象牙?
歯の表層はエナメル質です。
そのエナメル質の下にある組織が象牙質です。
ゾウの牙が名前の由来です。
エナメル質よりは硬くはありませんが、骨よりは硬いです。
エナメル質より柔らかいため、むし歯がエナメル質を越えてしまうと、むし歯の進行がより早くなってしまいます。
この“柔らかい”ということはデメリットだけでなく、メリットもあります。
硬すぎるエナメル質のクッション材になるのです。
象牙質の大きな特徴は、“形が変わる”ことです。
エナメル質自体は変わりません。しかし、象牙質は変わります。
どういうことでしょうか?
実は内部で変わるのです。外側ではありません。
むし歯や、歯が削れてしみる(知覚過敏)になると、歯に穴が開いたり、薄くなります。
そこで、象牙質が成長し、穴が開いたり薄くなった部分を厚くしてくれます。
象牙質が分厚くなると、むし歯と歯の神経(歯髄)までの距離が離れます。
歯髄は、歯に栄養を送るのでとても大切な組織です。
象牙質は成長し、歯や歯髄を守ってくれるのです。
しかし、油断は禁物です。
象牙質は無限にあるわけではありません。
穴が開いても、痛くないからと言って放置は良くありません。
むし歯の進行が早い場合もありますし、いずれ痛くなってしまいます。
ぜひとも、むし歯は早期に治療しましょう。
2017年2月1日