お口の中を切ったわけでも、ぶつけたわけでもないのに、歯ぐきから出血する。
歯を磨いた時に、歯ブラシに血が付いている。
うがいをすると、血が出てくる。
不思議かもしれませんね。
「歯ぐきから血が出る」
そこまで痛くもないし、生活に不自由もない。
むし歯のような“ズキズキ”もない。
放置しがちですが、歯ぐきから血が出るというのはとても悪いサインなのです。
それは歯周病になっている可能性が高いです。
歯周病になると、歯ぐきに炎症を起こします。
歯ぐきには細い血管が走っているため、炎症を起こすとその血管が切れてしまいます。
結果、出血するという仕組みです。
通常、腕や足に切り傷をすると、出血します。
それでも勝手に塞がっていきます。
私たちの意志とは関係なく、身体が治してくれます。
しかし腕や足の切り傷が、もし切れたままだったら???
ずっと出血しますし、切り傷からばい菌が入ります。
ばい菌が入ると、痛いですし、腫れます。
血管を通して、ばい菌が広がりさらなる悪循環です。
(切り傷をした時、かさぶたができいつの間にか治っている。
というのは、とてもありがたい自己修復能力なのです。)
「歯ぐきからいつも出血している」というのは、同じことです。
つまり、「歯ぐきにできた傷口がずっと開いたままになっている」状態なのです。
傷口がずっと開いたままなので、ばい菌は入りたい放題です。
ばい菌が入れば入るほど、歯周病が進行し、さらに治りにくい悪循環になります。
昨今言われていますが、歯周病の最新の呼び名は「歯原性菌血症(しげんせいきんけつしょう)」です。
「お口の中にいるばい菌が、血管を通って全身に広まる病気」です。
歯原性菌血症が原因で、動脈硬化(脳梗塞や心筋梗塞)の原因になると言われています。(それだけではありませんが。)
歯周病(歯原性菌血症)と動脈硬化。
全く関係のないように思われる2つの病気が、とても関係しているのです。
生死に関わる病気も、元はお口の見えないばい菌が原因になっているのです。
脳梗塞や心筋梗塞になって治療するのか。
脳梗塞や心筋梗塞になりそうになって治療するのか。
脳梗塞や心筋梗塞と全く縁がないけど、今のうちから予防するのか。
どれが一番楽で、健康でいられるか。
ここまで読んでくださった健康観の高いあなたなら分かりますよね?
その一歩が、
①1本たった100円台の歯ブラシで、丁寧に磨く
②定期的な歯科受診をして、歯石の除去をしてもらう。
であったら?
そうそう難しいことではないように思います。
お口を守ることが、あなたのお身体を守ることになります。
2018年7月11日