滋賀県守山市の歯医者、おおた歯科こども歯科、院長太田貴司です 。 基本的には、妊娠中でも治療を受けられます。 「妊娠したらむし歯が増えた!」 「妊娠したら歯ぐきが腫れるようになった!血が出るようになった!」 「妊娠したら親知らずが痛くなるようになった!」 日々遭遇します。 これらは、女性ホルモンが変化することで起きます。 歯周病の菌には、女性ホルモンを栄養源にする菌がいます。 妊娠によって女性ホルモンが増えるので、その菌が活発になるのです。 その上、妊娠で唾液が減る・甘いもの酸っぱいものが欲しくなる・つわりで歯が磨けなくなるといった条件も加わります。 それなのに「妊娠しているから歯科治療を受けられない」と思いこまれている方が多いです。 レントゲン、飲み薬、麻酔……。 不安要素は多いですよね。 しかし、むし歯・歯周病を放置すると、出産後はもっと大変になる可能性があります。 さらに、妊娠中でも歯科治療は可能です。 まずはご相談ください。 ①レントゲン 歯科のレントゲンは被ばく量がとても少ないです。 レントゲンの被ばく量は、1年間日常浴びている自然被ばく量の約1/200です。 レントゲンというといかにも被ばくというイメージですが、とても少ないのです。 ②麻酔 歯科での麻酔も、量はとても少ないです。 この麻酔も、帝王切開や無痛分娩に使う麻酔と同じです。 ほぼ …続きを読む
2018年9月12日
滋賀県守山市、おおた歯科こども歯科の太田貴司です。 「滅菌」という言葉をご存知ですか? この言葉が大きくクローズアップされるきっかけがありました。 それは2014.5/18の読売新聞に大きく報道された記事が発端でした。 「歯を削る機器、7割が使いまわし」 「滅菌せず 院内感染懸念」 の深い意味はわからずとも、センセーショナルな見出しといえますよね。 記事では難しい文章が続きますが、簡単に言うと ・「歯科医院の約70%は、削る道具を汚いまま、使いまわしをしている」 ・「使いまわしをすると、他人のばい菌が移る可能性がある」 ということです。 怖いですよね。 「人の口に入ったものが自分の口に入る」というだけでも不快だというのに、まさか気分が悪いだけではなく、他の人からばい菌を移されているかもしれないとは。 その事実を知った人たちは、治療をするため通院しているのに、かえって病気になってしまう可能性があるなんて、と皆口を揃えて驚きました。 そもそも、滅菌とはなんでしょうか? あまり聞き慣れない言葉です。 『滅菌=すべての微生物を除去する』 対して、よく聞く「消毒」とは? 『消毒=菌を減らす』 です。減らすだけです。 馴染みのあるこの言葉。私たちはどこかで消毒が万能だと思いこんでいる節がありました。 しかし、実 …続きを読む
2018年9月8日
滋賀県守山市の歯医者、おおた歯科こども歯科、院長太田貴司です 。 歯周病が重度な人は、日中や夜間に無意識に歯を咬み合わせていることが発見されました。 歯周病の原因と言えば、 ①歯周病菌 ②歯磨き不足 ③歯石 です。 リスクファクターとして、 ①糖尿病 ②喫煙 ③高血圧 ④高脂血症 ⑤肥満 ⑥合っていない被せ物・詰め物 ⑦妊娠 などがあります。 一つだけではないのです。 残念ながら、ここに一つ増えることになってしまいました。 新たな発見があったことを、岡山大学がしました。 【岡山大学のホームページより】 岡山大学の研究グループは、研究グループの講座で開発した携帯型の長時間記録装置を用いることで、くいしばりや歯ぎしりといった昼夜の「咬みしめ」が、歯周病の重症度と関連していることを発見しました。 これらの研究成果は2018年6月、イギリスの医学雑誌である「Archives of Oral Biology」に掲載されました。 くいしばりや歯ぎしりと、歯周病との関係はこれまで明らかになっていませんでした。 なぜなら、実際の咬みしめを長時間記録することができなかったからです。 今回、研究グループの講座で開発した携帯型の24時間記録装置を用いて歯周病患者の昼夜の咬みしめを記録しました。 その結果、日中は目が覚めているにもかかわらず歯周病が重 …続きを読む
2018年9月5日
滋賀県守山市の歯医者、おおた歯科こども歯科、院長太田貴司です 。 乳歯について 赤ちゃんの口の中に乳歯が生えてくるのは、生後6ヶ月が経った頃からです。 しかし、身長や体重に個人差があるように、歯が生えてくる時期にも個人差があります。ゆっくりなお子様では、8ヶ月くらいになるまで生えてこない、ということも決して珍しくはありません。 周りと比べて遅く感じることがあっても心配はありません。 本数は上の歯が10本、下の歯も10本で、合計20本の歯が生えてきます。 まずは前歯から生え始め、その後に奥歯が生えてきます。1本飛んで生えることもありますが、その多くは特に問題ありません。 全ての乳歯が生えそろうのは、だいたい3歳を迎える頃です。 子供の頃の乳歯は、大人になってからの永久歯とは似て非なるものです。 乳歯の大きな役割は、大人の歯が生えそろうまで、飲んで、咬んで食べ、話しをしたりすることを通して、頭や顎の骨の成長を助けることにあります。 このことは、子供の脳の発達にも大きく関わっています。 それでは、乳歯と永久歯の違いを具体的に見ていきましょう。 まずは色の違いについて。 乳歯が青白い色をしているのに比べ、永久歯は黄色っぽい色をしています。 これは、エナメル質や象牙質の厚さの違いによるものです。 構造は同じでも、厚みが違います。 &nb …続きを読む
2018年9月1日
テトラサイクリンとは、抗生物質の一種です。 抗生物質とは、いわゆる化膿止めです。 歯を抜いた後にばい菌が入るのを防ぐために飲んで頂いたり、親知らずにばい菌が入って歯ぐきが腫れてしまった時に飲んで頂くお薬です。 抗生物質には、セフェム系、マクロライド系、テトラサイクリン系、ニューキノロン系などがあり、用途や炎症の強さによって使い分けます。 このテトラサイクリン、副作用があります。(どんなお薬にもあるのですが。。。) 歯が作られる時期(-1歳から10歳前後)にテトラサイクリン系の抗生物質を内服すると、歯が変色してしまうことがあります。 また歯の表面がボソボソになり、うまく作られないこともあります。 歯が変色する時は、内部から変色するので自然に治ることはありません。それは、表面がボソボソになってしまった場合も同じです。 変色とは、暗い紫色だったり、黒に近い場合もあり、コンプレックスになりえます。 対応法は、4種類あります。 ①コンポジットレジンによる詰め物の治療 歯の表面を少し削り、むし歯治療にも使うコンポジットレジンを詰める治療です。 その場で詰めますので、1回で終わります。 のちのち、詰め物自体が変色してしまう可能性があります。 その場合は、詰め物自体をやり替えれば戻りますので、簡便です。 ②ラミネートべニアによる …続きを読む
2018年8月29日
歯科治療における「ファイル」とは、根管治療(こんかんちりょう)に使われる道具です。 根管とは、歯の内部にある神経の通り筋のことです。 歯は、丸ごと「歯」ではなく、内部が空洞になっています。 例えるなら「ちくわ」です。 中は空洞になっていて、その空洞に神経(歯髄)が入っています。 むし歯でズキズキ痛いときは、「神経を取る」治療になることが多いです。 別の表現で「神経を抜く」とも言われます。 たまに、「歯を抜くのですか?」と質問を受けますが、歯そのものを抜くわけではありません。 歯の内部にある「神経」だけ抜きます。 私は、「歯を抜かれる」と誤解されがちなので、「神経を抜きます」とは言いません。 「神経を取る治療をします」と言うことが多いです。 どちらにしても、イメージが付かない治療ですね。 歯の内部の空洞は細いため、ファイルという「ヤスリ」みたいな道具を使います。 ヤスリを使って、掻き上げて神経の治療をします。 また神経の治療を受けた後、再治療になる場合があります。その際もファイルを使います。 さて、このファイル。用途は同じですが、2種類あります。 ステンレスファイルとニッケルチタンファイルです。 ①ステンレスファイル 以前、主流だったファイルです。 種類が多く、様々な根管に対応できます。 しかし、根が曲がった根管に …続きを読む
2018年8月22日
プラークとは、歯垢(しこう)とも呼ばれます。 汚れに細菌が入り、塊となったものです。 プラークはむし歯、歯周病、口臭の原因になります。 プラークは毎日の歯ブラシで落とすのですが、歯ブラシ「だけ」で落とせるプラークは、たったの60%と言われています。 「え?たったそれだけ?」と思われるかもしれませんが、それが事実です。 歯と歯の間や奥歯の奥には、歯ブラシが届きにくいです。そこに残りの約40%のプラークが残っています。 1㎎のプラークには、約1億の細菌がいます。 約40%が磨き残しがあるというのは、毎回毎回磨き残しの場所が変わる、ということではありません。 いつも同じところにプラークが溜まります。 つまり、いつもきれいに磨けている60%と、いつも汚れが溜まっている40%があるということです。 どんなに一生懸命歯を磨いても、この40%を意識しないとむし歯・歯周病を繰り返します。 この40%を少しでもきれいに磨くには、歯ブラシだけでは足りません。 歯間ブラシやフロスが必要です。 それを使うと、プラークが1.5倍除去できます。 歯間ブラシやフロスは、海外でも使われています。 使う頻度が、予防歯科大国のスウェーデンと日本とは大きな差があります。 【歯ブラシと共に、フロスやデンタルリンスを使うのは当たり前だと思う】 日本は48.7%に対して、スウェーデンは68.3% …続きを読む
2018年8月15日
「息子のすきっ歯が気になります。このままで良いのでしょうか?」 「友達は歯並びが隙間なくきれいなのに、私だけすきっ歯。気になるよ~」 「このまま大人になったら、ずっとすきっ歯なのですか?」 すきっ歯についてお話をします。 今回のお話は、「乳歯限定」です。 それが前提です。 通常は、「大丈夫である」ことが多いです。 というのは、後から生えてくる永久歯の方が大きいので、今の乳歯の時点で隙間なくギチギチに生えていると、将来歯並びが悪くなってしまうからです。 今あるすきっ歯は、大人の歯が生えるための隙間なのです。 こういうお話も聞きます。 「乳歯の時はきれいな歯並びだったのに、大人になったらガタガタになってしまった。」 それは、隙間がなかったので、永久歯がうまく生えてこれなかったためです。 乳歯は、2歳半ごろで全て生えるのですが、そこから顎が成長して、隙間が出てくることもあります。 そこはビックリされずに、大人の歯が生えてくるのを待ちましょう。 隙間はあった方が良いのです。 生まれ“つき”顎が大きい/小さいとは別に、生まれて“から”隙間を小さくしてしまうものがあります。 それは、乳歯のむし歯です。 乳歯のむし歯の大半は、「歯と歯の間のむし歯」です。 歯と歯の間にむし歯ができて穴が開くとします。 それを放置すると。。。 歯は常に動くため、隙間を埋めようとしてどんど …続きを読む
2018年8月8日
「黒いですけど、むし歯ですか?」 「学校の歯科検診で、むし歯にチェックを受けました。治療をお願いします。」 いざ診察すると、むし歯ではないことがあります。 黒いのに、むし歯ではない。 それは、サホライドというお薬が塗ってあります。 「フッ化次アンミン銀」という成分が歯を黒くさせます。 その効果は、 ・初期う蝕の進行抑制 (むし歯にさせない) ・二次う蝕の抑制 (再度のむし歯を抑える) ・象牙質知覚過敏症の抑制 (“しみる”を抑える) があります。 特長として(メーカーより) ・銀による蛋白固定、フッ化物による不溶性塩の生成により、象牙細管を閉塞し、う蝕の進行や象牙質知覚過敏を抑制します。 ・治療が困難な小児、来院の難しい高齢者の方におすすめします。 ・支台歯に塗布し二次う蝕の抑制に。 と記載されています。 できるだけ分かりやすく変換します。 →・銀が、むし歯の進行道路をふさぎます。 道路をふさぐことで、むし歯が進行しないようにします。 道路をふさぐことで、“しみる”を抑えます。 →・泣いたり暴れたりで、治療ができないお子様におすすめします。 歯科医院に通院できない方にお勧めします。 →・歯を削ると、そこからむし歯の再発がしやすいです。 削った面からむし歯も再発を防ぎます。 です。 メリットもたくさんがありますが、唯一の欠点が「歯が黒くなる …続きを読む
2018年8月1日
「定期的に歯周病の治療を受けると、どのくらい歯がもちますか?」 「この保険外の被せ物を入れると、どのくらいもちますか?」 「もうしばらく来なくても良いのですか?」 「もう大丈夫ですよね?」 歯周病の治療、むし歯の治療ともにこのご質問を受けます。 医療側の答えは、 「分かりません」です。 治療するからには、歯科医師も歯科衛生士もできるだけ長持ちするよう、丁寧に治療をします。 それでも「分かりません」です。 おそらく「どのくらいもちますか?」には、 「治療を受けたのですから、ずっともたせてくださいよ」 が意味合いで含まれていると思います。 (そのようなことをおっしゃる方はいませんが。) そのお気持ち、よく分かります。 自分の時間とお金を使って、わざわざ歯科医院に行き、お口を開けて診察を受けるのですから。 もう一度、言います。 そのお気持ち、よく分かります。 反対の立場だったら、私もそう思うはずです。 その上で申し上げます。 私たちのが相手にしているのは、“目に見えない菌”です。 例えば、セラミックやジルコニア。 これらの保険外の白い被せ物があります。 それを、箱に入れて保存しておけば、「ずっともちます」とお答えできます。 銀歯ですらそうです。 しかし、一旦お口の中に入れると、それは「人工物」から「お身体の一部」になります。 もう人工物ではありません。 唾液が入ります。砂 …続きを読む
2018年7月25日











