滋賀県守山市古高町にある歯医者、おおた歯科こども歯科の院長 歯科医師の太田貴司です。 予防・痛くなる前の治療・歯周病の治療に力を入れています。
当院のスタッフが「口育士」の資格を取得しました。その投稿をいたします。

目次
1. 口育士とは?
2. 「口育」とは何をするもの?
3. 口育士はどんなことをみるの?
4. 「お口ポカン」や口呼吸も口育と関係する?
5. 食べ方や咬み方も大切です
6. こんなお子さまは一度相談してみましょう
7. 口育は何歳から始めればいい?
8. 家庭でできる口育のポイント
9. 歯並びだけを見るのではない「口育」
・口育士とは?
口育士とは、日本口育協会が設けている資格制度に基づき、「口育」について学んだ人材を認定するものです。
つまり、口育士は「歯が生えてからむし歯を予防する」という視点だけではなく、その前の段階から子どものお口の育ちを考えていく存在です。
特に、赤ちゃんの哺乳や離乳食、指しゃぶり、おしゃぶりなどは、お口の発達と関わる大切なポイントです。
子どものお口は、歯が生えてから突然できあがるものではありません。
生まれたときから少しずつ発達していきます。
だからこそ、「歯が痛くなってから歯医者へ行く」のではなく、「お口がどのように育っているかを早い時期から確認する」という考え方があります。
・「口育」とは何をするもの?
「口育」は、簡単にいうと子どものお口の働きを育てていく考え方です。
お口には、食べるだけではなく、呼吸する、飲み込む、話すなど、さまざまな役割があります。
たとえば、食事をするときには、食べ物をお口に取り込みます。
舌を動かし、頬や唇を使い、歯で咬みます。
その後、食べ物をまとめて飲み込みます。
この一連の動きがスムーズにできることは、子どもの成長にとって大切です。
また、普段のお口の状態も見逃せません。
テレビを見ているときに、いつもお口が開いている。
寝ているときに口呼吸をしている。
食事のときに、あまり咬まずに飲み込んでいる。
こうした様子が続いている場合には、お口の使い方について一度確認してみる価値があります。
・口育士はどんなことをみるの?
口育で大切なのは、「歯だけ」を見るのではないということです。
お口の周りには、唇や舌、頬などがあります。
これらがどのように動いているのかも確認します。
たとえば、
・普段からお口が開いていないか
・鼻呼吸ができているか
・舌がどの位置にあるか
・食事のときに左右の歯を使って咬めているか
・食べ物を丸のみしていないか
・飲み込み方に気になる点がないか
・発音に気になるところがないか
・指しゃぶりなどの習慣が続いていないか
・姿勢とお口の使い方に気になる点がないか
このようなところを確認しながら、お子さまのお口の発達を考えていきます。
大切なのは、「できていないからダメ」と考えないことです。
子どもは成長の途中です。
今できていないことが、練習や環境の工夫によってできるようになることもあります。
・「お口ポカン」や口呼吸も口育と関係する?
「うちの子、いつもお口が開いているんです」
太田貴司も、当院のスタッフもこのようなご相談を受けることがあります。
「お口ポカン」です。
普段から唇が閉じられず、お口が開いた状態が続いている場合には、鼻づまりなどの原因がないか確認することも大切です。
鼻炎などによって鼻で呼吸しにくい場合には、まず鼻の状態への対応が必要になることもあります。
・食べ方や咬み方も大切です
口育を考えるとき、歯並びだけに目が向きやすいかもしれません。
しかし、毎日の食事も大切なポイントです。
たとえば、
「いつもやわらかいものばかり食べている」
「食事がとても早い」
「ほとんど咬まずに飲み込んでいる」
「片側ばかりで咬んでいる」
「お口に食べ物を入れすぎてしまう」
といった様子がないか確認してみましょう。
食事では、食べ物の硬さだけが重要なのではありません。
お子さまがどのように口を動かしているのかを見ることが大切です。
離乳食の時期には、月齢だけで進めるのではなく、お子さまのお口の発達を見ながら食材の形や硬さを考える必要があります。
また、食事中の姿勢も大切です。
足が床についているか。
体がぐらぐらしていないか。
お口だけではなく、食事をする環境も一緒に見直してみましょう。
「ちゃんと咬みなさい」と声をかけ続けるよりも、落ち着いて食べられる環境をつくることが、結果的に食べ方を見直すきっかけになることもあります。
・こんなお子さまは一度相談してみましょう
口育について相談してみたい患者さまには、次のような気になる様子がないか確認していただくとよいでしょう。
◯普段からお口が開いている
テレビを見ているときや遊んでいるときに、お口が開いていることが多い場合です。
唇を閉じることが苦手なのか、鼻で呼吸しにくいのかなど、原因を考える必要があります。
◯食事に時間がかかる
一回の食事にかなり時間がかかる場合には、食べ物の大きさや硬さだけでなく、咬み方や飲み込み方を確認することも大切です。
◯あまり咬まずに飲み込む
食べ物を口に入れると、すぐに飲み込んでしまうお子さまもいます。
丸のみが多い場合には、食材の形や大きさ、食事の姿勢などを含めて考えていきます。
◯舌の使い方が気になる
舌は、食べることや飲み込むことだけでなく、発音にも関係します。
舌の位置や動きについて気になることがあれば、一度専門家に相談してみましょう。
◯指しゃぶりなどが長く続いている
指しゃぶりは、子どもの成長過程で見られる自然な行動のひとつです。
大切なのは、無理にやめさせることだけではありません。
なぜ続いているのかを考えながら、お子さまの成長に合わせて対応することです。
・口育は何歳から始めればいい?
「口育は何歳からですか?」
これもよくある疑問です。
口育を考えるうえでは、乳児期からお口の発達を見ていくという考え方があります。
日本口育協会も「0歳からはじめる、これからの口育」として、哺乳や離乳食などの段階からお口の発達を考えることを紹介しています。
つまり、歯が生えてから始めるものだけではありません。
赤ちゃんの時期から、お口の育ちを考えることができます。
ただし、年齢によって見るポイントは変わります。
赤ちゃんであれば哺乳や離乳食。
幼児期であれば食べ方や呼吸。
学童期であればお口の姿勢や舌の使い方、咬み方などです。
そのため、「何歳までに始めないと意味がない」というものではありません。
気になったときが、お子さまのお口を見直すきっかけになります。
・家庭でできる口育のポイント
口育という言葉を聞くと、特別なトレーニングをしなければいけないと思われるかもしれません。
しかし、まずは普段の生活を見直すことから始められます。
① お口が閉じているか確認する
リラックスしているときに、唇が自然に閉じているか見てみましょう。
ずっとお口が開いている場合には、その様子を歯科医院で相談してみるのもひとつです。
② 食事中の姿勢を確認する
背中が丸くなっていないか。
足がぶらぶらしていないか。
食事に集中できる環境になっているか。
お口だけではなく、姿勢も一緒に確認しましょう。
③ 「早く食べなさい」と急かしすぎない
子どもの食事は、毎日同じではありません。
体調や眠さによっても変わります。
時間だけを気にするのではなく、落ち着いて食べられる環境をつくることも大切です。
④ お子さまの「できた」を見つける
口育では、できないことを注意するだけではなく、できたことを見つけて褒めることも大切です。
「今日は上手に咬めたね」
「お口を閉じて食べられたね」
「ゆっくり食べられたね」
そんな小さな声かけでも構いません。
お子さま自身が「できた」と感じることが、次の行動につながることがあります。
・ 歯並びだけを見るのではない「口育」
子どもの歯並びが気になると、「矯正をしたほうがいいのかな」と考える保護者の方も多いと思います。
もちろん、歯並びを確認することは大切です。
しかし、歯並びだけを見るのではなく、「なぜ今の状態になっているのか」を考えることも大切です。
お口の使い方。
舌の位置。
唇の動き。
呼吸。
食べ方。
姿勢。
こうした日常の積み重ねを一緒に確認することで、お子さまのお口をより広い視点から見ることができます。
おおた歯科こども歯科 院長 太田貴司 (自己紹介)[https://ohta-dent.com/staff.html#intyo」
2026年9月26日











