滋賀県守山市の歯医者、おおた歯科こども歯科院長太田貴司です。
「中心結節(ちゅうしんけっせつ)」は、歯の頭部分(歯ぐきから出ている部分)に存在する「結節(けっせつ)」の一種です。
「結節」は、歯にできている“とげ”のような物です。歯質に角のような出っ張りができている状態になります。
結節の中でも、前から数えて4番目と5番目の歯の噛む面の中央あたりにできている結節を「中心結節」と言います。
「中心結節」は、存在しない方が多く、有る人は100人に1人程度だと言われています。しかし日々治療をしていると、もっと多くの割合で「中心結節」がある患者さんを見付けています。ですから、実際にはもっと多いのではないかと考えています。
【中心結節の特徴】
- 乳歯では無く永久歯にできる
- 前から数えて4番目・5番目の歯(第一小臼歯・第二小臼歯)にできる
- 上下両方の歯に見られる事があるが、下の歯の方が多い
- 原因はわかっていない
- “とげ”の内部には神経が通っている
“歯の形が出っ張っている”という見た目の問題だけでしたら、削って形を整えてしまえば良いのかもしれませんが、中心結節の問題は“内部には神経が通っている”という点です。
“とげ”ができている部分は、“とげ”の形に沿って、歯の神経も張り出しています。ですから、万が一“とげ”が衝撃などにより折れてしまうと、中の神経が露出してしまう事になります。
神経が露出すると、歯がしみたり、痛みが出てきます。
露出の状態によっては、ズキズキと強い痛みになる事もあります。10歳代の比較的若い時期に折れてしまう事が多いです。
「虫歯は無さそうなのに4番目・5番目の歯が痛い」という場合、「中心結節があり、折れてしまった」という事も考えられます。
虫歯が無さそうだからと、放置せずに、早めに受診をするようにしましょう。中心結節が折れて神経が露出してしまった場合、早めに治療をする事で、歯の神経を抜かずに済む事ありますし、歯の内部の感染の広がりを抑える事ができます。
【中心結節の破折を予防するには】
中心結節は、内部に神経が通っているので、むやみに削ってしまうわけにはいきません。折れてしまうのを予防する方法をとって対処をします。
結節の周囲に補強するための薬を塗布し、“とげを太く”します。噛み合う反対の歯にぶつかってしまうので、上に盛り上げることはできません。
【中心結節の破折を治療する方法】
中心結節が破折し痛みが出てしまったら、治療が必要です。神経が露出し痛みが出ているという事は、神経の内部が感染を起こしてしまった状態です。神経を除去する治療が基本となります。
ただし破折してしまっても、神経の露出が少なく感染が少ない場合、神経を除去せずに済む場合もあります。
神経を取ってしまうと、歯の寿命が短くなってしまうので、できるだけ歯の神経を取らずに済むように治療をするのが望ましいです。
そのためには、できるだけ早めに治療を受けることが大切です。
2018年11月14日