滋賀県守山市古高町にある歯医者、おおた歯科こども歯科の院長 歯科医師の太田貴司です。
おおた歯科こども歯科では、予防歯科、痛くなる前の治療、歯周病の治療に力を入れています。
今回は、歯科医院で塗布するフッ素の安全性について解説します。
個人的な感覚では、50~100人にお1人、「フッ素は嫌」「フッ素が怖い」「フッ素が安全か分からない」と言われ、塗布を希望されません。
安全なものであるのでそれについてお伝えします。
目次
- フッ素とは?自然界との関係
- 歯科で使われるフッ化ナトリウムとは?
- フッ素の安全性と役割
- 患者さまが安心してフッ素を利用するために
- フッ素を活用した予防歯科のすすめ
1. フッ素とは?自然界との関係
フッ素は、自然界に広く存在する元素のひとつです。
学校で習った「F」ですね。
私たちの身の回りには、常にフッ素が含まれています。
例えば、土壌、水、植物、そして海水にも微量ながら含まれているのです。このことからも、フッ素は自然に存在し、私たちの生活と切り離せない存在といえます。
歯科で使用されるフッ素も、自然界のフッ素を基に作られたものです。
日常的に摂取している水や食品にも含まれているため、特別なものではありません。
それでも「フッ素は大丈夫?」と不安を抱く方がいらっしゃるかもしれません。
そこで、次の章では「フッ化ナトリウム」について詳しく解説します。
2. 歯科で使われるフッ化ナトリウムとは?
歯科治療で使われるフッ素は、単独の「フッ素」ではなく「フッ化ナトリウム」という化合物の形で利用されます。
「NaF」です。
フッ化ナトリウムとは、フッ素とナトリウムが結びついたもので、水溶性が高く、歯の表面に適切に作用します。
この形にすることで、歯に塗布しても効果的で、安全性が確保されています。
実際に使用される量は非常に少量であり、適切な濃度で使われるため、副作用のリスクは極めて低いです。
さらに、フッ化ナトリウムは歯のエナメル質を強化し、むし歯を予防するのに大きな効果を発揮します。
歯科医院で「フッ素」と呼ばれているのは、実は「フッ化ナトリウム」なのです。
おそらくそちらの方が言いやすいからだと思われます。
僕が歯科医師になった2004年から「フッ素を塗ります」という言い方をされていました。
3. フッ素の安全性と役割
フッ素はむし歯予防のために、日常的に塗っています。
その理由は、エナメル質を強化し、むし歯の原因菌が出す酸から歯を守る役割があるからです。
さらに、フッ素には「再石灰化」を促進する作用もあります。
これは、むし歯になりかけた歯を自然に修復する過程を助けることです。こうした役割があるからこそ、フッ素は歯科医療に欠かせない存在となっています。
安全性についても多くの研究が行われており、適切な量を使用する限り問題がないことが確認されています。お子さまの場合も同様で、フッ素塗布は安全かつ有効な予防手段とされています。
4. 患者さまが安心してフッ素を利用するために
患者さまに安心していただくために、おおた歯科こども歯科では、以下の取り組みを行っています。
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フッ素塗布時の丁寧な説明
使用するフッ素の種類や濃度について、事前にご説明します。不安や疑問があれば、遠慮なくお尋ねください。 -
適切な濃度での使用
年齢や状態に応じた濃度のフッ素を使用します。特に小さなお子さまには、成長段階に応じたケアを心がけています。 -
家庭でのフッ素ケアの提案
フッ素配合の歯磨き粉やフッ素の洗口液の使い方もアドバイスしています。これにより、日常的なむし歯予防が可能になります。
5. フッ素を活用した予防歯科のすすめ
むし歯は一度進行してしまうと、初期以外では治療が必要になります。
予防を第一に考えることが、患者さまの歯の健康を長く保つ秘訣です。
そのために、定期的な歯科検診とフッ素を活用したケアが重要です。
歯科医院でのフッ素塗布は、家庭では届かない部分までしっかりとケアができるのがメリットです。また、定期検診を受けることで、むし歯や歯周病の早期発見も可能になります。
「フッ素を使ってみたいけど不安がある」「どのくらいの頻度で塗布すればいいの?」といったお悩みがある場合は、ぜひお問い合わせください。
おおた歯科こども歯科 院長 太田貴司 (自己紹介)https://ohta-dent.com/staff.html#intyo
2025年3月24日