滋賀県守山市古高町にある歯医者、おおた歯科こども歯科の院長 歯科医師の太田貴司です。 予防・痛くなる前の治療・歯周病の治療に力を入れています。
現在、おおた歯科こども歯科では「むし歯の予防のためにフッ素を塗る」を強化しております。
フッ素のイメージは「小児に塗るもの」でありますが、実は全世代にメリットがあるのです。
説明のための目次
- フッ素は子どもだけのものではありません
- なぜ中高年になるとむし歯が増えるのか
- 中高年に多い「根面むし歯」とは
- フッ素が中高年のお口を守る理由
- フッ素にはどんな働きがあるの?
- 中高年におすすめのフッ素の使い方
- 歯周病治療中の方こそフッ素が重要です
- フッ素を上手に使って、一生自分の歯で食事を楽しみましょう
フッ素は子どもだけのものではありません
「フッ素は子どものむし歯予防のためのもの」
そのようなイメージを持たれている患者さまは多いと思います。
そのイメージの通り、フッ素は小児のむし歯予防に非常に効果的です。
実は、中高年の患者さまにとっても大切な役割があります。
最近では、50代以降になってから急にむし歯が増えたと感じる方も少なくありません。
「昔はむし歯なんてほとんどなかったのに」
「毎日しっかり歯磨きをしているのにむし歯になる」
そうしたご相談を受けることがあります。
その背景には、加齢によるお口の変化があります。
そして、その変化に対して大きな助けになるのがフッ素です。
なぜ中高年になるとむし歯が増えるのか
中高年になると、若いころとは違った理由でむし歯リスクが高くなります。
特に大きいのが、歯ぐきが下がることです。
歯周病や加齢の影響で歯ぐきが少しずつ下がると、今まで見えていなかった歯の根元が露出してきます。
この部分を「根面(こんめん)」と呼びます。
根面は、歯の表面のエナメル質よりもやわらかい組織です。
そのため、酸に弱く、むし歯が進行しやすい特徴があります。
さらに中高年になると、
- 唾液が減る
- お薬の影響で口が乾く
- 歯ブラシが届きにくくなる
- 被せ物のすき間が増える
といった問題も出てきます。
その結果、「根面むし歯」や「二次むし歯(治療した歯の再発)」が増えやすくなるのです。
中高年に多い「根面むし歯」とは
根面むし歯は、歯の根元にできるむし歯です。
特徴としては、
- 進行が早い
- 気づきにくい
- 広がりやすい
- 再発しやすい
という点があります。
しかも、根面むし歯は1本だけでは終わりません。
複数の歯で同時に起こることも珍しくありません。
特に注意したいのが、歯周病の治療をしている患者さまです。
歯周病治療で歯ぐきが引き締まると、今まで隠れていた根面が見えるようになります。
これは健康的な変化でもありますが、一方で根面むし歯のリスクは上がります。
つまり、歯周病を改善したあとほど、フッ素による予防が大切になるのです。
フッ素が中高年のお口を守る理由
フッ素には、歯を守るためのさまざまな働きがあります。
代表的なものとして、
- 歯を強くする
- 再石灰化(さいせっかいか)を助ける
- むし歯菌の働きを弱める
- 酸への抵抗力を高める
といった作用があります。
特に重要なのが、「再石灰化」です。テレビでもお耳にしたことはあるかもしれません。
お口の中では毎日、歯が少し溶けては修復されることを繰り返しています。
これを「脱灰(だっかい)」と「再石灰化」といいます。
フッ素は、この再石灰化を助けます。
初期段階のむし歯であれば、進行を抑える助けになる場合もあります。
また、フッ素が歯に取り込まれると、「フルオロアパタイト」という酸に強い構造へ変化します。
これにより、歯そのものがむし歯に負けにくくなります。
フッ素にはどんな働きがあるの?
フッ素には主に4つの働きがあります。
1.歯の結晶構造を安定させる
歯の表面には「ハイドロキシアパタイト」という結晶があります。
フッ素はこの結晶を安定化させます。
その結果、酸に溶けにくい歯になります。
2.フルオロアパタイトを作る
フッ素が取り込まれることで、より強い結晶構造に変化します。
これがフルオロアパタイトです。
酸への抵抗力が高まるため、むし歯予防に役立ちます。
3.再石灰化を促進する
初期の脱灰部分を修復する働きを助けます。
これが毎日の予防では非常に重要です。
4.細菌の働きを弱める
むし歯菌は酸を作り、歯を溶かします。
フッ素には、その酸の産生を抑える働きがあります。
つまり、フッ素は「歯を守る」だけでなく、「むし歯菌の活動も抑える」のです。
中高年におすすめのフッ素の使い方
現在、日本では高濃度フッ素配合歯磨剤の使用が推奨されています。
特に6歳以上では、1,500ppmのフッ素濃度の歯磨剤が推奨されています。
中高年の患者さまには、
- 高濃度(1500ppm)のフッ素歯磨剤
- フッ素洗口
- 歯科医院でのフッ素塗布
を組み合わせる方法がおすすめです。
高濃度フッ素歯磨剤
毎日使える最も基本的な予防です。
歯磨き後に少量のお水で軽くすすぐことで、フッ素がお口に残りやすくなります。
太田貴司は、歯磨き後のお口すすぎは多くでも2回までと決めております。フッ素を残すためです。
フッ素洗口
液体タイプのフッ素です。
特に根面むし歯リスクが高い方や、歯周病治療中の方に向いています。
歯科医院でのフッ素塗布
ご自宅のケアだけでは届きにくい部分をサポートできます。
定期的なメンテナンスと合わせることで、より予防効果が期待できます。
おおた歯科こども歯科ではこれを強化しています。
歯周病治療中の方こそフッ素が重要です
歯周病治療を受けている患者さまは、歯ぐきが改善してくるほど根面が見えてきます。
これは良い変化ですが、同時に根面むし歯のリスクが上がります。
そのため、歯周病治療とフッ素はセットで考えることが大切です。
特に、
- 歯がしみる
- 根元が茶色くなってきた
- 同じ場所が何度もむし歯になる
- 被せ物が多い
という患者さまは注意が必要です。
中高年のむし歯は、若いころとは違います。
「削って治す」だけではなく、「これ以上悪くしない予防」が非常に重要になります。
その中心になるのが、毎日のフッ素ケアです。
フッ素を上手に使って、一生自分の歯で食事を楽しみましょう
フッ素は、小児だけの予防法ではありません。
むしろ中高年では、
- 根面むし歯予防
- 二次むし歯予防
- 歯周病治療後のケア
として大きな意味があります。
近年では、「人生100年時代」という言葉をよく耳にします。
長く健康に過ごすためには、お口の健康が欠かせません。
しっかり咬めること。
好きなものを食べられること。
会話を楽しめること。
それらを支えるのが、毎日の予防です。
おおた歯科こども歯科 院長 太田貴司 (自己紹介)https://ohta-dent.com/staff.html#intyo
2026年7月25日











