滋賀県守山市の歯医者、おおた歯科こども歯科の院長太田貴司です。
先日、大阪まで研修に行ってきました。
新しい予防歯科のための研修です。
米国式の予防のため、まだ多くの歯科医院で導入されているわけではなく、私も知らないことばかりでした。
今までの日本の予防歯科は、きつい言い方をすると、「あってないもの」でした。
お口の中を歯科医師がチェックして、歯科衛生士がクリーニングをする。
中には、歯科医師のチェックすらないという歯科医院があると聞きます。
歯科衛生士が独断でチェックし、そのままクリーニングをして、終わり。
歯科衛生士は、歯ぐきが専門のため、歯科医師のようにむし歯を見つけることができません。
定期チェックは、ぜひ歯科医師にもしてもらいましょう。
話はそれましたが、今回の新しい予防歯科の内容は、とてもシステマティックでした。
むし歯になりにくさ・なりやすさを20の項目から分け、それによって、どんな検査をするのか・どんな歯磨き剤を使うのか・定期健診の間隔は?キシリトールの取り方は?を細分化するというものです。
項目は、
・すでに現在むし歯があるのか?
・3年以内に、むし歯の治療を受けたのか?
・間食が多いのか?
・唾液が少ないのか?
・矯正の道具が入っているのか?
・1日の何回、フッ素入りの歯磨き剤を使っているのか?
・キシリトールガムを取り入れているのか?
などです。
これらを点数化して、むし歯になりやすさ・なりにくさを4つのグループに分けます。
「ロー」「ミドル」「ハイ」「エクストリーム」です。
右にいけばいくほど、むし歯のリスクが高く、将来むし歯になりやすいという結果です。
「ハイ」「エクストリーム」は、むし歯になりやすいので、「あなたはこういう歯磨き剤を使って、1日〇回磨きましょう」「レントゲンは、この間隔で撮影しましょう」「キシリトールを積極的に取り入れましょう」「定期健診は〇ヶ月後にしましょう」と今までより、具体的にお伝えすることができます。
逆に「ロー」の方は、3か月ごとの健診は不要になります。もっと延ばすこともできます。
今までは、歯科医院側も患者様側も、お互い曖昧でした。
「この方は、むし歯になりやすそうだから、定期健診はこの間隔にしよう」「歯医者に言われたから、また来よう」といった主観交じりのご来院をお願いしていました。
しかし、このシステムを取り入れることができれば、より具体的に分かりやすく、納得できる説明ができそうです。
かなりシステマティックのため、しっかり院内で勉強してから、おおた歯科こども歯科でも取り入れていきます。
2019年1月23日