滋賀県守山市の歯医者、おおた歯科こども歯科、
歯周病は、いつ発症するのでしょうか?
よく「成人の80%は、歯周病になっている」と言われます。
この“成人”とは具体的に、何歳なのでしょうか?
いきなり歯周病になるものでしょうか? 徐々になっていくものなのでしょうか?
アメリカの論文に「歯周炎はほとんどの場合、30~40歳に発症し、そのピークは38歳である」という報告がされています。
別の論文では、「22~28歳に発症する」とあります。
「思ったより早い」と思われたのではないでしょうか?
歯周病にかかりやすい人は、20代から発症するのです。
20代前半と言えば、ほとんどお口や歯に興味関心がない年齢です。
それは、「自分の口の中には、歯があって当たり前だ」と思っている時期ですし、そもそもそれすら思っていないのかもしれません。
ご自身の健康に関心がない年齢です。
そして、歯周病は、いきなりかかっていきなり歯が抜ける病気ではありません。
静かに静かに、徐々に徐々に進行します。
気付いた時は、「抜歯」になってしまうかもしれません。
【歯周病のリスクファクター】
リスクとは、「病気のなりやすさ・起こりやすさ」を示します。
ファクターとは、「その要因」です。
歯周病のリスクファクターが多いほど、歯周病にかかりやすく治りにくいということです。
ここでは、歯周病菌や歯磨き不足、歯石以外のリスクファクターを述べます。
①喫煙
②糖尿病
この2つが歯周病の2大リスクファクターです。
歯周病が改善しない方は、この2つに立ち向かう必要があります。
③肥満
④栄養不足(カルシウム、ビタミンD)
⑤骨粗しょう症
⑥ストレス
喫煙は、1日の喫煙本数が多いほどリスクファクターが高くなります。そして、喫煙年数が長いほどリスクファクターが高くなります。
「喫煙者は、非喫煙者に比べ、約4倍再治療が必要になる」という報告があります。
「喫煙者が禁煙した場合、喫煙し続けた人より進行が遅くなる」という報告もあります。
糖尿病に関しては、「糖尿病でない患者さんと比べ、血糖コントロールが悪い2型糖尿病の患者さんでは、歯周病がより重度になる」という報告があります。
12~18歳を対象にした研究では、「1型糖尿病患者さんは健常者と比べ、歯周炎がかかりやすく重度である」という報告があります。
さらに「2型糖尿病患者さんでは、健常者よりも歯周病の発病率が2.6倍高くなる」しかも、「多くの場合、歯周炎よりも糖尿病の方が先に発症していた」報告もあります。
歯周病の治療においては、歯周病単独よりぜひ血糖値のコントロールも並行していきましょう。
2018年10月17日