滋賀県守山市古高町にある歯医者、
歯周病治療に力を入れている、おおた歯科こども歯科の院長太田貴司です。
今回は、歯周病のレッドコンプレックスについてお話しをします。
レッドコンプレックスとは、歯周病の原因菌の中で特に悪性のものです。
悪性といっても、悪性腫瘍とは無関係です。
とくに歯周病を悪化・進行させる細菌のことを言います。
具体的には、
① P.g菌( Prophyromonas gingivalis、ポルフィノモナス・ジンジバリス)
② T.d菌( Treponema denticola、トレポネーマ・デンティコーラ )
③ T.f菌( Tannerella forsythensis、タンネレラ・ファーサイシア )
です。
それぞれ多く存在すると、歯周病が進行しやすいです。
口臭の原因だったり、全身の病気に関連する細菌もいます。
この細菌の賢いところは、それぞれの細菌が仲が良いことです。
細菌の種類が多ければ多いほど、タッグを組みます。
タッグを組むとより難治性になります(治りにくくなります)。
歯周病の治療は、このレッドコンプレックスをいかに減らすことができるかにかかっています。
でも、どの細菌がどれくらいいるの?
という話になります。
それはおおた歯科こども歯科でも実施している「リアルタイムPCR検査」です。
PCR検査と言えば、新型コロナウイルスで一役市民権を得た検査のことです。
当院は、PCR検査を開業した2015年から行っております。
(検査できるのは、あくまでも歯周病のPCR検査のみです。)
歯周病の治療と言えば、
歯ブラシと歯石の除去です。
それは変わりないのですが、より科学的に治療をすれば、改善も早く後戻りも少ないです。
そこには、リアルタイムPCR検査でレッドコンプレックスを調べ特定します。
この検査をすれば、どの悪玉菌がどれくらいいるのか調べることができるのです。
「歯磨きを頑張りましょう」「数か月置きに、歯石のお掃除にきてください」といった精神論から離れることができます。
ちなみに、レッドコンプレックスがあるということは、他にもあります。
オレンジコンプレックス、ブルーコンプレックス、グリーンコンプレックス、イエローコンプレックスがあります。
それらになると数が膨大であり、覚える必要もなく調べる必要もなく、治療のターゲットにする必要もそうありません。
A.a菌( Aggregatibacter actinomycetemcomitans、アグリゲイトバクター・アクチノミセテムコミタンス ) 、 F.n菌(Fusobacterium nucleatum、フソバクテリウム・ヌクレアタム) も悪性度があるため調べた方が良いでしょう。
歯周病の治療に関しては、レッドコンプレックス+A.a菌、F.n菌がターゲットになります。
おおた歯科こども歯科 院長 太田貴司
(自己紹介)https://ohta-dent.com/staff.html#intyo
2019年9月25日