滋賀県守山市古高町にある歯医者、おおた歯科こども歯科の院長、歯科医師の太田貴司です。
予防・痛くなる前の治療・歯周病の治療に力を入れています。
今回は、銀歯や詰め物・被せ物が入っている際のCT(コンピューター断層撮影)やMRI(磁気共鳴画像)検査についてお話しします。
医療検査を受ける際、口腔内の金属が影響を及ぼすのではないかと心配される患者さまも多いかと思います。
実際、当院でも問い合わせを頂きます。
多くはお電話でのお問い合わせを頂きますので、あらかじめお伝えいたします。
このブログにたどり着き、参考になれば幸いです。
今回は、CTやMRI検査と歯科用金属との関係、そして検査を受ける際の注意点について詳しく解説します。
分けてお伝えするくらいですので、CTとMRIは全く違うものです。
目次
- CT検査と歯科用金属
- MRI検査と歯科用金属
- 検査時の注意点
- まとめ
1. CT検査と歯科用の金属
CT検査は、X線を使用して体内の断面画像を取得する検査方法です。
骨や肺、気管、心臓などを診断します。
一般的に、銀歯や詰め物・被せ物がCT画像に大きな影響を及ぼすことは少ないとされています。
しかし、口腔内に大量の金属が存在する場合、画像に白い光が入ったような曇り(アーチファクト)が生じ、画像がはっきりしないことがあります。
特に、昔の治療で多くの金属が使用されている場合、このような現象が見られることがあります。
2. MRI検査と歯科用の金属
MRI検査は、強力な磁場と電波を使用して体内の画像を取得する検査方法です。
レントゲンは全く使いません。そのため被ばくはありません。
MRI検査は、脳や脊髄、関節など軟らかい組織の診断に使われます。
このため、体内に金属がある場合、その影響が懸念されます。
しかし、歯科治療で一般的に使用される金属(銀歯や金歯、インプラントのチタンなど)は、磁性を持ちません。
よって、MRI検査において問題を引き起こすことはほとんどありません。
ただし、入れ歯に使用される金属の中には、磁性を持つもの(コバルトクロムなど)もあり、これらはMRI検査時に外すことが推奨されています。
3. 検査時の注意点
検査を受ける際には、以下の点に注意してください:
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入れ歯の取り外し:着脱可能な入れ歯や金属製の装具は、検査前に外すことが推奨されます。
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医療スタッフさんへの申告:口腔内に金属が入っている場合は、事前に医療スタッフに伝えてください。特に、磁性を持つ金属が使用されている場合、検査方法の調整が必要になることがあります。
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検査前の確認:不安や疑問がある場合は、検査前に担当医や歯科医師に相談し、適切なアドバイスを受けることが重要です。
- 詰め物・被せ物の種類:現在、歯科の材料は多岐にわたります。以前は、金歯・銀歯だったものが、ジルコニアやメタルボンド、コバルトクロム、CADCAM(キャドカム)やPEEK(ピーク)冠、チタン冠など多岐にわたっています。 ご自身では分からないと思うので、通院されている歯科医院さんにご相談頂くと良いでしょう。
4. まとめ
銀歯や詰め物・被せ物が入っている場合でも、CTやMRI検査を受けることは基本的に問題ありません。
しかし、口腔内の金属の種類や量によっては、画像に影響を及ぼす可能性があります。検査を受ける際には、事前に医療スタッフや歯科医師に相談し、適切な対応をとることが大切です。
今回のお話は、あくまで「歯科」に限定した説明です。
医科のお話はまた別ですので、主治医にご相談よろしくお願いします。
おおた歯科こども歯科 院長 太田貴司
(自己紹介)https://ohta-dent.com/staff.html#intyo
2025年7月7日