滋賀県守山市古高町にある歯医者、 予防・歯周病治療に力を入れている、おおた歯科こども歯科の院長太田貴司です。 「歯周病は、ご自身が出すもの〝にも〟原因がある?」についてお話しをします。 答えは、「Yesの部分もあります」です。 歯周病の原因は、細菌です。 レッドコンプレックスと言われる歯周病の細菌です。 ① P.g菌( Prophyromonas gingivalis、ポルフィノモナス・ジンジバリス) ② T.d菌( Treponema denticola、トレポネーマ・デンティコーラ ) ③ T.f菌( Tannerella forsythensis、タンネレラ・ファーサイシア ) です。 これらは、「悪玉3兄弟」とも言われ、はた迷惑な細菌です。 歯周病の原因菌は、毒素を出し我々の歯ぐきや骨を攻撃することで歯周病を進行させます。 そのため、歯周病の原因は、歯石。 ではないのです。細菌なのです。 歯石は言うなれば、ただの石です。 「石」自体が悪さをすることはありません。 この石に歯周病の細菌がくっつく土台となってしまうのです。 よって、歯石は結果取らなければいけないのですが、そのような仕組みなのです。 しかし、歯周病の原因は、外部以外からもあります。 それは、一人一人の身体から出されるサイトカインと …続きを読む
2020年1月8日
滋賀県守山市古高町にある歯医者、 歯周病治療に力を入れている、おおた歯科こども歯科の院長太田貴司です。 歯周病とお薬の関係性についてお伝えします。 歯科で使う飲むお薬には、大別すると2種類あります。 抗生物質(抗菌薬)と痛み止め(鎮痛剤)です。 抗生物質には、もう多々種類がありますので述べ切ることは致しかねます。 痛み止めに関しては、歯科では「ロキソニン」「カロナール」「ボルタレン」が主流でしょう。 この2種類のお薬は、歯周病に効果があるのでしょうか? このお薬を飲んでいれば、歯周病は治るのでしょうか? まずは、「効果があるのかどうか?」ですが、 歯周病の「急性期」には両方とも効果があります。 急性期とは、歯周病の細菌が大暴れしていて「痛い・腫れている・膿が出ている・出血している」時期のことです。 この時期はぜひ痛み止めをお飲みになって、歯科医院で抗生物質をもらいましょう。 反対に「慢性期」もあります。この時期は、痛みも腫れも何も症状がない時期です。 歯周病はこの慢性期の方が長く多いです。 しかし、この間にも歯周病は静かに確実に進行しています。 ここが歯周病の怖いところです。 次に、「お薬を飲んでいれば、歯周病は治るのか?」です。 答えは、「治りません」です。 歯周病は、お薬で治すものでも治るものでもありません。 …続きを読む
2019年12月25日
滋賀県守山市古高町にある歯医者、 歯周病治療に力を入れている、おおた歯科こども歯科の院長太田貴司です。 今回は、歯周病と全身の病気の関連についてです。 歯周病と、糖尿病・高血圧・心筋梗塞・動脈硬化・低体重児出産・関節リウマチとの関連は大いにあるようで、一般の方にもぜひ知っておきたい事柄です。 歯周病の細菌が、全身の血管を回りこのような病気につながります。 歯周病は、「歯原性菌血症」とも呼ばれており、もはやお口の中だけの病気だけではありません。 「歯」の病気の細「菌」が「原」因で、「血」菅を通じて全身に回るという意味で、(しげんせいきんけつしょう)と呼ばれています。 さらに、歯周病と全身の病気を色々調べていくと他にもあるようです。 下痢、うつ病、パーキンソン病、感染性心内膜炎、前立腺炎、坐骨神経痛です。 もう何が何だか分からなくなってきていますね。 糖尿病・心臓の病気などのように詳しく解明されていないものもあるようですが、どうやら歯周病の細菌とそれによる炎症は本当に全身の病気に関わっているようです。 長引く病気、いくら内科・外科に通院しても改善しない病気は、歯周病に原因があるかもしれません。 医科に比べると歯科はどうしても軽視されがちです。 歯科は、命に関わる病気を取り扱わないことが多く(口腔がんを除く)、「歯より …続きを読む
2019年12月11日
滋賀県守山市古高町にある歯医者、 歯周病治療に力を入れている、おおた歯科こども歯科の院長太田貴司です。 今回は、「歯周病は子どもや中学生・高校生でもなるの?」についてお話をします。 答えは、「歯肉炎にはなりますが、歯周炎にはよっぽどならない」です。 歯周病のおさらいをします。 歯周病は、大きく分けて2つに分類されます。 歯肉炎(G)と、歯周炎(P)です。 歯周炎の「P」には、P1・P2・P3と数字の分類があり、数字が大きいほど重度です。 歯肉炎とは、歯肉だけの病気です。 「歯ぐきが腫れた」「歯ぐきが赤い」「歯ぐきから出血する」が症状です。 対して歯周炎とは、上記に加え歯を支える骨の病気が加わります。 「歯ぐきが腫れた」「歯ぐきが赤い」「歯ぐきから出血する」に加え、 骨の病気である「歯が動く」「歯が動揺する」「歯がグラグラする」などです。 最終は、歯が抜けてしまいます。 子どもや中学生・高校生は歯ぐきが腫れたり、歯ぐきからの出血はありますが、歯周炎で歯がグラグラになったり歯が抜けることはありません(永久歯との交換で、乳歯が抜けるのとは別です。また、特殊な遺伝性の歯周炎で子どもでも歯周炎になることもあります。) しかし、歯周病は日本人の8割がかかっていると言われています。 成人になると、歯肉炎から歯周炎になるのです。 …続きを読む
2019年11月20日
滋賀県守山市古高町にある歯医者、 歯周病治療に力を入れている、おおた歯科こども歯科の院長太田貴司です。 「歯周病の治療期間はどれくらい?何回くらいの通院なの?」についてお話しをします。 答えは、「現在の歯周病の状態によって、人それぞれ」です。 歯周病は、基本的に完治がありません。 継続して行っていくものです。 歯周病が軽度(GやP1)であれば、1~2回で次は数か月後のメインテナンスになるでしょう。 歯周病が中程度以上(P2とP3)ですと、数回かかりますし、次のメインテナンスも早い方で1ヶ月後になるでしょう。 歯が28本あり、27本が健康であっても、1本だけが重度の歯周病というパターンもあり、そのような方も早いメインテナンスになるでしょう。 歯周病とは、生活習慣病の1つとも言われます。 高血圧、糖尿病の範ちゅうに入ります。 高血圧、糖尿病も完治がないかと思います。継続的に内服をしたり、食事療法・運動療法があるでしょう。 歯周病も同じなのです。 毎日歯磨きをして、定期的に歯科医院でスケーリング・SRPを受けて頂いても、歯ぐきの下に歯周病の細菌が入り込みます。 1回完璧にスケーリング・SRPを受ければその後は歯科医院に行かなくても済む、というわけではないのです。 通院回数・通院の間隔・通院期間・治療期間は、歯周病の状態 …続きを読む
2019年11月6日
滋賀県守山市古高町にある歯医者、 歯周病治療に力を入れている、おおた歯科こども歯科の院長太田貴司です。 今回は、「歯周病は治るの?」です。 答えは、「治るものと、治らない/治りにくいもの に分かれます」です。 歯周病は、大きく分けて2つに分類されます。 歯肉炎(G)と歯周炎(P)です。 Pには、P1・P2・P3と数字の分類があり、数字が大きいほど重度です。 歯肉炎とは、歯肉だけの病気です。 「歯ぐきが腫れた」「歯ぐきが赤い」「歯ぐきから出血する」が症状です。 対して、歯周炎とは、上記に加え歯を支える骨の病気です。 「歯ぐきが腫れた」「歯ぐきが赤い」「歯ぐきから出血する」に加えて、 骨の病気である「歯が動く」「歯が動揺する」「歯がグラグラする」などです。最終は、歯が抜けてしまいます。 歯周病は治るの?に戻ります。 歯肉炎(G)は治ります。 歯周炎(P)は治りません/治りにくいです。 つまり、 歯ぐきだけ(G)なら治ります。 歯周炎(P)で溶けてしまった骨は戻りません(お口の中が素晴らしい環境になった、再生治療なら別です) 歯周炎でも、歯ぐきの腫れや出血は治まりやすいです。しかし、骨は戻らない/戻りにくいので、結果「歯周炎は治らない/治りにくい」となります。 では、どうすれば良いのか? ①歯周炎にしない。歯肉炎で治す …続きを読む
2019年10月23日
滋賀県守山市古高町にある歯医者、 歯周病治療に力を入れている、おおた歯科こども歯科の院長太田貴司です。 今回は、「歯周病の予防・改善に、牛乳は有効か?」 です。 牛乳を飲むと骨が強くなり、骨粗しょう症の予防になります。 それは、歯を支える骨(歯槽骨)にも有効なのか?から来ているのでしょう。 答えは、「有効とある情報もあるし、逆に歯周病を進行させる情報もあります。今のところ、どちらが正解か分かりません」です。 そうなのです。情報によって真逆のことを言っているのです。 そんなことあるの?と思われるかもしれませんが、すいません。 似たり寄ったりなら分かるのですが、真逆なのです。 歯周病ではなく、むし歯の予防に牛乳は有効か? これには答えがでています。 答えは、「有効どころか、逆に牛乳はむし歯の原因になる」です。 これは今のところ正しいようです。 牛乳には砂糖は含まれていません。 ただ、乳糖が含まれています。 糖が入っているので、むし歯の原因になります。 砂糖の入っていないヨーグルトにも乳糖は入っています。 (ちなみに、むし歯のリスクとしては、砂糖→果糖→乳糖です。) 牛乳と歯周病の関連については、いつか答えが出ることを願っています。 牛乳とは離れますが、歯周病と食物についてお伝えをします。 歯を失いやすい …続きを読む
2019年10月9日
滋賀県守山市古高町にある歯医者、 歯周病治療に力を入れている、おおた歯科こども歯科の院長太田貴司です。 今回は、歯周病のレッドコンプレックスについてお話しをします。 レッドコンプレックスとは、歯周病の原因菌の中で特に悪性のものです。 悪性といっても、悪性腫瘍とは無関係です。 とくに歯周病を悪化・進行させる細菌のことを言います。 具体的には、 ① P.g菌( Prophyromonas gingivalis、ポルフィノモナス・ジンジバリス) ② T.d菌( Treponema denticola、トレポネーマ・デンティコーラ ) ③ T.f菌( Tannerella forsythensis、タンネレラ・ファーサイシア ) です。 それぞれ多く存在すると、歯周病が進行しやすいです。 口臭の原因だったり、全身の病気に関連する細菌もいます。 この細菌の賢いところは、それぞれの細菌が仲が良いことです。 細菌の種類が多ければ多いほど、タッグを組みます。 タッグを組むとより難治性になります(治りにくくなります)。 歯周病の治療は、このレッドコンプレックスをいかに減らすことができるかにかかっています。 でも、どの細菌がどれくらいいるの? という話になります。 それはおおた歯科こども歯科でも実施している「リアルタイムPCR検査」 …続きを読む
2019年9月25日
滋賀県守山市古高町にある歯医者、 歯周病治療に力を入れている、おおた歯科こども歯科の院長太田貴司です。 「私の歯周病は、遺伝だから」 そう言われ、ご自身の歯周病の進行と治療を諦める方がいらっしゃいます。 安易に抜歯を希望されます(僕としては残る歯はそれを伝え、思い留まってもらうこともあります)。 諦められるのは、遺伝と思い込んでいるからですね。 果たして、歯周病は遺伝するものなのでしょうか? 答えは、「0ではありませんが、ほとんどありません。特殊な遺伝性の歯周病だけではないでしょうか?」です。 歯周病の中には、歯肉が異常に膨れ上がるものがあり、それは遺伝するかもしれません。 しかし、歯周病の原因のほぼほぼが後天性です。 後天性ということは、産まれてからの問題です。 歯周病の直接的な原因は、「歯周病の細菌」です。 間接的な原因が「歯磨き不足」「歯石」「喫煙」「糖尿病」などです。 歯の問題もあります。「歯ぎしり」「嚙み合わせが良くない歯」「嚙み合わせが良くない被せもの」です。 生活習慣が問題であり、先天的ではありません。 「遺伝が原因だから」と言えば楽かもしれません。ご自身の問題ではなくなりますから。 ご先祖のせい?にしているので、楽にあるかもしれません。 しかし、歯周病の原因は後天的・生活習慣を受けい …続きを読む
2019年9月11日
滋賀県守山市古高町にある歯医者、 歯周病治療に力を入れている、おおた歯科こども歯科の院長太田貴司です。 今回は、歯周病の改善・予防に電動歯ブラシや音波歯ブラシは有効?? についてです。 私の答えは「Yesかもしれないが、頼りすぎてもいけない」です。 歯周病に電動歯ブラシ・音波歯ブラシがどれだけ有効かは分かりません。 歯ブラシをする目的は、「歯垢(プラーク)を除去して、歯周病の細菌を減らすこと」です。 つまり、「歯垢(プラーク)を除去して、歯周病の細菌を減らすこと」を達成できるのであれば、普通の歯ブラシ・電動歯ブラシ・音波歯ブラシのどれでも良いのです。 私は電動歯ブラシ・音波歯ブラシを一回も使ったことはありません。 普通の歯ブラシで十分だと考えているからです。 ともすると、電動歯ブラシ・音波歯ブラシは、物に頼りがちになってしまいます。 「電動歯ブラシを使っているから大丈夫」 「音波歯ブラシを使っているから大丈夫」 となりがちです。 電動歯ブラシ・音波歯ブラシを使っていても、使い方が悪く「歯垢(プラーク)を除去して、歯周病の細菌を減らすこと」が達成できないのであれば、使う意味がないのです。 普通の歯ブラシを丁寧に使って、「歯垢(プラーク)を除去して、歯周病の細菌を減らすこと」を達成できれば、あえて電動歯ブラシ・音波歯 …続きを読む
2019年8月21日