滋賀県守山市古高町にある歯医者、おおた歯科こども歯科の院長 歯科医師の太田貴司です。
予防・痛くなる前の治療・歯周病の治療に力を入れています。
年齢を重ねると、下の前歯の歯並びが変わりやすい理由についてお伝えします。
太田貴司も日々診療をしていてよくご質問を受けます。
「最近、下の前歯の歯並びが悪くなってきた気がする」と感じたことはありませんか?
私太田貴司も下の前歯だけ、昔と比べると歯並びが重なってきています。あまり気にしていませんが、多少は気になってしまいます。
これだけで歯が抜けることはありませんが、皆さまからご質問を頂きます。「このまま歯が押し出されて抜けてしまうのではないですか?」という内容です。
実は、年齢を重ねると歯並びが変化することは珍しくありません。
特に、今お伝えした下の前歯(下顎前歯:かがくぜんし)は、その影響を受けやすい部位です。
今回は、なぜ年齢とともに下の前歯の歯並びが変化するのか、
その原因と対策についてお伝えします。
【目次】
1.目次加齢による歯並びの変化とは?
2.下の前歯の歯並びが乱れる主な原因
3.歯並びの変化を防ぐための対策
4.歯並びの乱れによるリスク
5.早めの歯科受診の重要性
1. 加齢による歯並びの変化とは?
加齢による変化は、見た目だけではなく、歯や口腔環境にも影響を及ぼします。
特に下の前歯は、長年の負担によって少しずつ移動しやすくなります。
例えば、若いころはきれいに並んでいたのに、年齢を重ねると少しずつ前に押し出されたり、重なったりすることがあります。
私太田貴司も同じです。
この変化は、見た目だけでなく、かみ合わせや歯の健康にも影響が出ることがあるので、時には注意が必要です。
2. 下の前歯の歯並びが乱れる主な原因
では、なぜ年齢を重ねると下の前歯が乱れやすくなるのでしょうか?
主な原因を見ていきましょう。
① 歯の移動(加齢による変化)
歯は、常にわずかに動いています。
特に加齢によって顎(あご)の骨が変化し、歯を支える力が弱くなると、歯が移動しやすくなります。
奥歯がすり減り、前歯が強く当たるようになる分、前歯が押し込まれ乱れることも原因です。
我々は知らず知らずのうちに歯がすり減っているのです。
歯ぎしりをしていなくても、歯は言わば消耗品なのです。
② 歯ぎしり・食いしばり
無意識のうちに歯ぎしりや食いしばりをしていると、歯に強い力がかかり、少しずつ位置がずれることがあります。
特に寝ている間の歯ぎしりは、気づかないうちに歯にダメージを与えています。
覚醒状態でも、歯ぎしりは無意識のうちにされていることがあります。
何気なくスマホを触っているとき、何気なくテレビを見ているときに歯を食いしばっているかもしれません。
③ 歯周病(ししゅうびょう)
歯周病とは、歯を支える骨や歯茎が弱っていく病気です。
進行すると、歯を支える骨(歯槽骨:しそうこつ)が減少し、歯が動きやすくなります。
その結果、歯並びが変化してしまうのです。
④ 親知らず(おやしらず)の影響
親知らずが残っていると、前の歯を押してしまい、歯並びに影響を与えることがあります。
特に下の親知らずが生えている方は、前歯が押されて歯並びが乱れる可能性があります。
⑤筋力の低下
頬の筋力が落ちると、舌の押す力に負けてしまい歯並びが乱れることがあります。
3. 歯並びの変化を防ぐための対策
では、歯並びが変化しないようにするためには、どのような対策が必要でしょうか?
① 歯ぎしり・食いしばりを防ぐ
歯ぎしりが原因で歯が動くのを防ぐために、ナイトガード(就寝時に装着するマウスピース)を使用すると効果的です。
②歯周病予防を徹底する
歯周病の進行を防ぐためには、日々の正しい歯磨きと、歯科医院での歯石除去が大切です。
③必要に応じて矯正治療を
検討歯並びの乱れが気になる場合は、部分矯正やマウスピース矯正などの選択肢があります。
気になる方は、歯科医院で相談してみましょう。
④親知らずの抜歯も検討
歯科医院でのレントゲンで、親知らずが真横に生えていたら抜歯を検討されても良いかと存じます。
4. 歯並びの乱れによるリスク
歯並びが悪くなると、見た目の問題だけでなく、
以下のようなリスクも発生します。
✔ 歯磨きがしにくくなり、むし歯や歯周病のリスクが高まる
✔ かみ合わせが悪くなり、顎関節症(がくかんせつしょう)の原因になる
✔ 噛む力が弱まり、食事がしにくくなる
5. 早めの歯科受診の重要性
生理的な移動でしたら問題ありません。ただ歯周病による歯の移動でしたら治療が必要です。
ぜひ歯科医院に通院しましょう。
おおた歯科こども歯科 院長 太田貴司
(自己紹介)https://ohta-dent.com/staff.html#intyo
2025年8月11日