滋賀県守山市の歯医者、おおた歯科こども歯科の院長太田貴司です。
ご自身でする「毎日の歯みがき」と「歯科医院での定期的なクリーニング」。
皆さんはどちらが大切だと思われますか?
歯科医院でのクリーニングは、器具も揃っているし、歯科のプロが行う、いかにも専門的でしっかりお掃除してくれそうなイメージですよね。
それに対して、毎日の歯みがきは日々のルーティーンの一部としてあまり注目されず、どうしても惰性になっている部分もあるかもしれません。
どちらが大切なのか? の答えは、「どちらも大切」です。
たまにいらっしゃるのです。
毎日の歯みがきがややおろそかで、歯ブラシを当てて頂きたいところに残念ながら当たっていない。
結果、磨いてきたばかりなのに、磨き残しがたくさんある。
それでも数ヶ月ごとに、定期的にクリーニングに来て下さるという方。
そういった方は、痛みもないのに、お忙しい中定期的に歯科医院に来て下さる。
それはとても素晴らしいことです。
むし歯が見つかったら、私たちも早期に治療ができますしね。
ただ、果たしてそれを手放しで褒めて良いのかどうか。
あるいは、磨けていないことをお伝えし、アドバイスするのか。
それで気分を害されて、通院が途絶えてしまうことになったら、歯の状態はさらに悪化してしまう。
私たちは、悩ましい立場で日々何が患者さんたちにとって一番よいことなのか、考えているのです。
本音としては、
「毎日の歯みがきと歯科医院での定期的なクリーニングは、どちらも大切です。歯科医院に全てを預けるのは、良くないんですよ」
「全ての汚れの源は、毎日の歯みがきで落とすことができるんですよ」
「私たちは、むしろ補助的にあるのですよ。」
と、お伝えしたい。これが本当の気持ちです。
勉強であれば、学校の授業で教わることの大切さと自宅での宿題、どちらも大切ということは理解されやすいと思います。
しかし、大人になるとどうしてもそういった気持ちは忘れがちです。
ここで、比較をするために数字で見てみようと思います。
①毎日の歯みがき
1回3分×1日3回×365日で計算すると、
3285分です。
時間にすると、54.75時間。
つまり、1年のうち丸2日以上は歯を磨いている計算です。
②歯科医院でのクリーニング
1回50分×年3回で計算すると、
150分。
時間にすると、2時間30分。
1年のうち、たった2時間30分だけなのです。
確かに、歯科医院でのクリーニングは、歯みがきでは落とせない汚れを取ることができます。
「歯科医院で見てもらっている」という安心感もあるでしょう。
「見てもらったばかりだから、しばらくは大丈夫だろう」と思われるかもしれません。
しかし、毎日の歯みがきがどれだけ大切なのか、比較した時間からも分かるのではないでしょうか?
「3ヶ月ごとにしっかりお手入れをしてもらっている。だから、自分の歯みがきはそこそこの適当でも良いんです」では残念ながらありません。
日々のコツコツの成果を、私たちがよりよいものに仕上げる、そんなイメージをもっていただけるとよいかと思います。
喫煙も同じですね。
毎日の歯みがきを頑張っている。歯科医院でのクリーニングも定期的に通っている。
でも、ヘビースモーカー。
これでは、歯周病は悪化するだけです。外からきれいにしても、内側から悪くなってしまいます。
多方面からのアプローチで、よりよい口内環境を目指していきましょう。
2018年10月6日