滋賀県守山市古高町にある歯医者、
予防・歯周病治療に力を入れている、おおた歯科こども歯科の院長太田貴司です。
「歯周病は、ご自身が出すもの〝にも〟原因がある?」についてお話しをします。
答えは、「Yesの部分もあります」です。
歯周病の原因は、細菌です。
レッドコンプレックスと言われる歯周病の細菌です。
① P.g菌( Prophyromonas gingivalis、ポルフィノモナス・ジンジバリス)
② T.d菌( Treponema denticola、トレポネーマ・デンティコーラ )
③ T.f菌( Tannerella forsythensis、タンネレラ・ファーサイシア )
です。
これらは、「悪玉3兄弟」とも言われ、はた迷惑な細菌です。
歯周病の原因菌は、毒素を出し我々の歯ぐきや骨を攻撃することで歯周病を進行させます。
そのため、歯周病の原因は、歯石。
ではないのです。細菌なのです。
歯石は言うなれば、ただの石です。
「石」自体が悪さをすることはありません。
この石に歯周病の細菌がくっつく土台となってしまうのです。
よって、歯石は結果取らなければいけないのですが、そのような仕組みなのです。
しかし、歯周病の原因は、外部以外からもあります。
それは、一人一人の身体から出されるサイトカインというものです。
サイトカイン??昔、習ったことがあるかもしれません。
それはご自身の身体に何か異常が起きたら、ご自身の細胞から産生される免疫力のあるタンパク質のことです。
ここで言う「異常」というのは、歯周病の細菌が侵入し歯ぐき・骨を悪くしてしまうことです。
このサイトカイン、細菌だけ攻撃してくれれば本当にありがたいのですが、欠点もあります。
ご自身の健康な部分にまで攻撃をしてしまうのです。
具体的には、歯周病の進行のように骨を溶かしたりしてしまうのです。
ありがた迷惑な部分もあるのですが、もしサイトカインがなかったら人は生きてはいけません。
必要なタンパク質なのです。
でも欠点もあるということです。
歯周病の原因は、
「レッドコンプレックスを始めとする細菌」と、「それに誘発されて出てくるサイトカイン」
が本来なのです。
そもそもが細菌がいなければ、サイトカインが出てくることもありません。
なので、歯周病の治療・改善・予防は、あくまでも歯周病の細菌です。
サイトカインをターゲットに治療することはありません。
歯周病の細菌をいかに減らすかが重要なので、日々我々は努力しています。
日々の歯磨きが基本で一番重要です。
それに加えて、歯科医院でのスケーリング・SRP、メインテナンスも重要です。
お一人お一人と歯科医院のタッグが細菌を抑え、サイトカインがつくられるのを抑えることにつながります。
どっちが重要?
ではなく、どちらも重要です。
おおた歯科こども歯科 院長 太田貴司
(自己紹介)https://ohta-dent.com/staff.html#intyo
2020年1月8日