滋賀県守山市古高町にある歯医者、おおた歯科こども歯科の院長 歯科医師の太田貴司です。予防・痛くなる前の治療・歯周病の治療に力を入れています。
毎日お子さまの食事を見ていると、
「いつも右側ばかりで食べている気がする」
「片方だけでモグモグしている」
「反対側ではあまり咬もうとしない」
このような様子が気になったことはありませんか。
実は、片側だけで咬むクセは、お口の筋肉やあごに偏った負担をかけることがあります。
すぐに大きな問題になるわけではありません。しかし、成長期のお子さまは骨や筋肉が発達している途中です。毎日の小さな積み重ねが、将来のお口の環境に影響することがあります。
今回は、お子さまの「片側咬み」について、原因や対策を分かりやすくご紹介します。
目次
- 片側ばかりで咬むクセとは
- 片側咬みが続くとどうなる?
- なぜ片側だけで咬むようになるの?
- ご家庭でできる4つの対策
- 咬む力を育てるおすすめの食材
- 食事の姿勢もとても大切です
- 歯科医院で確認したいポイント
- お子さまのお口の未来は毎日の積み重ねで育ちます
片側ばかりで咬むクセとは
食事をする時は、本来であれば左右の歯を自然に使いながら咬んでいます。
ところが、
「右側だけ」
「左側だけ」
というように、いつも同じ側ばかり使うお子さまも少なくありません。
最初は何気ないクセでも、毎日3回の食事が何年も続くと、お口の筋肉の使い方にも偏りが出てきます。
お子さまの成長期は、お口の機能が大きく発達する大切な時期です。
だからこそ、早めに気づいてあげることが大切です。
片側咬みが続くとどうなる?
あごの筋肉に偏りが出る
筋肉は使うほど発達します。
片側だけを使っていると、その側の筋肉ばかり働きます。
反対側は十分に使われないため、左右の筋肉のバランスが崩れることがあります。
咬み合わせに影響することがある
毎日同じ方向から力が加わることで、歯やあごへ偏った力がかかります。
成長期は骨が柔らかいため、その影響を受けやすい時期でもあります。
もちろん片側咬みだけで歯並びが決まるわけではありません。
遺伝や舌の使い方、口呼吸、生活習慣なども関係します。
しかし、片側咬みはその一つの要因になる可能性があります。
食べる機能が十分に育たないことも
左右均等に咬むことで、お口の筋肉や舌はバランスよく育ちます。
片側だけでは、お口全体を上手に使う経験が少なくなります。
その結果、咀嚼(そしゃく:食べ物を細かく咬み砕くこと)の発達にも影響する場合があります。
なぜ片側だけで咬むようになるの?
原因は一つではありません。
むし歯や痛みがある
最も確認したい原因です。
痛い歯があると、自然と反対側で咬むようになります。
小さなお子さまは痛みを上手に伝えられないこともあります。
「最近片側ばかりだな」と感じたら、一度歯科医院で確認することをおすすめします。
歯がぐらぐらしている
乳歯が抜ける時期も片側咬みになりやすい時期です。
ぐらぐらする歯を避けようとして反対側で食べることがあります。
一時的なことも多いですが、長く続く場合は確認が必要です。
食べ物が柔らかすぎる
最近は柔らかい食事が増えています。
あまり咬まなくても食べられるため、左右均等に使う機会が減ってしまいます。
クセになっている
最初は小さなきっかけでも、そのまま習慣になってしまうことがあります。
痛みがなくなっても片側だけで咬み続けるケースも珍しくありません。
ご家庭でできる4つの対策
① 左右交互に咬む練習をする
無理に何十回も数える必要はありません。
例えば、
「一口ごとに左右を変えてみよう」「5回ずつ左右で咬んでみよう」
この程度から始めるだけでも十分です。
ゲーム感覚で行うと、お子さまも楽しんで取り組めます。
② むし歯や痛みがないか確認する
片側咬みが急に始まった時は、お口の中に原因が隠れていることがあります。
むし歯だけではありません。
歯ぐきの炎症や歯のぐらつきなども原因になります。
定期的な検診で早めに確認しましょう。
③ 少し咬みごたえのある食材を取り入れる
お口の筋肉を育てるためには、しっかり咬む経験が必要です。
ポイントは、
小さく切りすぎないこと。
柔らかくしすぎないこと。
大きめに切った食材は自然と前歯でかぶりつきます。
その後、奥歯ですりつぶす動きが生まれます。
この一連の流れがお口の発達につながります。
野菜類
・れんこん
・にんじん
・きゅうり
・キャベツ
・ブロッコリーの茎
・ピーマン
タンパク質
・鶏モモ
・豚しゃぶ
・牛肉薄切り
・ハンバーグ
・つくね
・焼き魚
主食
・雑穀ご飯
・おにぎり
・ベーグル
・少しコシのある麺
・そば
豆・海藻・魚介類
・大豆
・枝豆
・昆布
・ひじき
おやつ
・干し芋
・りんご
・とうもろこし
・チーズ
・小魚せんべい
毎日の食事で少しずつ取り入れるだけでも、お口を使う機会が増えていきます。
④ 食事中の姿勢を整える
姿勢も意外と重要です。
足がぶらぶらしていると体が安定しません。
すると、しっかり咬みにくくなります。
おすすめは、
・足裏が床につく
・背中が伸びる
・机の高さが合っている
この3つです。
足が床につかない場合は、足台を使うだけでも姿勢は安定しやすくなります。
前歯でかぶりつく経験も大切です
最近は一口サイズに切られた食事が増えています。
もちろん食べやすさは大切です。
しかし、お口の発達という視点では、
前歯でかぶりつく
という経験も欠かせません。
前歯で食べ物をかみ切り、その後に奥歯ですりつぶす。
この流れがお口全体をバランスよく育てます。
パンでも、おにぎりでも、野菜でも構いません。
安全に配慮しながら、前歯を使う機会を作ってあげましょう。
歯科医院で確認したいポイント
片側咬みが長く続く場合は、一度歯科医院で確認することをおすすめします。
当院では、
・むし歯の有無
・歯ぐきの状態
・咬み合わせ
・歯並び
・お口の機能
・舌の動き
・食べ方
などを総合的に確認しています。
原因が分かれば、ご家庭での対策も取り組みやすくなります。
お子さまのお口の未来は毎日の積み重ねで育ちます
片側咬みは、今日すぐに大きな問題になるものではありません。
しかし、毎日の積み重ねが数年後のお口を作ります。
だからこそ、小さな変化に早く気づいてあげることが大切です。
食事は毎日続きます。
その毎日の中で、
「今日は左右で咬めたね。」
「前歯で上手にかぶりつけたね。」
そんな小さな成功体験をたくさん積み重ねてあげてください。
無理に注意し続ける必要はありません。
楽しく続けることが、お口の機能を育てる一番の近道です。
「これくらい大丈夫かな。」
そう思うような小さなことでも構いません。
早めに相談していただくことで、お子さまに合ったアドバイスをご提案できます。
お子さまのお口の健康は、ご家族だけで守るものではありません。
私たち歯科医院も一緒に成長を見守りながら、将来まで健康なお口づくりをお手伝いしたいと考えています。
おおた歯科こども歯科 院長 太田貴司 (自己紹介)https://ohta-dent.com/staff.html#intyo
2026年7月17日











