滋賀県守山市古高町にある歯医者、おおた歯科こども歯科の院長、歯科医師の太田貴司です。
当院では、予防・痛くなる前の治療・歯周病の治療に力を入れています。今
回は、歯科治療で使用されるセラミックとジルコニアの違いについて詳しく解説します。
両方とも白い詰め物・被せ物の素材です。
パッと見では、違いがよく分かりません。
それぞれの素材の特徴を知ることで、患者さまに合った治療法を選ぶ参考にしていただければ幸いです。
目次
- セラミックとジルコニアとは?
- 見た目の違い
- 強度と耐久性の違い
- 費用と保険適用について
- 患者さまに合った素材の選び方
1. セラミックとジルコニアとは?
セラミック
セラミックは、陶器(とうき)に似た素材です。
歯科治療においては主にクラウン(被せ物)やインレー(詰め物)に使用されます。自然な白さと透明感があり、特に前歯など審美性が重視される部位に適しています。
ジルコニア
ジルコニア(ジルコニウム)は、金属の一種を加工して作られるセラミック系素材です。
セラミックより非常に硬く、割れにくいのが特徴で、奥歯など力がかかる部分にも適しています。
例えると、人工ダイヤモンドです。
2. 見た目の違い
セラミックは、自然な透明感と色合いが特徴で、本物の歯に非常に近い仕上がりになります。そのため、特に前歯の治療に向いています。
一方、ジルコニアはセラミックに比べて透明感がやや劣ります。
しかし最近では色調を調整できる技術が進化しており、見た目もセラミックと変わらないくらいに良くなっています。
ポイント
- 前歯など見た目が重要な場合はセラミックがおすすめ。
- 奥歯や力がかかる部分にはジルコニアが適しています。
3. 強度と耐久性の違い
ジルコニアは、セラミックに比べて圧倒的に強度が高いです。
噛む力が強い奥歯や、ブリッジ(複数の歯を連結する補綴物)に使用しても割れる心配が少なく、長期間使用できます。
一方、セラミックは硬いものの、強い衝撃を受けると割れる可能性があります。
強度の比較
- ジルコニア: 強度が高く、奥歯やブリッジに最適。
- セラミック: 強度はジルコニアに劣るが、自然な見た目を重視する部位に適している。
4. 費用と保険適用について
セラミックもジルコニアも、基本的には保険適用外の自由診療になります。そのため、費用は使用する素材や治療内容によって異なります。
- セラミックの費用: 一般的にジルコニアより安価ですが、見た目の良い素材を選ぶと費用が高くなる場合があります。
- ジルコニアの費用: 高度な加工技術が必要なため、セラミックより高額になることが多いです。
5. 患者さまに合った素材の選び方
審美性を重視する場合
前歯など見た目を重視する部位には、透明感があり自然な仕上がりのセラミックがおすすめです。
強度を重視する場合
奥歯やブリッジなど、力がかかる部分には強度に優れたジルコニアが適しています。
金属アレルギーがある場合
どちらも金属を使用していないため、アレルギーの心配がありません。
費用を抑えたい場合
審美性や強度のバランスを考えながら、患者さまの予算に合わせた素材を選ぶことができます。歯科医師と相談して、最適な治療法を決定しましょう。
まとめ
セラミックとジルコニアには、それぞれ異なる特徴とメリットがあります。
治療部位や患者さまのニーズに応じて、最適な素材を選ぶことが大切です。
さらに、今は「ジルコニアセラミック」というジルコニアのメリットとセラミックのメリットを組み合わせたものもあります。
主に「クラウン」という被せ物に使われる素材です。
おおた歯科こども歯科 院長 太田貴司
(自己紹介)https://ohta-dent.com/staff.html#intyo
2025年5月19日