目次
- 発音はお口の機能と深く関係しています
- このような発音で気になることはありませんか?
- 発音に影響するお口の機能とは
- 今日からできる発音を育てる5つの方法
- よく咬んで食べることが発音にも役立ちます
- お子さまの成長を一緒に見守りましょう
- まとめ
発音はお口の機能と深く関係しています
「うちの子は発音が少し気になるけれど、そのうち自然に治るかな」
このようなご相談をいただくことがあります。
幼いお子さまでは発音が未熟なのは珍しいことではありません。しかし、成長しても発音がはっきりしない場合は、お口の機能が関係している可能性があります。
舌の動き、お口の周りの筋肉、鼻呼吸ができているか、飲み込み方、姿勢なども、お子さまのお口の成長にはとても大切です。
発音は、お口が正しく育っているかを教えてくれるサインの一つでもあります。
今回は、お子さまの発音とお口の機能について分かりやすくお話しします。
このような発音で気になることはありませんか?
次のような様子はありませんか。
サ行が「しゃ・しゅ・しょ」になる
例えば、
「さかな」が「しゃかな」
のように聞こえることがあります。
タ行が言いにくそう
タ行は舌先を上あごにつけて発音します。
舌がうまく動かないと発音しにくくなります。
「ら・り・る・れ・ろ」がうまく言えない
ラ行は舌を素早く動かす必要があります。
舌の動きが十分でないと発音が不明瞭になります。
言葉が聞き取りにくい
家族には分かっても、お友達や先生には伝わりにくいことがあります。
お口をぽかんと開けて話す
お口が開いたまま話すお子さまは、お口の周りの筋肉が十分に使えていないことがあります。
舌が前に出る
発音するときに舌が歯の間から見えることがあります。
空気がもれるような発音になる
息が前から抜けてしまい、はっきり聞こえないことがあります。
「き」「ぎ」「ち」「じ」が言いにくい
舌やお口の動きが十分でないと発音しづらくなることがあります。
年齢より幼い話し方に感じる
同年代のお子さまと比べて幼い印象になる場合があります。
このような様子がある場合は、一度お口の機能を確認してみることをおすすめします。
発音に影響するお口の機能とは
舌の位置
本来、舌は上あごに軽く触れている状態が自然です。
舌がいつも下がっていると、発音だけでなく歯並びにも影響することがあります。
お口の周りの筋肉
唇を閉じる力が弱いと、お口ぽかんになりやすくなります。
その結果、発音が不明瞭になることがあります。
口呼吸
鼻ではなく口で呼吸していると、お口の中が乾燥します。
むし歯や歯肉炎のリスクが高くなるだけでなく、舌の位置や筋肉の使い方にも影響します。
当院ブログの「お口ぽかん」の記事もぜひ参考になさってください。
歯並びや咬み合わせ
歯並びや咬み合わせによっては、舌を正しい位置に置きにくくなることがあります。
そのため発音に影響する場合があります。
今日からできる発音を育てる5つの方法
①ゆっくり、はっきり話すお手本を見せる
発音が気になると、
「違うよ」「もう一回言って」
と何度も言いたくなることがあります。
しかし、強く言い直しを求めると、お子さまが話すことに自信をなくしてしまうことがあります。
まずは保護者の方がゆっくり、はっきり話すことを意識してみましょう。
お子さまは大人の話し方をよく見ています。
毎日の会話がお手本になります。
②よく咬んで食べる習慣をつくる
発音には、お口の周りの筋肉も大切です。
筋肉を育てるためには、毎日の食事が役立ちます。
少し咬みごたえのある食材を取り入れてみましょう。
野菜
・れんこん
・にんじん
・きゅうり
・キャベツ
・ブロッコリーの茎
・ピーマン
タンパク質
・鶏もも肉
・豚しゃぶ
・牛肉薄切り
・ハンバーグ
・つくね
・焼き魚
主食
・雑穀ご飯
・おにぎり
・ベーグル
・少しコシのある麺
・そば
豆・海藻・魚介
・大豆
・枝豆
・昆布
・ひじき
おやつ
・干し芋
・りんご
・とうもろこし
・チーズ
・小魚せんべい
食材は小さく切りすぎないことも大切です。
適度な大きさにすることで、自然とよく咬む習慣につながります。
③口呼吸を改善する
口呼吸は発音だけでなく、お口全体の健康にも影響します。
鼻呼吸が難しい場合は、
・鼻づまり
・アレルギー性鼻炎
などが隠れていることもあります。
必要に応じて耳鼻科への受診も検討しましょう。
④遊びながらお口を鍛える
お子さまは遊びが大好きです。
楽しみながら続けられる方法がおすすめです。
例えば、
ポッピング
舌を上あごに吸い付けて「ポン」と離します。
舌の力を育てる練習です。
あいうべ体操
「あー」「いー」「うー」「べー」
と大きく口を動かします。
唇や舌の筋肉を鍛える体操です。
ベロ回し
舌をゆっくり大きく回します。
舌の柔軟性が高まります。
ことば遊び
早口言葉や絵本の音読も、お口を動かす練習になります。
よく咬んで食べることが発音にも役立ちます
「咬むこと」と「発音」は別々の話と思われるかもしれません。
しかし実際には深く関係しています。
しっかり咬むことで、
・舌がよく動く
・頬の筋肉が鍛えられる
・唇の力が育つ
・顎の成長を助ける
など、多くの良い影響があります。
また、「前歯でかぶりつく」「奥歯ですりつぶす」という動きも、お口全体の機能を育てるために大切です。
毎日の食事は、お口のトレーニングの時間でもあります。
お子さまの成長を一緒に見守りましょう
発音は一日で変わるものではありません。
お口の機能は、毎日の少しずつの積み重ねで育っていきます。
だからこそ、
「今日は上手に話せたね」
「しっかり咬めたね」
そんな小さな「できた」を見つけてあげてください。
褒められることは、お子さまにとって何よりの力になります。
もし、
「年齢の割に発音が気になる」
「舌がよく前に出る」
「お口ぽかんが続いている」
「歯並びも気になる」
ということがありましたら、一人で悩まずお気軽にご相談ください。
当院では、お子さまのお口全体を確認しながら、生活習慣やお口の使い方も含めてアドバイスしています。
歯並びだけではなく、お口の機能まで考えることが、将来のお子さまの健康につながると考えています。
まとめ
発音は、単なる「話し方」の問題ではありません。
舌の位置、お口の周りの筋肉、鼻呼吸、咬み合わせ、食事の習慣など、お口全体の機能が関係しています。
毎日の生活の中で少しずつ意識することで、お口の機能は育っていきます。
焦らず、楽しみながら続けることが大切です。
おおた歯科こども歯科 院長 太田貴司
(自己紹介)https://ohta-dent.com/staff.html#intyo
2026年7月16日











