滋賀県守山市古高町にある歯医者、おおた歯科こども歯科の院長 歯科医師の太田貴司です。
予防・痛くなる前の治療・歯周病の治療に力を入れています。
今回は、歯科治療で耳にすることがある「ガルバニー電流」について解説します。
以前のブログで少しお伝えしたことがありますが、今回はより詳しくご説明いたします。
この現象は、一部の患者さまに不快感や痛みをもたらすことがあり、無視できないものです。
難しいことに「目に見えない」から診断が遅れることもあります。
太田貴司個人的にも、「100%ガルバニー電流だ」と分からないこともあります。
あれもこれも、と原因を考えてしまうのです。
ガルバニー電流の原因や症状、対策について詳しくお伝えします。
目次
- ガルバニー電流とは?
- ガルバニー電流が起こる原因
- ガルバニー電流による症状
- ガルバニー電流のリスクを減らす方法
- ガルバニー電流が気になる患者さまへの当院の対応
1. ガルバニー電流とは?
ガルバニー電流とは、口腔内で発生する弱い電流のことです。
特に、異なる種類の金属が口の中に存在する場合に起こりやすい現象です。たとえば、お口の中に銀歯(アマルガム)と他の材質の金属製のブリッジが同時に存在すると、それらの間で電位差が生じ、電流が発生することがあります。
この現象のことを、ガルバーニ電流と言います。
この電流そのものは弱いのですが、実際に起きた患者さまにとっては違和感や痛みの原因になることがあります。
2. ガルバニー電流が起こる原因
ガルバニー電流の主な原因は、口腔内に異なる金属が存在することです。具体的には以下のような状況で発生しやすくなります。
異種金属の使用
- 銀歯(アマルガム)やパラジウム性の金属クラウン、ブリッジ、インプラントなどが口腔内に混在する場合、電位差が生じます。
- 金属の種類や組み合わせによっては、電流の強さが増すことがあります。
唾液の存在
- 唾液は電解質を含んでおり、電流を通しやすい環境を作ります。
- 唾液中の成分が、金属間の電位差を強める要因となることがあります。
金属の経年劣化
- 長年使用された金属製の補綴物(ほてつぶつ:人工の歯や詰め物)は、表面が劣化しやすく、電流発生のリスクが高まります。
3. ガルバニー電流による症状
ガルバニー電流による症状は個人差がありますが、以下のようなものが報告されています。
口腔内の違和感や痛み
- 金属部分が触れるとピリピリとした刺激を感じる場合があります。
- 特に、食事中や飲み物を摂取した際に感じやすいことがあります。
味覚の異常
- 金属の味がする、または苦味を感じることがあります。
頭痛や倦怠感
- 微弱な電流が神経に影響を与え、間接的に頭痛や疲労感を引き起こすこともあります。
4. ガルバニー電流のリスクを減らす方法
ガルバニー電流のリスクを軽減するためには、以下のような対策が有効です。
金属の種類を統一する
- 異なる種類の金属を使用しないようにすることで、電位差を抑えることができます。
- セラミックやジルコニアなど、金属を含まない素材を選択するのも一つの方法です。
金属の交換
- 古い補綴物を新しいものに交換することで、経年劣化による電流発生を防ぐことができます。
定期的なメンテナンス
- 定期的に歯科医院でメンテナンスを受けることで、金属の状態をチェックし、早期に対応できます。具体的には、古い銀歯はくすんできます。そのタイミングで治療をすることも可能です。
5. ガルバニー電流が気になる患者さまへの当院の対応
当院では、ガルバニー電流が原因と思われる症状に対して、以下のような対応を行っています。
丁寧なカウンセリング
患者さまの症状やお悩みを丁寧にお聞きし、最適な治療計画をご提案します。
金属を使わない素材を使用
セラミックやジルコニアなど、金属を使用しない素材を使うことにより、ガルバニー電流のリスクを軽減します。
まとめ
ガルバニー電流は、口腔内の金属が原因で発生する微弱な電流です。症状には個人差がありますが、適切な対策を講じることでリスクを減らすことが可能です。
おおた歯科こども歯科 院長 太田貴司 (自己紹介)https://ohta-dent.com/staff.html#intyo
2025年5月12日