滋賀県守山市古高町にある歯医者、おおた歯科こども歯科の院長 歯科医師の太田貴司です。
予防・痛くなる前の治療や、矯正治療に力を入れています。
「銀歯の下のむし歯が心配です。銀歯の下にむし歯はありませんか?」
レントゲンを撮影した後、患者さんから言われます。
その時、私はこうお伝えします。
「明らかに大きなむし歯であれば分かります。しかしレントゲンを撮っても、銀歯の下のむし歯は100%は分かりません。銀歯を外して初めて分かるむし歯もあります。不意にポロっと銀歯が外れて、その時初めて分かるむし歯もあります。」
銀歯には、インレーとクラウンがあります。
インレーは、部分的に「詰める」もの。
クラウンは、上から完全に「被せる」もの。
です。
インレーでもクラウンでも、銀歯であれば、むし歯になりやすいですし、見付けにくさは変わりません。
逃げているわけではないのですが、銀歯の下のむし歯は本当に分かりません。
「見逃してしまった」「見逃された」ではありません。
見えないのです。
当院では、1年ごとにレントゲンを撮影しています。
数年後のレントゲンで、「ここの銀歯の下にむし歯がありました」と分かることがあります。
1年ごとのレントゲンを比較して、やっと分かるのです。
正確に言い直すと、
「明らかに大きなむし歯は分かります。
レントゲンを撮っても、銀歯の下のむし歯は1枚のレントゲンでは分かりません。
1年ごとにレントゲンを撮らせて頂いて、比較すると見つかることもあります。
それは2,3年で分かることもありますし、5年以上かけて見つかることもあります。」
でしょうか。
私は、普段できるだけ銀歯を入れないようにしています。
まずはコンポジットレジンが第一選択です。
コンポジットレジンとは、削った部分に白い樹脂を積めて1回で完了する治療方法です。
メリットは、
①削る量が少ない
②白い
③1回で完了できる
④リカバリー、修正がしやすい
です。
しかし、現実的にコンポジットレジンでは対応できないむし歯も多いです。
インレーも多く入れています。
コンポジットレジンで治療したいけど、インレー(銀歯)でしか対応できない場合
①むし歯が大きく、コンポジットレジンではすぐに欠けてしまうと予想される。
②奥歯の歯と歯の間のむし歯。
奥歯の歯と歯の間のむし歯は、コンポジットレジンではむし歯の再発がしやすいです。
むし歯の大きさに関係なく、インレーになることがあります。
むし歯の治療をする時、
「何とかコンポジットレジンで治療したい」と考えながら方針を立てます。
むし歯にしないことがベストですので、砂糖の制限、歯ブラシ・フロス・歯間ブラシで予防をしましょう。
むし歯になってしまったら、長期経過観察or早期治療で歯を守りましょう。
その時は、できるだけ銀歯を避けましょう。
2018年5月16日