滋賀県守山市古高町にある歯医者、おおた歯科こども歯科の院長 歯科医師の太田貴司です。
予防・痛くなる前の治療・歯周病の治療に力を入れています。
糖尿病と歯周病と関連を今回から具体的にお伝えします。
すでに糖尿病にかかっている方は、 歯周病が悪化しやすいです。
理由は
・高血糖で免疫力が低下するため、 歯周病の細菌に対する抵抗力が落ちるため
・高血糖で脱水状態になります。 そのため お口の中が乾燥し、 唾液が低下することで歯周病の細菌に対する抵抗力が落ちるため
です
HbA1cが6.5%以上の2型糖尿病の方は、健常者より歯周病のリスクが1.17倍高まると言われています。
ここ10年・20年で、2型糖尿病の方に歯周病の治療をすると、血糖の改善があることが分かってきました。
このことを述べているのは、歯科医師側ではありません。日本糖尿病学会側の意見です。
歯周病を治療することが、糖尿病の改善につながる。
そのことを医師の方々が言われているのです。歯科医師側としてはとてもありがたいことです。
もっともっと前は、信じてもらえませんでした。
「歯医者は、歯を削っていれば良いんだ」的な発想はあったと思います。
しかし、多くの研究から歯周病の治療が全身の健康に関わることが公にされてきたのです。
具体的な数値で言うと、 歯周基本治療( スケーリング・ ルートプレーニング)をすることでHbA1cが 0.29~0.66% 低下すると言われています。
この事実を踏まえて、 日本糖尿病学会が糖尿病の患者さんへの 歯周病治療を推奨することになりました。
研究結果の信ぴょう性は、最高ランクのAです。
(研究結果の信ぴょう性はグレードで分かれており、A・B・C1・C2・Dがあります。Aは強い科学的根拠があります。Dは無効である。または害がある科学的根拠があるとされています。)
【HbA1cが 0.29~0.66% 低下するということ】
内科の先生や糖尿病患者さんからするとすごいことなのです。
HbA1cを 0.29~0.66% を下げるためには、ある1種類の糖尿病の飲み薬を一生飲み続ける必要があります。
それを 歯科医院で解決できる可能性があるのです。
さらに 歯科医院での歯周病治療は、毎日ではありません。 最初は数回、 その後歯周組織が落ち着いてきたら、数ヶ月に1回でいいのです。
治療費 においても、むしろ 安くなります。
糖尿病の飲み薬を1年間飲み続けると、年間で4万円から7万円かかります。
対して、 歯周病の治療はそこまでかかりません。
歯周病の治療をすることで、HbA1cが必ずしも 下がるとは言い切れません。
しかし 歯を守るだけではなく、全身の健康を回復させる大きな可能性が歯科医院にはあるのです。
今回は、歯周病と糖尿病の関わりについてお話をさせて頂きました。
(参考) 一般社団法人 日本糖尿病学会
糖尿病診療ガイドライン2019
https://www.jds.or.jp/modules/publication/index.php?content_id=4
13.糖尿病と歯周病
おおた歯科こども歯科 院長 太田貴司
(自己紹介)https://ohta-dent.com/staff.html#intyo
おおた歯科こども歯科には、日本糖尿病協会の登録歯科医師が在籍しております。
2024年6月5日