一般の方にはあまり聞きなれないかもしれない「歯科衛生士」。
「歯石のお掃除をしてくれる女性」というイメージでしょうか?
太田貴司個人としては、「歯科医師よりすごいのでは?」と思っています。
歯科医師と歯科衛生士の違いは、「治す」歯科医師と「守る」衛生士です。
歯科医師は、与えられた仕事上、どうしても「減らす」仕事です。
例えば、「削る」「抜く」です。
その患者様のため、その歯のため、を思ってのことですが、「減らす」仕事です。
感謝されますが、「減らした」ものは戻ってくることはありません。
それに対して、歯科衛生士は、「減らさない」仕事です。
歯石の除去をして、歯周病から「守る」。
ブラッシング指導をして、むし歯から「守る」。
現状維持をしようとする仕事です。
歯科衛生士は、歯科医師の仕事のように「何かを変化させる」仕事ではありません。
例えば、歯科医師がむし歯を削って白い詰め物をしてもらう。
これは綺麗になるので、素人目からしても分かりやすいです。
その場で感謝されます。
「治療してもらってありがとうございます。」「きれいな詰め物をしてもらってありがとうございます。」と。
歯科衛生士は、何か大きく変化させる仕事ではありません。
(大きな歯石を取ってもらう以外は。)
そのため、感謝されにくい仕事ではあります。
何も変わっておらず、現状維持だからです。
しかし、歯が長持ちするのはどちらでしょう?
歯科医師が毎回毎回削って詰める
と
歯科衛生士が定期的に歯石のお掃除をする、ブラッシング指導をして予防のアドバイスをしてくれる。
完全に後者です。
長年にわたり、定期健診に通院。
気付いたら
「何年も大きなむし歯になっていないなぁ」
「詰め物が取れたりすることはあったけど、神経を取っていないなぁ」
「前のように、しょっちゅう歯ぐきが腫れることがなくなったなぁ」
これが歯科衛生士による定期健診の醍醐味です。
歯科衛生士の普段している仕事こそ、価値があり、感謝に値します。
歯科衛生士は素晴らしい職業です。
もっともっと歯科衛生士が認知され、もっともっと歯科衛生士が増えれば、と強く想います。
有効求人倍率は、17倍と言われています。
つまり、1人の歯科衛生士が
「職場を探しています」
と言うと、17件の歯科医院の院長が「うちに来てください」と言っているイメージです。
これだけ歯科衛生士が足りていないのが現状です。
日本という国がもっと精力的に歯科衛生士を増やそうと力を入れてくれると良いなぁと願っています。
2018年5月30日