滋賀県守山市の歯医者、おおた歯科こども歯科の院長太田貴司です。
先日、大阪まで歯周病の勉強会に行ってきました。
当院の治療の柱、歯周内科治療の勉強会です。
青森県で歯科医院を開業されている、津島克正先生が主催の「歯周内科アドバンスセミナー」です。
2月のベーシックセミナーのより応用編です。
今回も、衛生士2人と参加してきました。
休日に私と勉強会に参加してくれるスタッフには、本当に感謝しかありません。
以前は、「歯周病は治らない病気」と言われていました。20年30年前は、歯周病になるとすぐに抜歯になっていた時代があったそうです。
どんどん歯周病が解明され治療が普及。現在の定期的な歯周病治療に落ち着いています。
しかし、それは抜歯をただ単に先延ばしにしているだけで、結局は抜歯になってしまうのでは?というのが歯周病です。
重度の歯周病になると、本当に治療が難しいのです。全国の歯科医院がこれだけ歯周病治療に取り組んでいるのに、完治に至らない歯周病もたくさんあります。
その歯周病を劇的に改善する「可能性」があるのが、この歯周内科治療です。(歯周内科治療でも全ての歯を救えるわけではありません)
従来の「歯ぐきを切る」「歯ぐきを糸で縫う」といった手術から対局のお薬の力を借りて、より内科的に治療するものです。
歯周病の原因菌を「減らす」のではなく、菌の質自体を「変える」ため、歯周病が改善しやすく再発も少ないのが特長です。
改善が少ないと書いたのは、再発が0ではないからです。例えば、喫煙。歯周病の極悪菌と言われるPG菌というのがいるのですが、喫煙はこのPG菌より悪いです。
位相差顕微鏡、リアルタイムPCR検査で歯周病の原因菌を特定します。
それからお薬を選択して、オーダーメイドの治療をする。
画一的に「ただ単にお掃除をする」治療ではありません。
この歯周内科治療、原則として治療は一回だけです。治療後は、いつも通りの継続的な歯周病治療になります。
歯周病は、歯原性菌血症とも呼ばれる怖い病気です。歯周病の原因菌が血管に入ると、全身に回ります。
その結果、脳血管障害、心臓病、低体重児出産、糖尿病、骨粗しょう症、肺炎といった病気につながります。
ひと昔前までは、誰が歯周病と心臓病が関係していると想像できたでしょう?
しかし、現在はネットでもすぐ検索できるようになってきている時代です。
ただ単に「歯周病を改善する」だけでなく、「全身のため」歯原性菌血症の予防をしていきましょう。
2019年5月8日