滋賀県守山市古高町にある歯医者、おおた歯科こども歯科の院長 歯科医師の太田貴司です。 予防・痛くなる前の治療・歯周病の治療に力を入れています。
「歯並びは親に似るから仕方ないですよね?」
診療中に患者さまから、このようなご質問をいただくことがあります。
顎の大きさや骨格には遺伝の影響があります。
しかし、それだけで歯並びが決まるわけではありません。
実は、お子様が毎日何気なく続けているお口のクセや生活習慣も、歯並びや咬み合わせに大きく関係しています。
例えば、
「いつも指しゃぶりをしている」
「テレビを見ているとお口が開いている」
「頬杖をついて宿題をしている」
「唇や爪をかむクセがある」
こうしたクセは、一回だけでは問題になりません。
しかし毎日何時間も続くことで、成長途中の顎や歯に少しずつ力が加わり、歯並びや咬み合わせへ影響することがあります。
逆に言えば、小さい頃に気付いてあげられれば、お口の健やかな成長をサポートできる可能性があります。
今回は、お子様によく見られるクセと、ご家庭でできる対策について分かりやすくご紹介します。
目次
- 歯並びは毎日の生活習慣でも変わる
- 指しゃぶり
- 口呼吸
- 爪をかむクセ
- 頬杖
- 唇をかむクセ
- 舌を前に出すクセ
- よく咬んで食べることも歯並びづくり
- 食事中の姿勢も大切です
- お子様の未来への最高のプレゼント
歯並びは毎日の生活習慣でも変わる
歯は、周りの筋肉や舌、唇から毎日力を受けています。
ほんの少しの力でも、それが毎日何時間も続くと、成長途中のお口には影響が出ることがあります。
つまり、お口のクセは「毎日の積み重ね」なのです。
だからこそ、早く気付くことがとても大切です。
そして一番大切なのは、お子様を叱らないことです。
クセには安心したい気持ちや無意識の習慣が隠れていることも少なくありません。
優しく寄り添いながら改善していくことが、お子様にとって一番良い方法です。
指しゃぶり
小さなお子様ではよく見られる行動です。
乳児期には自然なことですが、大きくなっても続く場合は歯並びに影響することがあります。
起こりやすい影響
長期間続くと、
- 上顎前突(じょうがくぜんとつ・出っ歯)
- 下顎前突(かがくぜんとつ・受け口)
- 開咬(かいこう・前歯が咬み合わない状態)
- 過蓋咬合(かがいこうごう・前歯が深く重なる状態)
などにつながることがあります。
また、
- 舌の位置
- 発音
- 飲み込み方
- お口を閉じる力
にも影響する場合があります。
原因
多くは、
- 安心したい気持ち
- 赤ちゃんの頃からの習慣
などが考えられます。
ご家庭でできること
「やめなさい。」ではなく、「お口、お休みできているかな。」と優しく声をかけてあげましょう。
抱っこや絵本、手遊び、お気に入りのぬいぐるみなど、安心できる時間を作ることも大切です。
寝る前は手をつないだり、トントンしたりするだけでも安心につながります。
口呼吸
最近とても増えているのがお口ぽかんです。
お口が開いた状態が続くと、お口の中が乾燥します。
唾液はお口を守る大切な働きをしています。
乾燥すると、
- むし歯
- 歯肉炎
- 口臭
などのリスクが高くなります。
さらに、
- 舌の位置
- 顎の成長
- 歯並び
- 咬み合わせ
にも影響することがあります。
爪をかむクセ
爪かみは無意識にしてしまうお子様も多くいます。
集中している時や退屈な時に見られることがあります。
起こること
前歯に強い力が加わるため、
- 歯が欠ける
- 歯がすり減る
- 空隙(くうげき・すきっ歯)
につながることがあります。
また、指についた細菌がお口へ入る原因にもなります。
ご家庭でできること
「やめなさい。」ではなく、「おてて、休憩しようか。」という声かけがおすすめです。
ブロック遊びや粘土、塗り絵など手を使う遊びも効果的です。
爪を短く整えたり、お気に入りのシールを貼ったりする工夫もおすすめです。
頬杖
頬杖も歯並びへ影響することがあります。
片側から毎日力が加わることで、
- 交叉咬合(こうさこうごう・左右がずれて咬む状態)
- 過蓋咬合
などにつながる場合があります。
原因として、
- 猫背
- 椅子や机の高さ
- タブレットやゲーム時間
なども関係しています。
「頬杖やめて。」ではなく、「ほっぺに手がついているね。」と気付かせてあげることが大切です。
唇をかむクセ
唇をかむクセも意外と多く見られます。
続くと、
- 上顎前突(出っ歯)
- 過蓋咬合
につながることがあります。
「お口を優しく閉じようね。」という優しい声かけがおすすめです。
集中している時に無意識でかんでしまう場合は、当院で販売している「ポカンX(税込100円)」を代わりに使用する方法もあります。
舌を前に出すクセ
舌は本来、上あごについている状態が理想です。
舌を前へ押し出すクセが続くと、
- 下顎前突(受け口)
- 開咬
- 空隙(すきっ歯)
などにつながることがあります。
また、発音や飲み込み方にも影響します。
改善には、
- 舌の正しい位置を覚える
- 正しい飲み込み方を意識する
- ポッピング
- あいうべ体操
- ベロ回し
などのトレーニングがおすすめです。
遊び感覚で続けることで、お子様も楽しく取り組めます。
よく咬んで食べることも歯並びづくり
歯並びを整えるためには、毎日の食事も大切です。
前歯でしっかりかぶりつき、奥歯ですりつぶして食べることで、お口の筋肉や顎がしっかり使われます。
成長期には、この積み重ねがお口の発達につながることがあります。
特におすすめなのは、少し咬みごたえのある食材です。
例えば、
野菜
- れんこん
- にんじん
- キャベツ
- ブロッコリーの茎
- きゅうり
- ピーマン
タンパク質
- 鶏もも肉
- 豚しゃぶ
- 牛肉
- ハンバーグ
- つくね
- 焼き魚
主食
- 雑穀ご飯
- おにぎり
- ベーグル
- コシのある麺
- そば
豆・海藻
- 大豆
- 枝豆
- 昆布
- ひじき
おやつ
- 干し芋
- りんご
- チーズ
- とうもろこし
- 小魚せんべい
ポイントは、
小さく切りすぎないこと。
柔らかくしすぎないこと。
しっかり咬める大きさを意識してみてください。
食事中の姿勢も大切です
食事中の姿勢は、お口の発達に大きく関係します。
足が床につき、背筋を伸ばして座ることで、しっかり咬みやすくなります。
猫背や足がぶらぶらした状態では、お口の筋肉もうまく使えません。
毎日の食卓だからこそ、姿勢も見直してみましょう。
お子様の未来への最高のプレゼント
歯並びは一日で変わるものではありません。
毎日の生活習慣や、お口の使い方が少しずつ積み重なって育っていきます。
だからこそ、お子様の小さなクセに気付いてあげられる今が、とても大切な時期です。
「やめなさい」と叱るより、「できたね」と褒めること。
無理なく、楽しく続けること。
その積み重ねが、お子様の健やかなお口を育てていきます。
当院では、お子様一人ひとりのお口の状態や成長に合わせて、ご家庭で続けられるアドバイスを行っています。
「このクセは大丈夫かな?」
「歯並びが少し気になる。」
そんな時は、お気軽にご相談ください。
小児期のお口の機能は、成長とともに変化します。
早めに気づいてサポートすることで、将来のお口の健康につながる可能性があります。
おおた歯科こども歯科 院長 太田貴司
(自己紹介)https://ohta-dent.com/staff.html#intyo
2026年7月14日











