滋賀県守山市古高町にある歯医者、おおた歯科こども歯科の院長 歯科医師の太田貴司です。
予防・痛くなる前の治療・歯周病の治療に力を入れています。
糖尿病を持つ方への歯周病治療に限定してお伝えいたします。
【大前提】
糖尿病になってしまった方に対して、「歯周病治療は、HbA1cの改善に効果がある」
という事実があることです。
さらに、信ぴょう性も「高い」と発表されており、現在はそれを基に治療をしております。
2型糖尿病になってしまった方に歯周病の治療をすると、インスリン抵抗性が低下し、歯周病の状態とインスリン感受性が改善した、という結果が出ています。
【糖尿病を持つ患者さんに対する歯周病治療で、抗生剤(抗菌剤)の効果は有効であるかどうか?】
一時は効果があるかもしれません。
あくまでも 飲み薬 なので、 その時だけの効果だと考えています。
やはり一番重要なのは、 日常の歯磨き・ 歯科医院での スケーリング、 ルートプレーニングといった歯周病の基本的な治療です。
【糖尿病を持つ患者さんに対する歯周病の治療で、事前に抗生剤( 抗菌剤)を飲んでもらうことは必須であるか?】
血糖のコントロールが特に良くない方には、事前の抗生剤( 抗菌剤)を飲んでもらうことが 推奨されます。
糖尿病があると、感染しやすかったり、治療後の傷の治りが遅れてしまいます。 そのため、軽いむし歯の治療より長い時間がかかると想定される歯周病治療には事前の内服が良いかと考えます。
比較的血糖のコントロールが良好であれば、 事前の抗生剤(抗菌剤)は不要です。
通常の歯周病の治療と同じで、抗生剤なし、または事後の抗生剤の内服をして頂いております。
【糖尿病を持つ患者さんに対する歯周病の治療で、血液サラサラのお薬は中止した方がいいか?】
中止をしないで、飲み続けた方がいいとされています。
歯周病の治療は基本的には 出血が 伴います。そのため、血液サラサラの薬を飲んでいる方に歯周病の治療をすると、治療後に歯ぐきからの出血が止まらなくなる 恐れがあります。
この件は、太田貴司の 独断で決めることができないため、 いつも内科の主治医の先生に相談をさせてもらっています。
その際は、照会状をご用意して正式にご相談をさせて頂いております。
以前は、中止してもらうことが多かったのですが、 血栓のリスクとを天秤にかけた時に、最近は中止せずに飲み続けてもらうことが多いです。
【糖尿病を持つ 患者さんに対する歯周病の治療は、糖尿病がない患者さんと比較して治療の期間は短くした方がいいか?】
はい、その通りです。
糖尿病があると、ない方に比べて
・歯周病が再発しやすい
・歯ぐきからの出血がしやすい
・歯周病で歯を失いやすい
傾向があります。
よって治療の期間は短くしたほうが良いと考えます。
今回は、糖尿病を持つ方への歯周病治療についてお話をさせて頂きました。
【参考】
https://www.perio.jp/publication/upload_file/guideline_diabetes_2023.pdf
おおた歯科こども歯科 院長 太田貴司
(自己紹介)https://ohta-dent.com/staff.html#intyo
おおた歯科こども歯科には、日本糖尿病協会の登録歯科医師が在籍しております。
2024年6月19日