かなり多くの方が疑問に思われることです。 電動歯ブラシは、CMでも素晴らしい商品のように宣伝しています。 高価で、細かく四方八方に動き、どんな小さな汚れも取れる。 これは、むし歯になりにくそうですよね。 でも、電動歯ブラシだけで全ての問題が解決するのでしょうか? 普通の歯ブラシでも、しっかり予防できている人はいるのではないでしょうか? 電動歯ブラシの人は歯が残っていて、普通の歯ブラシの人は歯が残っていないのでしょうか? そんな格差、あまり聞いたことがありませんよね。 電動歯ブラシのルーツ。 それは、もともと手が不自由でうまく歯磨きができない方に開発されたものなのです。 脳梗塞や、脳卒中などが原因です。 なので、自分の意志で自由に手が動かせ、自由に歯ブラシで歯磨きができる人にとっては、絶対に必要なものではないのです。 確かに、複雑な動きをして、細かいところまで汚れを掻き出してくれそうです。 しかし、重要なことは「当てるべきところにキチンと当たっているかどうか」です。 普通の歯ブラシ VS 電動歯ブラシ ではないのです。 100円の歯ブラシで当てるべきところにしっかり当たっていて、汚れを取りきっている VS 数万円もする電動歯ブラシで適当に当てている では前者が勝ります。 前者の方が、むし歯の予防・歯周病の予防もできているはずです。 なので、「○○社の最高級電動歯ブラシ」よりも、「当 …続きを読む
2018年4月4日
癒合歯(ゆごうし)と呼びます。 本来、独立して生えてくるはずだった2本の歯が、くっついて生えてきてしまったものを言います。 乳歯の前歯に多く見られ、それほど珍しいものではありません。 下の前歯(乳歯)の1番目と2番目、下の前歯(乳歯)の2番目と3番目がくっついてしまった癒合歯がほとんどです。 上の乳歯同士がくっついてしまった癒合歯も見られます。 永久歯では、ほとんど見られません。 乳歯が癒合歯だったので、永久歯も癒合歯ということも、ほぼほぼありません。 癒合歯は、独立した歯がまず生えてきて、お口の中で後からくっついてしまったわけではありません。 お母さんのおなかにいる時に、歯と歯の卵の時点でくっついてしまったと考えられますが、なぜくっついてしまったのかは分かりません。 たまたま、起こってしまったと考えられ、何が悪かったわけでもありません。 お母様が悪かったわけではないですし、お子様も悪かったわけでもありません。 本当に「たまたま」なのです。 【将来起こりえること】 ①癒合歯の下に控えている大人の歯(永久歯)が1本足りないことが多い これも何が悪かったわけではありません。 乳歯に癒合歯があると、永久歯の2番目の歯(側切歯)が生まれつき存在しないことが多いです。 約50%とされていますが、個人的に臨床現場ではもっと多いイメージです。 レントゲンで確定できます。 4歳でレ …続きを読む
2018年3月28日
全国に歯科医師は何人いるの? 日本全国に、歯科医師は103,972人います(2014年12月31日の時点で。日本歯科医師会より)。 男女比は、男性80,544人、女性23,428人で77:23です。 歯科“医院”自体は、69,409医院あります(2016年5月時点)。 69,409医院あっても、歯科医院の規模は本当に様々です。 一番多い規模の歯科医院は、「歯科医師が1人で診療台が2台・3台」の医院です。 この規模が半数近くを占めます。 対して、一件の歯科医院に歯科医師が10人以上在籍し、診療台が15台以上ある医院もあります。 2階建ての歯科医院もあります。 分院を展開し、数件の歯科医院を経営している先生もいらっしゃいます。 この辺は、院長先生の考え方や、地域の需要にも左右されます。 大きく事業を展開して、できるだけ多くの方を救いたい先生。 全国レベルの知識と技術で、1日4~5名に絞って、お一人1~2時間をかけて、じっくり治療したい先生。 どちらも正解です。その先生が理想とする開業を実践している限り、理想の職業です。 さて、歯科で頻繁に挙がる疑問があります。 それは「歯科医院はコンビニエンスストアより多いの?」です。 実際のところはどうなのでしょうか。 答えは、「Yes」です。 コンビニエンスストアは、50,743店です。(歯科医院は、69,40 …続きを読む
2018年3月21日
乳歯が抜けて、その奥から大人の歯(永久歯)が生えてくるのですが、その乳歯が抜ける時期はいつでしょうか? 個人で1年前後の誤差はありますが、概ね決まっています。 時期の違いがあるので、「あの子が前歯がもう抜けたのに、うちの子は全く抜けていない」とご心配される方もいらっしゃいますが、ご安心下さい。 通常はゆっくりなだけで、抜けていきます。 (中には、隣の歯にぶつかってひっかかっていたり、永久歯が生まれつきなく生え変わりがない場合もあります。かかりつけでレントゲンを撮影してもらっても良いかもしれません。) 【上の乳歯】 真ん前の歯(Aと呼んだり、乳中切歯と呼びます):6~8歳 真ん前の歯から2番目の歯(Bと呼んだり、乳側切歯と呼びます):7~9歳 真ん前の歯から3番目の歯(Cと呼んだり、乳犬歯と呼びます):9~12歳 真ん前の歯から4番目の歯(Dと呼んだり、第一乳臼歯と呼びます):9~11歳 真ん前の歯から5番目の歯(Eと呼んだり、第二乳臼歯と呼びます):9~12歳 【下の乳歯】 真ん前の歯(Aと呼んだり、乳中切歯と呼びます):5~7歳 真ん前の歯から2番目の歯(Bと呼んだり、乳側切歯と呼びます):7~8歳 真ん前の歯から3番目の歯(Cと呼んだり、乳犬歯と呼びます):8~11歳 真ん前の歯から4番目の歯(Dと呼んだり、第一乳臼歯と呼びます) …続きを読む
2018年3月14日
その液体は、う蝕検知液(うしょくけんちえき)です。 簡単に言うと、むし歯の部分だけ色がつく液体です。 「え?むし歯ってレントゲンや見た目で分からないの?」と思われるかもしれません。 答えは、「はい。レントゲンや見た目だけでは分かりません」です。 一般的なイメージは、「むし歯=黒い」ではないでしょうか? そのため、すぐに分かるのでは?と思われるでしょう。 むし歯には、黒いむし歯と白いむし歯(黒くならないむし歯)があります。 黒いむし歯は、進行が遅いむし歯です。あるいは、進行が止まったむし歯です。 黒いので、いかにも「むし歯!!」なのですが、そこまで怖くはありません。 患者さんが気付かれるむし歯は、この黒いむし歯です。 対して、白いむし歯(黒くならないむし歯)は怖いです。 黒くなる時間もなく、一気にむし歯が進行してしまうからです。 むし歯の進行が早くて、黒くなる暇がないのです。 黒くないので詰め物が取れただけと思っていたのが、実はむし歯になっていて、いつの間にかどんどん進行。 やがて痛くなり、神経の治療が必要になってしまうこともあります。 この齲蝕検知液は、赤色と青色があります。 使い方。 明らかにむし歯の部分はおおかた取り除き、その後怪しい部分を齲蝕検知液で染めます。 水で流すと、むし歯でない部分は流され、むし歯の部分だけ色が残ります。 ( …続きを読む
2018年3月7日
舌が痛い! 歯が尖っていて、舌に口内炎ができた。 ストレスやビタミン不足で、舌に口内炎ができた。 口内炎は、明らかに「口内炎」という形があるので、分かりやすいです。 しかし、「舌に口内炎もなく正常なのに、舌が痛い」というものがあります。 それはもしかしたら、舌痛症(ぜっつうしょう)かもしれません。 舌痛症は、見た目は正常のため、心因的なものから来ているとされています。 確かに心因的な要素はあるのですが、それだけで発症することは少ないです。 他にも原因があるとされています。 舌痛症の症状として、舌の先や舌の脇が「燃えるような感じ」「ピリピリする」「ヒリヒリする」があります。 何もしていない時に感じることがあり、食事で物が入るとその症状がなくなったり、忘れてしまう。 しかし、かと思えば、会話や運動している時にも痛くなることがあり、診断に難しいのです。 【舌痛症が出やすい要因】 ①ストレスが溜まっている ②唾液が少ない ③カビ菌が多くついている ④舌に傷が入った ⑤銀歯が入っている ⑥義歯が入っている ⑦精神安定剤や睡眠薬を飲んでいる ⑧肩こり、食いしばり 【対応】 一般歯科で対応できることもあるが、大学病院や市民病院に紹介することもあります。 ①歯科治療 ②唾液腺のマッサージ ③漢方療法 ④精神安定剤や睡眠薬の減量、変更 ⑤肩こり、食いしばりの治療 悪性腫瘍(癌)との鑑別 口腔内(お …続きを読む
2018年2月28日
歯が溶ける!!歯の酸蝕の怖さ! “歯が溶ける”というと、むし歯によって歯に穴が開いた、と連想されると思います。 しかし、ここでの“歯がとける”は、むし歯とは別のお話です。 酸蝕とは、酸によって溶けることを指します。 しっかり歯磨きをしていても、歯が溶けてしまうので、「歯がしみる」「歯が痛い」につながります。 原因としては、 外からのもの ①飲食物由来:炭酸飲料の摂り過ぎ、柑橘類の摂り過ぎ、酢の摂り過ぎ ②酸性の飲み薬:鉄剤、アスピリン、アスコルビン酸 ③職場や今いる環境で、酸が多い ④プールで泳ぐとき、水中で頻繁に口を開けている。 身体の内側からのもの ①頻繁の嘔吐 ・消化器の潰瘍、胃液の逆流、 ・糖尿病、腎不全、甲状腺機能亢進症、アジソン病 ・偏頭痛、メニエール病、脳腫瘍 ・薬の副作用:モルヒネ、ドーパミン作用薬、ジギタリス製剤、抗がん剤、アスピリン、アルコール ・心因性の嘔吐 ・摂食障害:過食性、拒食症 ・アルコール依存症 ・つわり ②ヘルニア ③唾液が少ない 外側か、内側かの見分け方は、外からのものは、歯の外側が溶けます。 対して、内側からのものは、歯の裏側が溶けます。 治療と予防 ①酸を避ける(特に就寝前)。もし採るなら、素早く飲む。お口の中に溜めない。温度を下げ過ぎない。 ②内科的疾患の治療 ③歯を強くする:フッ素 ④酸を取り入れた …続きを読む
2018年2月21日
お薬だけで、手強い歯周病は治る?? 最近はありませんが、一時「お薬を飲んで、歯周病を治す」がブームになった時がありました。 お薬を飲めば、歯周病の菌を抑えることができる、というものです。 さて、どうなのでしょうか? 答えは「治りません」です。 お薬を飲むだけで歯周病が治るのであれば、これだけ歯周病で苦しんでいる人は全て救われます。 (成人の80%以上が歯周病にかかっています。人類で最もかかっている病気として、歯周病がギネスブックの載っています) お薬だけで治るのであれば、歯みがきも必要ありません。 歯間ブラシ、フロスも必要がありません。 歯周病で抜歯することもなくなるし、入れ歯も不要になってしまいます。 ブリッジ、インプラントも不要です。 まるで夢のようです。 日本の歯科医療は、まだ発展途上です。 先進国の中でも遅れています。 それでも徐々には進化しています。 なのに、歯周病は一向に減らない。 それは、「歯周病は慢性疾患であり、完治することはない」からです。 初期を除いて、治ることはないのです。 病気なら、治療をすれば治る、ではないのです。 そこが、歯周病が厄介で手強い理由なのです。 歯周病は、生活習慣病の位置付けられます。 生活習慣病の代表的なものは、高血圧と糖尿病です。 この高血圧と糖尿病も、生活習慣が原因です。 運動不足、塩分過剰、砂糖の摂り過ぎ、飲酒、喫煙、ストレスなど。 …続きを読む
2018年2月14日
今回は志向を変えて、当院のスタッフについてお伝えします。 ①受付 医院の顔とも言える受付。 いつも頑張ってくれています。 患者様のお出迎えから始まり、診察券・保険証の受け取り、お会計、次回の予約。 さらに、イレギュラーで突然のお電話。 どなたからなのか?、ご用件は?、今お返事をしないといけないのか後からでもいいのか?、それをすぐに察知し、対応してくれます。 「医院の顔」と言えば、院長というお声もあります。 間違ってはいません。 しかし、医院を訪れた時に最初に対応するのは受付です。 電話をした時、受け取るのは受付です(私太田貴司も出ることがあり、患者様からは驚かれます) そういう意味でおおた歯科こども歯科の顔は、受付だと感じています。 院長は、診察室で治療をしているだけです。 (※怠けているだけではありません。スタッフが一生懸命働いてくれるおかげで、診療に集中できるのです。) 受付のように、受付+診察室+待合室+消毒室と目まぐるしく移動することはありません。 受付は、歯科医師や歯科衛生士も気付かない全体像を見てくれます。 司令塔と言ってもいいかもしれません。 ②歯科衛生士 次は歯科衛生士。 また別の機会にもお伝えしたいのですが、歯科衛生士は素晴らしい職業です。 何せ「予防」ができるのですから。 むし歯・歯周病から歯を守り、予防・現状維持を管理できるのは、歯科衛生士です。 痛みを取るの …続きを読む
2018年2月7日
善玉菌を取れ入れましょう。 プロバイオティクスと呼ぶのですが、あまり聞きなれない言葉だと思います。 歯科では予防に取り入れられています。 題名にもあるように、善玉菌を取り入れ、悪玉菌が増えるのを抑えるために使われます。 例えば、歯周病。 歯周病は、磨き残し・歯石に歯周病の菌が住み着き、増殖することが始まりです。 それが発症すると、歯ぐきが腫れたり、出血したり、咬むと痛い、歯がグラグラするといった症状が出てきます。 菌が原因なので、治療は菌を抑えることです。 菌を抑えるには、毎日の歯みがきと、歯科医院での定期的なクリーニングが重要です。 毎日の歯みがきや、歯科医院でのクリーニングによって、悪玉菌は追い出されたとします。 まずないのですが、追い出されると空っぽになります。 空っぽになったところには、また菌が入ってきてしまいます。 再度悪玉菌がはいると、歯周病はいっこうに改善されません。 プロバイオティクスは、一度悪玉菌を追い出し、再度悪玉菌が入る「前に」善玉菌を入れましょう、という考えから来ています。 お身体の中に善玉菌が増えれば、そこに悪玉菌が入る余地はありません。 それを継続していけば、歯周病の改善につながるのです。 【プロバイオティクスに必要なこと】 ①安全であること ②ヒト由来の菌であること ③胃酸や胆汁酸に抵抗力があること ④生きた菌であること ⑤人に有効であること ⑥腸管に …続きを読む
2018年1月31日