滋賀県守山市古高町にある歯医者、おおた歯科こども歯科の院長 歯科医師の太田貴司です。
予防・痛くなる前の治療・歯周病の治療に力を入れています。
糖尿病と妊娠と歯周病の関連についてお話をします。
「妊娠糖尿病」という糖代謝異常があります。
これは、ホルモンのバランスが崩れることで起きえます。
妊娠糖尿病を発症すると、高血圧・羊水の異常・網膜症・腎症になりやすいです。
出産後、血糖値が元に戻ったとしても、 中高年になって糖尿病を発症しやすくなるリスクがあります。
お腹の中にいる赤ちゃんにも悪影響があります。流産・巨大児・巨大児に伴う分娩 障害・低血糖のリスク・心臓の肥大などがあります。 さらに成長してからも、 肥満や 糖尿病のリスクが高くなることが知られています。
【糖尿病がある方が妊娠されたら】
①血統のコントロールが重要です
空腹時の血糖が、95mg/dL未満
食後2時間の血糖が、120mg/dL未満
が目標です。
②食事療法
妊娠前の食事に、エネルギー、たんぱく質、ビタミン、ミネラルを追加で摂ることが重要です(付加量)。
エネルギー
妊娠初期:エネルギー付加量が+50キロカロリー
妊娠中期:エネルギー付加量が+250キロカロリー
妊娠後期:エネルギー付加量が+450キロカロリー
たんぱく質
妊娠初期:たんぱく質付加量に変化なし
妊娠中期:たんぱく質付加量が+5グラム
妊娠後期:たんぱく質付加量が+25グラム
③運動療法
ウォーキングが 推奨されています 。
無理のないようにウォーキングをしましょう。
④口腔内
「妊娠性歯肉炎」 という 歯肉炎があります。「 エストロゲン」という女性ホルモンを好む 歯周病菌がいます。 そのため 妊娠をされると、この歯周病菌が増え 歯肉炎や 歯周病に移行するといった流れです。
以前は出産すると、妊娠性歯肉炎は治ると言われていました。 しかし 現在は、歯周病が残ると言われ 要注意です。
「出産したら歯医者に行く」「子供が大きくなったら歯医者に行く」では、その間に口腔内が悪くなってしまう可能性があります。
妊娠中もお口の中の健康を守っていきましょう。
重度の歯周病は、早産・低胎児出産の リスクが 約7倍 と言われています。 この倍率は高齢出産・ アルコール・ 喫煙のリスクよりもはるかに高い数値です。
糖尿病があり、 歯周病 もあると、出産のトラブルが二重になってしまいます。
歯周病は、軽度であってもぜひ治療を受けましょう。
中等度・重度であれば、優先順位はさらに高くなります。積極的に治療を受けましょう。
⑤インスリン注射・経口糖尿病治療薬
今回は、妊娠と糖尿病と歯周病の関連についてお話をさせて頂きました。
(参考1)公益社団法人 日本産科婦人科学会 「 妊娠糖尿病」
https://www.jsog.or.jp/citizen/5706/
(参考2)日本臨床歯周病学会 「 歯周病と妊娠」
https://www.jacp.net/perio/effect/
おおた歯科こども歯科 院長 歯科医師 太田貴司
(自己紹介)https://ohta-dent.com/staff.html#intyo
おおた歯科こども歯科には、日本糖尿病協会の登録歯科医師が在籍しております。
2024年6月26日