も一緒に食べることになってしまう」ということなのです。 なんと“う〇ち10gと同じ量の細菌を食べていることになる”というから驚きです。 細菌の出す“タンパク分解酵素”が、風邪やインフルエンザ感染につながってしまうのです。 今までの習慣が続くと、ずっと風邪やインフルエンザにかかりやすいお身体になってしまうかもしれません。 この“う〇ち10gと同じ量の細菌を食べていることになる”は、歯周病にも大敵です。 歯周病は、細菌が感染することで起こる病気だからです。 この歯周病菌は、全身の病気にも関わっています。 ①動脈硬化 歯周病の菌が、歯肉の毛細血管を通って全身にまわり、動脈硬化につながります。 動脈硬化が進行すると、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞につながります。 ②糖尿病 歯周病で“菌を退治しよう”と免疫が活発になります。 免疫力があることはいいことです。 しかし活発になりすぎると、免疫物質が発生。その中には、インスリンの …続きを読む
2018年1月3日
滋賀県守山市古高町にある歯医者、おおた歯科こども歯科の院長 歯科医師の太田貴司です。 予防・痛くなる前の治療に力を入れています。 言われるとショックな口臭。 みんなが気になる口臭。 自分で気付くより、人から言われる方がショックですよね。 原因と対策はなんでしょうか? 【口臭の原因】 8~9割がお口の中にあります。 残り:蓄膿、胃炎、胃潰瘍、気管支炎、糖尿病、肝臓・腎臓の病気 【対策】 まずは!! ・むし歯の治療 ・歯周病の治療 むし歯菌よりも、歯周病菌の方が口臭につながります。 理想は、位相差顕微鏡・PCR検査を行うことです。 この検査で歯周病菌を特定できれば、それに対する治療ができます。 ・歯磨きをしっかりする 歯ブラシだけでなく、フロス・歯間ブラシ 舌にも汚れが付くので、舌ブラシがあればベストです。 食間(朝食と昼食の間、昼食と夜食の間。10時ごろと16時ごろが一般的でしょうか)はお口の中が乾きます。 食間は、うがいをするだけでも違うかもしれません。 これに勝る口臭対策はありません。 口臭が一発で治る必殺技はありません。 ただ、口臭を気にされる方は、大方むし歯もありませんし、歯周病も軽度です。 意識が高いため、その辺はきれいにされていることが多いです。 東京医科歯科大学が発表しています。 「口臭を無くす一番の方法は、食事をすることである」と。 口臭を …続きを読む
2017年12月20日
保険外の治療のイメージは「高い」というものでしょう。 「あの歯医者に行ったら、あんな高い治療を勧められた。」 ネガティブなイメージもあるかもしれません。 しかし、より良い医療が提供できますので、隠すわけにもいきませんし、保険外診療を求める方もいらっしゃいます。 保険外診療は、国が定めた材料・治療以上のことをしますので、保険に比べると高価です。 実際に「高い」には理由があります。 ①型を採る材料が違います 保険:アルギン酸、寒天 変形しやすい 将来的に、見えない隙間からむし歯になってしまう可能性がある。 外れてしまう可能性がある。 保険外:シリコン 限りなく隙間を最小限にできる。 再度のむし歯や、外れてしまうリスクを減らすことができる。 ②接着剤の違い 保険 :イメージは木工用ボンド 外れにくくする必要があるため、削る量が多くなりがち。 ボンドではまっているだけ→保険外治療よりは外れやすい 保険外:イメージは瞬間接着剤 削る量は最小限です。 しっかりくっつきます ③材質の違い 保険:銀合金、パラジウム、硬質レジン 金属が徐々に溶け出し、歯ぐきが変色する可能性があります。 アレルギーの原因になり得ます。 保険外:金合金、超硬質レジン、セ …続きを読む
2017年12月13日
気持ち悪いですよね。 それはドライマウスかもしれません。 ドライアイと同じです。 お口の中が渇く症状です。 こんな症状で悩んでいませんか? 口が渇いてしまう のどが渇いてしまう 口の中がネバネバして気持ち悪い 口の中が赤くなる 舌がつるつるになっている パンやビスケットなど、乾いたものが食べにくい 味覚が変 目と口が乾く 口角(両口の脇)が荒れてしまう 胃、腸の調子が悪い 夜、のどが渇いて目が覚めてしまう 口臭がある、指摘される 入れ歯で口の中が傷つきやすい 皮膚が乾燥する 指先が冷たくなる ドライマウス・口腔乾燥は30歳以上の女性に多くみられます。 日本で約3000万人いると推定されています。 (潜在患者数) 原因は多岐に渡り、なかなか対処の難しい症状です。 ドライマウスの原因 糖尿病 腎臓の病気など 内服している薬の副作用 口呼吸 ・口呼吸……鼻の病気、歯並びで唇が閉じれない、口の周りの筋肉の低下(高齢者) ・夜間口腔乾燥……睡眠中の口呼吸、いびき、歯ぎしり、かみしめ ・寝たきり 喫煙 唾液腺の機能の低下(シェーグレン症候群、放射線治療、手術後や外傷) ストレス 加齢による筋力の低下 中枢や末梢の神経障害 唾液分泌を促進する薬 服用してはいけない方: 心臓疾患、気管支ぜん息・慢性閉塞性疾患、消化器および膀胱頚部 …続きを読む
2017年12月6日











