滋賀県守山市古高町にある歯医者、おおた歯科こども歯科の院長 歯科医師の太田貴司です。
予防・痛くなる前の治療・歯周病の治療に力を入れています。
最近出版された「お口の取り扱い説明書 健康でいたければよく咬むのをやめなさい」という本を読みました。
とても共感できる部分が多かったので、重要だと思う点と私自身の考察も交えてお伝えします。
多くの方がご存じないこと
①日常的に、上下の歯は接していない方が正常
②強く咬むことのリスク
①食事以外は、上の歯と下の歯は接していないのが正常です。
逆に常日頃から上の歯と下の歯が接触していると②につながります
安静時には、上の歯と下の歯にはすき間があります。
これを安静空隙と言います(あんせいくうへき)。
②強く咬むと。。。
歯が欠けます/歯が割れます/歯がしみます/歯が痛くなります
歯周病が進行します
詰め物・被せ物が外れます/義歯が壊れます
顎が痛くなります/顎関節症になります
などデメリットしかありません。
【一生涯で咬む回数】
1食で600回前後咬むので、1生涯を80年、1歳から歯が生えたとすると、
600×3食×365日×79年=5000万回を越えます。
この5000万回はあくまで食事のときだけの回数です。
ここに歯ぎしり・食いしばりがあるとその何倍にもなります。
これは歯は悪くなりそうですね。
歯の条件もあります。
すでに歯周病がある/喫煙をしている/神経がとってある/詰め物がしてある歯がある
とさらに悪化します。
【お口を健康にする10箇条】
①口は食べ物の通り道、鼻は空気の通り道
口から空気が入ると口は乾燥してしまいます。そして鼻には空気が通らなくなるので、鼻はつまってしまいます。
口と鼻を使い分けましょう。
②闇鍋のススメ
「これは固いものだ」と視覚で判断すると、必要以上に固い力で咬んでしまう。
視覚を遮断することで、優しく咬んで硬さを測定しながら食事ができる。
③就寝中の歯ぎしりより、まずは日中の上下の歯の接触をしていないかどうかに意識を向けましょう
④歯周病が進行しているなど弱くなった歯では極力咬まない
⑤「よく咬む=強くしっかり、何度も咬む」ではない
「すぐに飲み込みなさい」でもありません。
「優しく ゆっくり咬む」が正解です。
⑥咬む力を調整すれば、歯に物は挟まらない
健康な歯でも、歯は少し動きます。強く咬めば歯も大きく動き挟まりやすくなります。
⑦食事中に舌も使う
⑧フロスを手離せないような強い咬み方をしない
⑨安静空壁の確保
⑩上記をまずは行動に移す
これらを日常に取り入れて、歯を守っていきましょう。
おおた歯科こども歯科 院長 太田貴司
(自己紹介)https://ohta-dent.com/staff.html#intyo
2022年5月11日