滋賀県守山市古高町にある歯医者、おおた歯科こども歯科の院長、歯科医師の太田貴司です。
当院では、予防・痛くなる前の治療・歯周病の治療に力を入れています。
今回は「上顎洞(じょうがくどう:鼻の空洞)と上の歯の痛み」について解説します。
上顎洞の炎症が歯の痛みに関係していることをご存じでしょうか?
実は割と経験します。その仕組みや治療方法を詳しくご紹介します。
【目次】
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上顎洞(じょうがくどう)とは?
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上顎洞と上の歯の関係
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上顎洞炎(副鼻腔炎:ふくびくうえん)による歯の痛み
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上顎洞と歯の痛みの見分け方
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上顎洞や歯の痛みがあるときの対処法
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治療とサポート
1. 上顎洞(じょうがくどう)とは?
上顎洞は、副鼻腔(ふくびくう)と呼ばれる鼻の周りにある空洞の一つで、鼻の横にあります。
この空洞は、鼻腔(びくう)とつながっており、空気の通り道としての役割や、頭部の重さを軽減する役割があります。
上顎洞は上の歯のすぐ上に位置しているため、炎症や感染が発生すると、歯やその周辺に影響を及ぼすことがあります。
2. 上顎洞と上の歯の関係
上顎洞と上の奥歯(特に大臼歯)はとても近い位置にあります。
そのため、上顎洞のトラブルが歯の痛みとして感じられることがあります。
このような痛みは、患者さまが歯の問題と誤解されることが多いです。
また、歯の根が上顎洞に近い場合、歯の治療や抜歯が原因で上顎洞に影響を与えることもあります。
このようなケースでは、専門的な治療が必要です。当院では病院の口腔外科に紹介をしております。
3. 上顎洞炎(副鼻腔炎)による歯の痛み
上顎洞炎(副鼻腔炎)は、上顎洞に炎症が起きる状態を指します。この炎症が原因で、上の歯に鈍い痛みを感じることがあります。特に奥歯が多いです。
主な症状
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上の奥歯に感じる痛み
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頬や目の周りの圧迫感
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鼻づまりや鼻水
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発熱や頭痛
- 太田貴司がよく問診するのは「頭を上下にすると痛いですか?」「ジャンプすると痛みますか?」「階段の昇り降りで痛くなりますか?」というのを聞いています。
上顎洞炎による歯の痛みは、通常の歯の痛みとは異なり、数本の歯に広がることが特徴です。
鼻の症状が伴う場合は、副鼻腔炎が疑われます。
4. 上顎洞と歯の痛みの見分け方
上顎洞のトラブルによる歯の痛みと、歯自体の問題による痛みを見分けることが大切です。
見分けるポイント
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痛みの広がり: 上顎洞炎の場合、複数の歯が痛むことが多いです。
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鼻の症状: 鼻づまりや鼻水がある場合は、副鼻腔炎の可能性があります。
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歯の反応: 歯をたたいたときの痛みや冷たいものに対する反応がない場合、歯そのものの問題ではない可能性があります。鼻が原因の副鼻腔炎です。
このような症状がある場合は、歯科医院と耳鼻科の両方の診察を受けることをおすすめします。
5. 上顎洞や歯の痛みがあるときの対処法
上顎洞や歯に痛みを感じた場合、以下の対処法を参考にしてください。
ご自宅でできること
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鼻を温めることで、血流を促進し、痛みを和らげることができます。
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十分な水分を摂取して、鼻の粘膜を潤すように心がけましょう。
歯科医院での診察
痛みの原因が歯なのか上顎洞なのかを診断するために、歯科医院でレントゲン撮影を行います。必要に応じて耳鼻科と連携し、適切な治療を行います。
はっきりと歯が原因の副鼻腔炎であれば、病院の口腔外科に紹介をしております。
手術になることもありますので、よくご相談して頂ければと思います。
6. 治療とサポート
当院での対応
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精密な診断: レントゲンやCTスキャンを活用し、痛みの原因を特定します。
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専門医との連携: 必要に応じて耳鼻科医と連携し、患者さまに最適な治療を提供します。
おおた歯科こども歯科 院長 太田貴司
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2025年3月3日