滋賀県守山市古高町にある、おおた歯科こども歯科の院長、歯科医師の太田貴司です。予防・痛くなる前の治療・歯周病の治療に力を入れています。
お子さまの乳歯が抜ける前に、後ろから永久歯が生えてきたというケースは珍しくありません。
この状態を「二重歯列(にじゅうしれつ)」と呼びます。当院は非常によく遭遇します。
二重歯列を放置すると、歯並びや噛み合わせに影響を与えることがあります。
今回は、乳歯が抜ける前に永久歯が生えてきた場合の対応について、「抜歯をするメリット・デメリット」「抜歯をしないメリット・デメリット」を詳しく解説します。
日々の診療をしていて、よく見かけるものなのでお読み頂ければ幸いです。
目次
1)乳歯が抜けないまま永久歯が生える原因とは?
2)抜歯をするメリットとデメリット
(1) 抜歯をするメリット
(2) 抜歯をするデメリット
3)抜歯をしないメリットとデメリット
(1) 抜歯をしないメリット
(2) 抜歯をしないデメリット
4)まとめ
本文
1)乳歯が抜けないまま永久歯が生える原因とは?
通常、乳歯は永久歯が生えてくる前に自然に抜けます。しかし、何らかの理由で乳歯が抜けずに残ってしまい、永久歯が後ろから生えてくることがあります。
主な原因としては、以下のようなものが考えられます。
・乳歯の根が吸収されにくい(たまたまです。何が悪かった、というわけではありません)
・元々の永久歯の生える位置がずれている(たまたまです。何が悪かった、というわけではありません)
・乳歯の生え変わりのタイミングが遅い(たまたまです。何が悪かった、というわけではありません)
このような場合、適切な対応をしないと歯並びや咬み合わせに悪影響を及ぼす可能性があります。
そのまま放置をしても良いケースもあります。
2)抜歯をするメリットとデメリット
(1) 抜歯をするメリット
歯並びが整いやすくなる:乳歯が残っていると、永久歯が正しい位置に生えにくくなります。早めに抜歯をすることで、自然な歯並びになりやすくなります。
咬み合わせのトラブルを防ぐ:乳歯が残っていると、上下の咬み合わせがずれることがあります。抜歯することで、正しい咬み合わせを確保しやすくなります。
むし歯や歯周病のリスクを減らす:乳歯と永久歯が重なっている部分は歯磨きがしにくく、むし歯や歯肉炎(しにくえん:歯ぐきが腫れたり、出血する)のリスクが高まります。抜歯をすることで、口腔内を清潔に保ちやすくなります。
(2) 抜歯をするデメリット
痛みや不安を感じることがある:抜歯は局所麻酔をして行いますが、処置後に痛みや腫れを感じることがあります。また、麻酔をするというデメリットもあります。多少の痛みはどうしてもあります。
費用がかかる場合がある:保険適用になることが多いですが、抜歯後のケアや矯正治療が必要になる場合は、追加の費用がかかる可能性があります。
3)抜歯をしないメリットとデメリット
(1) 抜歯をしないメリット
自然に乳歯が抜ける可能性がある:乳歯が少しずつ揺れ始めている場合、意外に数ヶ月以内に自然に抜けることがあります。実は長期で見ると割と自然に抜けてくれます。
外科的処置を避けられる:抜歯をしなくて済むため、お子さまの不安や痛みを軽減できます。
(2) 抜歯をしないデメリット
歯並びが乱れる可能性がある:乳歯が抜けずに残っていると、永久歯が正しい位置に生えるスペースがなくなり、歯並びが乱れるリスクが高くなります。
咬み合わせが悪くなる:永久歯がずれた位置に生えることで、噛み合わせの不具合が生じることがあります。
むし歯や歯周病のリスクが高まる:乳歯と永久歯が重なっている部分は歯磨きが難しく、むし歯や歯周病のリスクが上がります。
4)まとめ
乳歯が抜けないまま永久歯が生えてくる「二重歯列」の場合、早めに歯科医院で診察を受けることが重要です。
まずは診察を受けると良いでしょう。
おおた歯科こども歯科は、医院のLINE公式アカウントからご相談頂くこともあります。その際は返信しております。
抜歯をするかどうかは、お子さまの成長や歯並びの状態によって異なります。抜歯をすることで歯並びや噛み合わせの問題を防ぐことができますが、自然に抜ける可能性がある場合は慎重に経過を見守ることも選択肢の一つです。何より無理矢理、抜歯することは避けています。
当院では、お子さまの歯並びに関するご相談を受け付けております。気になることがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。
LINE公式アカウントからでも構いません。(ただ初診の方はレントゲンがないため、初診の方はあまり参考になるLINEのやり取りができない可能性が高いです)
おおた歯科こども歯科院長 太田貴司
(自己紹介)https://ohta-dent.com/staff.html#intyo
2025年10月6日