滋賀県守山市古高町にある歯医者、おおた歯科こども歯科の院長 歯科医師の太田貴司です。
予防・痛くなる前の治療・歯周病の治療に力を入れています。
今回は「くさび状欠損」についてお話します。
暑いこの時期、アイスクリームやかき氷など冷たいものを食べたときに歯がキーンとしみることはありませんか?
もしかしたらそれは「くさび状欠損」があるかもしれません。
- くさび状欠損とは?
歯と歯ぐきの境目の部分の歯が、くさび状に欠けている状態のことを「くさび状欠損」といいます。
「楔(くさび)」とは硬い木材や金属で作られたV字型または三角形の道具です。
隙間に打ち込むための道具なので、一端を厚くし、反対側に向かって徐々に薄くなるように作られています。
歯の欠損の形態がくさびの形状に似ていることから、このように呼ばれるようになりました。
歯はエナメル質、象牙質、セメント質、歯髄からできています。
くさび状欠損ではエナメル質や象牙質、セメント質が欠けている状態です。
進行すると、冷たいものや熱いものがしみる、歯ブラシが当たると痛むなどの知覚過敏の症状が出るようになります。
- くさび状欠損の原因
くさび状欠損は、時に痛みを伴う歯の欠損であるため、むし歯と勘違いされがちです。
しかし、むし歯ではありません。
くさび状欠損はむし歯菌などによるものではなく、外からの物理的な要因によって歯の表面が削られることで起こります。
原因には、以下のようなことが挙げられます。
・硬すぎる歯ブラシや研磨剤入り歯磨き粉による摩擦
・強すぎるブラッシング圧
・歯ぎしりや食いしばり
・歯並びや噛み合わせの悪さによるダメージ
- くさび状欠損は治療できる?
残念ながら、一度欠損してしまった歯は自然に治癒することはありません。
欠けた部分が小さい場合は、知覚過敏用の薬を塗布するなどして様子をみることもあります。
欠けた部分が大きくむし歯などのリスクがある場合は、歯科用の白いプラスチックで埋める治療をすることもあります。
ただし、くさび状欠損の原因をできる限り突き止め、それに対する対策をとらなければ再び同じ箇所に欠損が起こってしまいます。
就寝中の歯ぎしりや食いしばりが原因の場合はマウスピースで歯を守ることが大切です。一生懸命磨こうとするあまりにブラッシング圧が強くなってしまう方もよく見られます。歯ブラシは鉛筆を持つように軽く握り、歯ブラシを動かしたときに毛先が変形しない程度の軽い力で磨くことを心がけましょう。
今回は、くさび状欠損についてお話させていただきました。
少しでも皆様のお役に立てたら幸いです。
おおた歯科こども歯科 院長 太田貴司
(自己紹介)https://ohta-dent.com/staff.html#intyo
2023年10月1日