滋賀県守山市の歯医者、おおた歯科こども歯科の院長、太田貴司です。
根尖(こんせん;歯の根の先)に膿が溜まることがあります。
根尖病変(こんせんびょうへん)と言います。
多くは、神経を取った歯に起きます。
神経を取ると、詰め物の間、被せ物の間に隙間ができます。
その隙間の間にばい菌が侵入してしまうのです。
ばい菌の入り口は歯の頭からです。
どんどん奥に入り、根に到達します。
さらに、根の先を飛び出すと根尖病変です。
以前は、根尖病巣(こんせんびょうそう)と言われていました。
しかし、病巣はあくまでも歯の中です。
病巣の結果、根尖に病変ができてしまったというのが由来です。
ここで言う病変というのは、膿のことですね。
さて、この根尖病変の見つけ方です。
残念ながら、100%見つけることはできません。
根の先なので、目視では見つけられません。
レントゲンで発見できるのですが、レントゲンに写らないこともあります。
相手はばい菌だからです。
ばい菌は目に見えません。
根尖病変は、ばい菌が入った“結果”です。
ばい菌が入った時期→根尖病変としてレントゲンに写る時期
この間は、レントゲンに写りません。
そのため、定期的にレントゲンを撮っていても分からないことがあります。
根尖病変が症状として出てくる時
①神経がない歯なのに、痛い
ここはとても誤解されやすいです。
多くの方が「神経がない歯なのに、痛い」と仰います。
「神経がない歯だから、痛くなることはないと思ってた」とも言われます。
たしかに理屈から言うと、そうなのです。
「痛い」と感じる神経がないから、痛くなるはずがないですよね。
それは、ばい菌が入っていない場合のみです。
ばい菌が一旦入ると、一気に根尖まで進みます。
②歯ぐきが腫れる
歯周病の腫れとは、一線を画します。
歯周病の腫れは、歯と歯ぐきの“きわ”が腫れます。
対して、根尖病変による腫れは、歯ぐきのきわから離れた場所が腫れます。
初期だと、水ぶくれみたいに“プクッと”腫れます。
水ぶくれみたいに腫れると、多くは痛くありません。
だからといって、放置は良くありません。
中でどんどん進行し、抜歯に至ることもあります。
【根尖病変に対しての治療】
それまで入っている詰め物・被せ物を全て外す必要があります。
かなり手間ですが、治療のためです。
患者様も、来院回数が増えますが、お互い頑張りましょう。
【根尖病変をつくらないようにするためは】
神経がない歯は、一定の確率で起きてしまいます。
歯磨きで防げるものではありません。
「神経を取らないこと」「むし歯は、神経に達する前に治療すること」
これに尽きます。
2018年12月19日