滋賀県守山市古高町にある歯医者、おおた歯科こども歯科の院長 歯科医師の太田貴司です。 予防・痛くなる前の治療・歯周病の治療に力を入れています。 糖尿病と妊娠と歯周病の関連についてお話をします。 「妊娠糖尿病」という糖代謝異常があります。 これは、ホルモンのバランスが崩れることで起きえます。 妊娠糖尿病を発症すると、高血圧・羊水の異常・網膜症・腎症になりやすいです。 出産後、血糖値が元に戻ったとしても、 中高年になって糖尿病を発症しやすくなるリスクがあります。 お腹の中にいる赤ちゃんにも悪影響があります。流産・巨大児・巨大児に伴う分娩 障害・低血糖のリスク・心臓の肥大などがあります。 さらに成長してからも、 肥満や 糖尿病のリスクが高くなることが知られています。 【糖尿病がある方が妊娠されたら】 ①血統のコントロールが重要です 空腹時の血糖が、95mg/dL未満 食後2時間の血糖が、120mg/dL未満 が目標です。 ②食事療法 妊娠前の食事に、エネルギー、たんぱく質、ビタミン、ミネラルを追加で摂ることが重要です(付加量)。 エネルギー 妊娠初期:エネルギー付加量が+50キロカロリー 妊娠中期:エネルギー付加量が+250キロカロリー 妊娠後期:エネルギー付加量が+450キロカロリー   …続きを読む
2024年6月26日
滋賀県守山市古高町にある歯医者、おおた歯科こども歯科の院長 歯科医師の太田貴司です。 予防・痛くなる前の治療・歯周病の治療に力を入れています。 本日は「 手話」についてお伝えします。 この度、私太田貴司が 手話をできるように特訓しました。 日常の会話にはほど遠いですし、 ちょっとの挨拶ができる程度です。 また歯科の説明もほんの触りしかできないくらいの程度です。 それでも、 聴覚障害の方のコミュニケーションのお力になれればと思い、練習をしました。 覚えた 手話を列挙すると ・「おはようございます」「こんにちは」「こんばんは」 ・「今日は、(右上・右下・左上・左下)のむし歯の治療をします」 ・「麻酔をします」 ・「もし痛かったら教えてください」 ・「麻酔が切れたあと、痛くなるかもしれません」 ・今日は形を整えて、型を取ります。 ・これから型を取ります。型のお薬が4分ほどお口の中に入ります。 かるく咬んでください 外します、力がかかります。 ・かみ合わせの下の型も取ります。 ・仮のふたをします。 ガムのようはくっつくものは外れやすいです。気をつけてください ・次回完成です。 ・かみ合わせに違和感はありませんか? ・今から付けていきます。咬んだままお待ちください。5分間です。 ・「次回は、(右上・右下・左上・左下)のむ …続きを読む
2024年6月20日
滋賀県守山市古高町にある歯医者、おおた歯科こども歯科の院長 歯科医師の太田貴司です。 予防・痛くなる前の治療・歯周病の治療に力を入れています。 糖尿病を持つ方への歯周病治療に限定してお伝えいたします。 【大前提】 糖尿病になってしまった方に対して、「歯周病治療は、HbA1cの改善に効果がある」 という事実があることです。 さらに、信ぴょう性も「高い」と発表されており、現在はそれを基に治療をしております。 2型糖尿病になってしまった方に歯周病の治療をすると、インスリン抵抗性が低下し、歯周病の状態とインスリン感受性が改善した、という結果が出ています。 【糖尿病を持つ患者さんに対する歯周病治療で、抗生剤(抗菌剤)の効果は有効であるかどうか?】 一時は効果があるかもしれません。 あくまでも 飲み薬 なので、 その時だけの効果だと考えています。 やはり一番重要なのは、 日常の歯磨き・ 歯科医院での スケーリング、 ルートプレーニングといった歯周病の基本的な治療です。 【糖尿病を持つ患者さんに対する歯周病の治療で、事前に抗生剤( 抗菌剤)を飲んでもらうことは必須であるか?】 血糖のコントロールが特に良くない方には、事前の抗生剤( 抗菌剤)を飲んでもらうことが 推奨されます。 糖尿病があると、感染しやすかったり、治療後の …続きを読む
2024年6月19日
滋賀県守山市古高町にある歯医者、おおた歯科こども歯科の院長 歯科医師の太田貴司です。 予防・痛くなる前の治療・歯周病の治療に力を入れています。 糖尿病をもつ患者さんへの歯科治療についてお話をします。 治療の時間・内容によって、安全で全く問題ないケースと避けた方が良いケースがあります。 【シックデイについて】 糖尿病患者さんが、 発熱・ 下痢・ 腹痛・ 嘔吐、食欲不振で 食事を摂ることができないできない日のことを「シックデイ( 体調が悪い日)」と呼びます。 糖尿病の方は、ウイルスなどに対する抵抗力が落ちているので、様々な感染症にかかりやすいと言われています。 シックデイの日は、基本的に歯の治療は行わない方が無難かと考えます。 この日に治療をすると、 血糖のコントロールが 日頃から 良好な方でも、治療によって高血糖になったり、 重篤な低血糖になる可能性があるからです。 さらに、1型糖尿病なのでインスリンの使用が必須の方では、 さらに高血糖になりやすいので 注意が必要です。 食事を摂ることができないので、低血糖にもなる可能性もあります。 シックデイの状態によっては、 食事療法のみや、内服患者さんでも インスリンの注射が必要となることがあります。 専門的なコントロールは主治医の先生に委ねることになりますが、内科さんの 受診 …続きを読む
2024年6月12日
滋賀県守山市古高町にある歯医者、おおた歯科こども歯科の院長 歯科医師の太田貴司です。 予防・痛くなる前の治療・歯周病の治療に力を入れています。 糖尿病と歯周病と関連を今回から具体的にお伝えします。 すでに糖尿病にかかっている方は、 歯周病が悪化しやすいです。 理由は ・高血糖で免疫力が低下するため、 歯周病の細菌に対する抵抗力が落ちるため ・高血糖で脱水状態になります。 そのため お口の中が乾燥し、 唾液が低下することで歯周病の細菌に対する抵抗力が落ちるため です HbA1cが6.5%以上の2型糖尿病の方は、健常者より歯周病のリスクが1.17倍高まると言われています。 ここ10年・20年で、2型糖尿病の方に歯周病の治療をすると、血糖の改善があることが分かってきました。 このことを述べているのは、歯科医師側ではありません。日本糖尿病学会側の意見です。 歯周病を治療することが、糖尿病の改善につながる。 そのことを医師の方々が言われているのです。歯科医師側としてはとてもありがたいことです。 もっともっと前は、信じてもらえませんでした。 「歯医者は、歯を削っていれば良いんだ」的な発想はあったと思います。 しかし、多くの研究から歯周病の治療が全身の健康に関わることが公にされてきたのです。 具 …続きを読む
2024年6月5日
滋賀県守山市古高町にある歯医者、おおた歯科こども歯科の院長 歯科医師の太田貴司です。 予防・痛くなる前の治療・歯周病の治療に力を入れています。 糖尿病のお話の続きをします。 3大合併症と3大併存症についてです。 糖尿病の「3大合併症」として ・糖尿病網膜症 ・糖尿病性腎症 ・糖尿病神経障害 があります。 それぞれの病気は、生活の質を大きく落とします。 かかりたくない病気なので、 それぞれ 予防や生活習慣の改善をしていきましょう。 さらに悪い ニュースとして、 糖尿病には 他にも 合併症・併存症があります。 それは ・脳の病気である脳梗塞 ・心臓の病気である狭心症、心筋梗塞 ・歯周組織の病気である歯周病 です。 (ここでやっと糖尿病と歯周病が出てきます) 脳梗塞、狭心症・心筋梗塞、歯周病も「3大合併症」と同じです。 高血糖の状態が続くことで、血管が破壊されます。 その結果、動脈硬化が起こります。 動脈硬化が進行すると、血管が細くなり詰まります。 血管が細くなり詰まってしまうと、全身に流れる血流が滞ってしまいます。 心臓では心臓病、脳では脳梗塞、歯周組織では歯周病を引き起こします。 全てが血管にまつわる病気です。 動脈硬化の原因としては 高血糖 以外にも、高 …続きを読む
2024年5月29日
滋賀県守山市古高町にある歯医者、おおた歯科こども歯科の院長 歯科医師の太田貴司です。 予防・痛くなる前の治療・歯周病の治療に力を入れています。 糖尿病のお話の続きをします。 【糖尿病の診断は?】 検査で ・空腹時の血糖 126mg/dl以上 ・食事後の血糖 200mg/dl以上 ・HbA1c 6.5%以上 と分かったときです。 ちなみに、私太田貴司の血糖の値を公表しますと 2021.12/1 空腹時の血糖 95mg/dl、HbA1c 5.6% 2023.1/25 空腹時の血糖 69mg/dl、HbA1c 5.8% 2024.1/17 空腹時の血糖 90mg/dl、HbA1c 5.7% でした。 (私太田貴司は、年に1回健康診断を受けています。) ※健康診断はぜひ受けましょう。 むし歯・歯周病と同じで、糖尿病を始めそれ以外の病気は、初期は全く痛くなかったり、 無症状です。 ある程度進行して、初めて「 あれ? なんかおかしいな」と思い始め、 いよいよ気になり病院や歯科医院に行った時は、相当に進行していたりすることもあります。 それぞれの臓器が手遅れになっている場合もあります。 歯科で 言うと、神経を取らないといけなかったり、 抜歯になるケースです。 【糖尿病の怖いところは?】 日常の生活 …続きを読む
2024年5月22日
滋賀県守山市古高町にある歯医者、おおた歯科こども歯科の院長 歯科医師の太田貴司です。 予防・痛くなる前の治療・歯周病の治療に力を入れています。 糖尿病?歯科医師が? 恐縮ですが、今回から 数回にわたって歯周病と糖尿病の関係についてお話をします。 歯周病と 糖尿病。 全く関係がないように思われるかもしれません。 しかし 密接に関わっています。 まず今回は、 糖尿病についてお話をします。 専門家ではありませんし、 まだまだ勉強不足のところもあり 恐縮です。 現時点で自分がお伝えできる「糖尿病」をお伝えします。 【糖尿病とは?】 血液に流れている血糖(ブドウ糖)が増える病気のことです。 【なぜ血液中の血糖(ブドウ糖)が増えてしまうのか?】 血糖(ブドウ糖)を増えすぎないように働くホルモンである「インスリン」 。 このインスリンがうまく働かなかったり、足りないために起きてしまいます。 【なぜインスリンがうまく働かなかったり、足りなくなるのか?】 インスリンを作るすい臓の調子が悪くなってしまったからです。 【なぜすい臓の調子が悪くなるのか?=糖尿病の原因は?】 ・遺伝的にすい臓が弱い ・食べ過ぎ ・運動不足 ・肥満 ・ストレス これらが複雑に絡み合い、糖尿病が発症します 【糖尿 …続きを読む
2024年5月15日
滋賀県守山市古高町にある歯医者、おおた歯科こども歯科の院長 歯科医師の太田貴司です。 予防・痛くなる前の治療・歯周病の治療に力を入れています。 2022年2/1のブログにさかのぼります。 今回は再度、柳井正さんの「経営者になるためのノート」を読みました。 出典:経営者になるためのノート ([テキスト]) | 柳井 正 |本 | 通販 | Amazon 序章で「何のために会社をやっているのか、 それをよく考える」、社会における自分たちの存在意義、 つまり 使命を考えること、 という項目があります。 この本は少なくとも1年に1回読んでおりまして、 再度読む時期になってきました。 前回から2年後、 今の思いを綴っていきます。 「 何のためにおおた歯科こども歯科を開いているのか?」をシンプルに申すと、「一生自分の歯で、食事を取る人を増やすお手伝いをするため」です。 歯科関係者以外の人は、「自分の歯があって当たり前」と思っています。 そもそもそれすら思われていないのかもしれません。 ですが、 毎日毎日歯を大切にしていかないと、 それが崩れる日がやってきます。 むし歯や歯周病で歯を失うと、連鎖的に失ってしまいがちです。 歯を1本 失って、 その後 数本失うと、 ご自身の歯でお食事が取りにくくなってしまいます。 その時に気が付きます、「 若い頃か …続きを読む
2024年5月1日
滋賀県守山市古高町にある歯医者、おおた歯科こども歯科の院長 歯科医師の太田貴司です。 予防・痛くなる前の治療・歯周病の治療に力を入れています。 今回は「銀歯を入れた歯のむし歯の再発」についてお話します。 銀歯を入れると、どうしてもむし歯が再発しやすくなってしまいます。 むし歯の再発のことを「二次カリエス」と言います。 二次的に発生したむし歯(カリエス)という意味です。 時には、三次カリエス・四次カリエスもあります。 〇なぜ金属の補綴物は二次カリエスになりやすいのか 銀歯は、素材の性質が原因で、歯と補綴物との間にわずかなすきまが生じてしまいます。 さらに経年変化によって、接着剤が剥がれ、銀歯自体も変形してしまいます。 こうしてわずかだったすきまが大きくなり、そこから細菌が入り込んでしまうのです。 金属の下で気付かぬうちにむし歯は進行し、痛みを感じたり、銀歯が取れてしまったりして、進行してしまってから気がつくのがほとんどです。 そのため、当院では5~7年以上経っている銀歯は外して中を確認した方が良いと考えています。 〇銀歯以外の選択肢とは 古い銀歯を外した後は新しい詰め物や被せものをすることになります。 別の選択肢としては、 ・同じ金属でも柔らかく …続きを読む
2024年4月1日