滋賀県守山市、おおた歯科こども歯科の太田貴司です。
「滅菌」という言葉をご存知ですか?
この言葉が大きくクローズアップされるきっかけがありました。
それは2014.5/18の読売新聞に大きく報道された記事が発端でした。
「歯を削る機器、7割が使いまわし」
「滅菌せず 院内感染懸念」
の深い意味はわからずとも、センセーショナルな見出しといえますよね。
記事では難しい文章が続きますが、簡単に言うと
・「歯科医院の約70%は、削る道具を汚いまま、使いまわしをしている」
・「使いまわしをすると、他人のばい菌が移る可能性がある」
ということです。
怖いですよね。
「人の口に入ったものが自分の口に入る」というだけでも不快だというのに、まさか気分が悪いだけではなく、他の人からばい菌を移されているかもしれないとは。
その事実を知った人たちは、治療をするため通院しているのに、かえって病気になってしまう可能性があるなんて、と皆口を揃えて驚きました。
そもそも、滅菌とはなんでしょうか?
あまり聞き慣れない言葉です。
『滅菌=すべての微生物を除去する』
対して、よく聞く「消毒」とは?
『消毒=菌を減らす』
です。減らすだけです。
馴染みのあるこの言葉。私たちはどこかで消毒が万能だと思いこんでいる節がありました。
しかし、実際「消毒」では菌は残っているのです。
「削る道具を滅菌していない」ということは?
削る道具に、前の患者さんの唾液や血液が残っている、ということです。
これは不快、なんてレベルの話ではありませんね。
消毒は残念ながら、見せかけです。
唾液や血液は、アルコールで拭けば(アルコール消毒)、一見見えません。
しかし、アルコールで菌が消えることはありません。
繰り返しますが、それは「消毒」だからです。
前の患者さんの唾液・血液を隠しているだけです。
ではどうしてそのような問題をそのままにしている医院が多いのでしょうか。
【滅菌の壁】
- コスト
- 滅菌には大きなコストがかかります。病院も、いってしまえば商売です。真面目に取り組んでいては利益が出ない、ことを続けていつか存続することができなくなってしまう可能性もあります。
②手間
主にスタッフに負担がかかります。スタッフは多岐にわたる仕事があります。滅菌は時間もかかるため、その手間にスタッフを取られてしまって他の作業に手が回らなくなってしまうこともあります。
その分スタッフを増やしてみては…と思うかもしれませんが、これは先程お話したように、さらにコストが上がってしまう一因と言えます。
きちんとこの問題と向き合うためには、以上の2点をクリアしなければなりません。
最良の治療をしても、滅菌がなければ台無しです。
歯科医院では「予防、セラミック、インプラント」などに注目が集まりがちですが、これらの話をする前に、大切なこととして「滅菌」の話を忘れてはいけません。
と、ここまで熱弁したからには、おおた歯科こども歯科はしっかり滅菌をしています。
ご安心ください。
2018年9月8日