滋賀県守山市の歯医者、おおた歯科こども歯科の院長太田貴司です。
歯科用のルーペは拡大鏡(かくだいきょう)と呼ばれます。
要は、虫眼鏡です。
歯科のルーペは2倍、3倍、6倍、8倍、10倍などがあります。
細かいものを裸眼で見るのと、虫眼鏡で見るのでは、見えるものが全く違いますよね。
1本の歯というのは、小指以下の小さいもの。
その歯のむし歯だと、さらに小さくなります。
その歯の根の入り口だと、さらにさらに小さくなります。
しかし、いくら小さな歯でも、そこには全てが詰まっています。
人の身体で言うと、皮膚、血管、神経、骨があります。
それらが全て1本1本の歯に詰まっています。
少しの異変が大きな問題につながることもあります。
手を抜かず、本気で治療をしなければいけません。
それが歯科医師の仕事です。
むし歯の見逃し、むし歯の取り残しがあってはいけません。
【ルーペのメリット】
①むし歯を取り残さない
②むし歯を発見しやすくなる
③歯を削りすぎない
④詰め物をよりピッタリ詰められる
⑤詰め物を磨くとき、仕上がりがより精密になる
⑥詰め物・被せ物の後、接着剤の取り残しがない
⑦根の治療の時、根の入り口がよく見える
⑧歯石を確認しやすい
⑨歯石の取り残しがない
【ルーペのデメリット】
①メーカーにもよるが、高価
②慣れないうちは、目が疲れる
③慣れないうちは、裸眼での治療よりも時間がかかる
裸眼で今まで通り歯の治療していても、ルーペを使って時間をかけて丁寧に治療しても、患者さんが払う治療費は同じです。
つまり、歯科医院に入ってくるお金も同じです。
時間をかければかけるほど、患者さんからすると「遅いなぁ。むし歯の治療なのにこんなに時間がかかるものなのかな。もしかしたら慣れていないのかなぁ。もしかしたら下手なのかなぁ」と思われるリスクもあります。
それでも、ルーペを使うと、「自分のしたい治療ができる」「自分が同じ立場だったら、してもらいたい治療ができる」のです。
ルーペを使うと、世界が変わります。
私は、もう裸眼では歯の治療はできません。していません。
ルーペに完全に慣れてしまい、裸眼での歯は小さすぎます。
歯科医師になりたてで、裸眼で治療していた頃が信じられないのです。
イメージとしては、「見ているようで見ていない」「見えているようで見えていない」です。
まるっきり世界が変わります。
むし歯の治療に使うことはもちろん、抜歯の時も使うことがあります。
歯を割って抜くとき、抜き残しがないのかにルーペを使います。
抜いた後のお掃除にも使います。
それだけルーペは使用価値があります。
2018年11月7日