滋賀県守山市古高町にある歯医者、おおた歯科こども歯科の院長 歯科医師の太田貴司です。
予防・痛くなる前の治療・歯周病の治療に力を入れています。
糖尿病の方の歯科治療における内服剤についてお話をします。
歯科医院で用いられるお薬は2種類です。
鎮痛剤と抗生物質です。
糖尿病の方 の抜歯をすると、重い感染症を引き起こす恐れがあり 要注意です。
特に 神経障害である 糖尿病の方と、重度の腎臓疾患を持つ 糖尿病の方は、炎症 が重くなりやすいと言われています。
糖尿病は不思議なことに、血糖値が400mg/dL を超えるような高血糖の状態でも 、 ほとんど 自覚症状がないことがあります。
反対に、 血糖のコントロールが されている方。 血糖値が正常の範囲内で、HbA1cが5~6%台であっても、歯科の疾患で急激に 血糖のコントロールが悪くなることがあります。
ですから、十分な血糖のコントロールと食事の摂取をしてから歯科治療を受けていただくのが望ましいです。
朝食や 昼食を摂られていない状態、 体調が悪い状態での歯科治療を受けていただくのは避けた方がいいかもしれません。
本題に入ります。
歯科医院で用いられる 鎮痛剤と抗生剤は、血糖値のコントロールが安定している場合には、 通常の内服で問題ありません。
インスリン 非依存型糖尿病の方 痛み止め
スルホニル尿素 薬などの 血糖降下剤(ダオニール、 オイグルコン)と、酸性NSAIDs( ロキソニン 、ボルタレン)の組み合わせが 血糖降下剤の作用を増強させるという 報告があります。
つまり、 血糖値が下がりすぎてしまうということです。
インスリン 非依存型糖尿病の方 抗生物質
テトラサイクリン系抗生物質( ミノマイシン)や ニューキノロン系抗生物質( クラビット など)との組み合わせで、血糖値の上昇や 下降など不安定になる場合もあります。
つまり、 血糖値が上がりすぎたり 下がりすぎたりしてしまうということです。
おおた歯科こども歯科の 痛み止めと 抗生物質
当院の痛み止めは、カロナールを基本的にお出ししています。アニリン系(アセトアミノフェン)の痛み止めで、比較的安全性の高い作用のゆるやかな痛み止めです。
状態に併せて、200mgから1000mgを使い分けてます。
糖尿病の方は、歯周病にかかりやすく、治りが悪く長期化しやすいです。
ただ一般的は、カロナールで傷みのコントロールはできます。
このカロナールは、糖尿病の方に限りません。成人の方・高齢者の方・妊婦さんなど全ての方にお出ししております。
痛みが激しい時に飲み、 ロキソニンを出ししています。
当院の抗生物質は、 セフェム系のセフカペンピボキシル塩酸塩100mgという、こちらも副作用の少ない安全性の高い抗生物質をお出ししています。
今回は、糖尿病をお持ちの方の内服についてお話をさせて頂きました。
できるだけ安全なお薬をお出ししております。
おおた歯科こども歯科 院長 太田貴司
(自己紹介)https://ohta-dent.com/staff.html#intyo
(参考)有病者における安心・安全な薬物療法 ―糖尿病患者―
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsotp/39/3/39_21.19/_pdf/-char/ja
おおた歯科こども歯科には、日本糖尿病協会の登録歯科医師が在籍しております。 https://www.nittokyo.or.jp/db/facility_detail.php?target_id=10914
2024年7月17日