「定期的に歯周病の治療を受けると、どのくらい歯がもちますか?」
「この保険外の被せ物を入れると、どのくらいもちますか?」
「もうしばらく来なくても良いのですか?」
「もう大丈夫ですよね?」
歯周病の治療、むし歯の治療ともにこのご質問を受けます。
医療側の答えは、
「分かりません」です。
治療するからには、歯科医師も歯科衛生士もできるだけ長持ちするよう、丁寧に治療をします。
それでも「分かりません」です。
おそらく「どのくらいもちますか?」には、
「治療を受けたのですから、ずっともたせてくださいよ」
が意味合いで含まれていると思います。
(そのようなことをおっしゃる方はいませんが。)
そのお気持ち、よく分かります。
自分の時間とお金を使って、わざわざ歯科医院に行き、お口を開けて診察を受けるのですから。
もう一度、言います。
そのお気持ち、よく分かります。
反対の立場だったら、私もそう思うはずです。
その上で申し上げます。
私たちのが相手にしているのは、“目に見えない菌”です。
例えば、セラミックやジルコニア。
これらの保険外の白い被せ物があります。
それを、箱に入れて保存しておけば、「ずっともちます」とお答えできます。
銀歯ですらそうです。
しかし、一旦お口の中に入れると、それは「人工物」から「お身体の一部」になります。
もう人工物ではありません。
唾液が入ります。砂糖が入ります。熱いもの・冷たいものが入ります。
どうしても劣化します。
歯もそうです。
治療した以上、元の歯に戻ることはありません。
削って小さくなっているわけですから、菌が入る余地は十分にあります。
例えば、歯周病。
歯石を取り、歯ぐきがきれいになったとします。
しかし、歯石はまたつきます。
1回歯石を取ってもうつかないことはありません。
再度歯石が付けば、そこに歯周病のばい菌が付く余地は十分にあります。
歯周病にしろ、むし歯にしろ、原因はばい菌です。
いくら歯科医師や歯科衛生士でも、ばい菌は目には見えません。
油断ができないのです。
ケアが悪いと、すぐに悪くなります。
歯周病になってしまったのには、原因があります。
むし歯になってしまったのには原因があります。
その原因を改善・修正しないと、再発します。
そこを無視して、長持ちさせるのは不可能であるのが現実です。
治療後からがスタートです。
一番きれいなのは、治療後です。
その状態を維持しましょう。
毎日の歯磨きと定期的なケアをしていきましょう。
2018年7月25日