滋賀県守山市の歯医者、おおた歯科こども歯科、
乳歯について
赤ちゃんの口の中に乳歯が生えてくるのは、生後6ヶ月が経った頃からです。
しかし、身長や体重に個人差があるように、歯が生えてくる時期にも個人差があります。ゆっくりなお子様では、8ヶ月くらいになるまで生えてこない、ということも決して珍しくはありません。
周りと比べて遅く感じることがあっても心配はありません。
本数は上の歯が10本、下の歯も10本で、合計20本の歯が生えてきます。
まずは前歯から生え始め、その後に奥歯が生えてきます。1本飛んで生えることもありますが、その多くは特に問題ありません。
全ての乳歯が生えそろうのは、だいたい3歳を迎える頃です。
子供の頃の乳歯は、大人になってからの永久歯とは似て非なるものです。
乳歯の大きな役割は、大人の歯が生えそろうまで、飲んで、咬んで食べ、話しをしたりすることを通して、頭や顎の骨の成長を助けることにあります。
このことは、子供の脳の発達にも大きく関わっています。
それでは、乳歯と永久歯の違いを具体的に見ていきましょう。
まずは色の違いについて。
乳歯が青白い色をしているのに比べ、永久歯は黄色っぽい色をしています。
これは、エナメル質や象牙質の厚さの違いによるものです。
構造は同じでも、厚みが違います。
そして大きさも、乳歯は永久歯に比べて小さく、根っこの部分の長さも短いです。
歯の神経である歯髄(しずい)が入っている空間のことを歯髄腔(しずいくう)と言いますが、乳歯の歯髄腔は永久歯のそれに比べると、広くて大きくできています。
歯の強さも異なり、永久歯と同じ大きさの虫歯にかかった場合でも、乳歯の方が、虫歯が重症化することがあります。
進行も早いです。
歯並びにも、乳歯は独特の特徴があります。
乳歯の歯並びには、生理的空隙(せいりてきくうせき)というすき間が空いています。このすき間を、具体的に霊長空隙(れいちょうくうげき)や発育空隙(はついくくうげき)と呼びます。
乳歯列における、「犬歯の周囲に発生する隙すき間」のことを霊長空隙、「霊長空隙以外のすき間」のことを発育空隙といいます。
このすき間は、今後乳歯よりも大きな永久歯が生えてくる時のために、必要なスペースとして空いているものです。
そのため、小さなお子様の歯と歯の間にすき間が空いているのは自然なことなのです。
乳歯は、いずれ生え替わるものです。12歳ごろにはなくなります。
しかし、のちに生えてくる一生ものの宝、永久歯を誘導する重要な役割があります。
お子様の将来のために、大切にしていきましょう。
2018年9月1日