滋賀県守山市古高町にある歯医者、おおた歯科こども歯科の院長 歯科医師の太田貴司です。
予防・痛くなる前の治療や、矯正治療に力を入れています。
今回は、定期検診(歯周病管理、重症化の予防)の大切さについてお話します。
忙しくて定期的に通うのは大変なので、痛くなってから、違和感が気になってから行っても間に合えばいいのでは?
と思う方もいらっしゃるかもしれません。なぜ歯科において定期検診(歯周病管理、重症化の予防)が大切なのでしょうか?
- 国民皆歯科健診制度の導入とその背景
令和7年を目処に、国民皆歯科健診制度が導入されるのをご存知でしょうか?これは、全ての国民に対して毎年の歯科検診を義務づけるというものです。具体的には、勤務先で行われる健康診断の中に歯科検診も組み込む形が検討されています。
現行の制度では、1歳半と3歳での検診のほか、小学校から高校までの学校歯科検診、各自治体による歯科検診などがありますが、年齢を重ねるほど検診の受診率が低くなっています。これは、残念ながら国民全体で歯科に対する予防の意識が高くないことにより生じていることです。
検診に行っていないからといって、全員がお口の健康が保てているわけではありません。歯周病に罹患している人は、自覚症状がない人も含めると400万人にものぼるといわれています。歯周病はいつの間にか進行し重症化するまで気づかない人も多く、「サイレントキラー」とも呼ばれている疾患で、歯を失う原因の第一位でもあります。歯肉炎や軽度の歯周病の段階ではまだご自身で症状に気づかれていない方も多く、歯科検診で指摘されて初めて気がつく、ということも少なくありません。これこそが、歯科において定期検診が大切であるとされる理由です。
- 歯科検診の流れ
歯科検診ではまず、問診票にご記入いただいた内容から現在のお口の中のお悩み等をお伺いします。そして、レントゲン撮影、歯周病の検査を行い、歯ぐきの状態やむし歯がないかの確認などお口の中全体をチェックします。
治療を要するむし歯や歯周病がない場合は、歯科衛生士が歯磨きのチェックと歯のクリーニングを行います。セルフケアでは落とし切れないプラークや歯石、着色などの汚れを、超音波スケーラーなど専用の機械で除去していきます。細かい歯石は手作業で一つずつ丁寧に除去します。汚れの状況によって複数回に分けてクリーニングを行います。歯石を除去した後には、汚れがつきにくくなるように専用のペーストで歯の表面を研磨します。
- 定期検診を受けることのメリット
1.病気の早期発見・早期治療に繋がる
定期検診を受けていれば、自覚症状のない歯周病や、まだ痛みのないむし歯を発見することもできます。早い段階で病気が発見できれば、早く治療にとりかかれます。歯周病であれば、ご自身でのセルフケアで症状が改善できることもありますし、むし歯になりかけている歯であっても経過観察やプラスチックの詰め物で処置が完了できることもあります。早めに処置ができれば通院回数も少なく済みますし、治療費も抑えることができます。
2.歯が正しく磨けているかチェックしてもらえる
むし歯予防、歯周病予防において、毎日のセルフケアはとても大切です。毎日の習慣だからこそ、つい自己流の磨き方になってしまい、効果的に汚れが落とせていないこともあります。歯科衛生士が歯がきちんと磨けているかを確認し、必要に応じて磨き方や補助清掃用具の使用についてのアドバイスもいたします。
3.歯石除去後のすっきり感でモチベーションアップ
歯石などの汚れを除去し、研磨すると、お口の中もすっきりとし、歯もつるつるになります。日頃のセルフケアとは異なる仕上がりになるので、また検診を受けに来よう、歯石除去を受けようというモチベーションに繋がるはずです。
今回は、定期検診(歯周病管理、重症化の予防)の大切さについてお話させていただきました。
少しでも皆様のお役に立てたら幸いです。
おおた歯科こども歯科 院長 太田貴司
(自己紹介)https://ohta-dent.com/staff.html#intyo
2023年4月1日