プラークとは、歯垢(しこう)とも呼ばれます。
汚れに細菌が入り、塊となったものです。
プラークはむし歯、歯周病、口臭の原因になります。
プラークは毎日の歯ブラシで落とすのですが、歯ブラシ「だけ」で落とせるプラークは、たったの60%と言われています。
「え?たったそれだけ?」と思われるかもしれませんが、それが事実です。
歯と歯の間や奥歯の奥には、歯ブラシが届きにくいです。そこに残りの約40%のプラークが残っています。
1㎎のプラークには、約1億の細菌がいます。
約40%が磨き残しがあるというのは、毎回毎回磨き残しの場所が変わる、ということではありません。
いつも同じところにプラークが溜まります。
つまり、いつもきれいに磨けている60%と、いつも汚れが溜まっている40%があるということです。
どんなに一生懸命歯を磨いても、この40%を意識しないとむし歯・歯周病を繰り返します。
この40%を少しでもきれいに磨くには、歯ブラシだけでは足りません。
歯間ブラシやフロスが必要です。
それを使うと、プラークが1.5倍除去できます。
歯間ブラシやフロスは、海外でも使われています。
使う頻度が、予防歯科大国のスウェーデンと日本とは大きな差があります。
【歯ブラシと共に、フロスやデンタルリンスを使うのは当たり前だと思う】
日本は48.7%に対して、スウェーデンは68.3%です(2013年ライオン調べ)
この意識の差、道具の差が将来残る歯の本数に関わります。
同じ残る歯でも、きれいな歯なのか、たくさん削って銀歯が入っているのかでも歯の寿命に影響しますね。
さて、このフロス。
良いものだと分かっている方は、多いです。
しかし、どうしても面倒くさくて使えない人も多いです。
そして、使っていたけど、止めてしまったという人も多いです。
理想は、3食後の歯ブラシとセットでフロス。
1日3回フロスが理想ですが、なかなかできないと思います。
実際、私もできません。
なので、まずは1日1回から始めてみませんか?
数分で、フロスは通し終わると思いますので、そこにひと手間入れて40%のプラークを減らしましょう。
フロスには、2種類あります。
プラスチックの柄がついているものと、柄がない糸だけのものです。
患者さんに聞くと、プラスチックの柄が付いているものをお使いの方が多い印象です。
私は、柄がない糸だけのフロスを使っています。
その方が、自由度が効きますし、歯と歯の間の詰め物が外れないよう「横に抜く」ことができるからです。
ご自身に合うフロスが何かを聞いたり、試したりして使っていきましょう。
2018年8月15日