滋賀県守山市古高町にある歯医者、
歯周病治療に力を入れている、おおた歯科こども歯科の院長太田貴司です。
歯周病とは別に、「歯ぐきの腫れを起こしやすい副作用のある内服薬について」お伝えします。
歯周病の症状は、歯ぐきが腫れる・歯ぐきから出血する・歯ぐきが赤い・歯がグラグラするなどです。
この症状の一つである「歯ぐきが腫れる」について。
原因は、歯周病の細菌とそれによる免疫反応です。
歯周病の原因は歯石、ではありません。
ただ、細菌が原因でなくても腫れてしまうことがあります。
それは、歯周病の治療以外で飲まれているお薬です。
そのお薬の副作用で歯ぐきが腫れてしまうこともあります。
具体的には、
①カルシウム拮抗薬(高血圧の治療に使われる飲み薬)
アムロジピン、ニフェジピン、アダラート
②抗てんかん薬
フェニトイン、ヒダントール
③免疫抑制薬や臓器移植をされた方に使われる
シクロスポリン
です。
これらによる歯ぐきの腫れを薬物性歯肉肥大、薬物性歯肉増殖と呼びます。
歯肉の炎症による腫れとは少し違い、硬くモコモコと腫れ、それこそ増殖・肥大というイメージです。
そのような方の診察をしたことがあるのですが、純粋な歯周病による歯ぐきの腫れとは異質でした。
これはお薬の副作用が原因なのですが、そこに磨き残しが多かったり(プラークコントロールが悪い)、歯石がたまっていて細菌が住みつきやすい環境になると悪化します。
程度が強いと、歯を全て覆ってしまうくらい歯ぐきが腫れてしまいます。
歯ぐきを少し触るだけで出血してしまいますし、初期の歯周病治療では歯ぐきの改善が少ないというイメージです。
歯肉肥大・歯肉増殖になった場合、そのような副作用のないお薬に変更した方が良いです。
しかし、歯科医院側が勝手に中止を指示してはいけません。
内科の先生にお願いをしても「変更はできません」と言われることもあります。
それは、内科の先生はきちんとした理由があってそのお薬を選び、患者様に内服して頂いているからです。
なので、このような方こそ日常の歯磨きを徹底して行い、歯科医院でのスケーリング・SRPもこまめにしてもらった方がよろしいでしょう。
歯科衛生士さんにもブラッシングの仕方やコツを教えてもらい、プラークコントロールを高めていきましょう。
それが今できる一番効果があることですし、中には、お口の環境を清潔にしていれば、このようなお薬を飲んでいても歯ぐきが腫れることはないと言われることもあるからです。
ぜひ諦めずに続けていきましょう。
おおた歯科こども歯科 院長 太田貴司
(自己紹介)https://ohta-dent.com/staff.html#intyo
2020年1月22日