滋賀県守山市古高町にある歯医者、おおた歯科こども歯科の院長 歯科医師の太田貴司です。
予防・痛くなる前の治療・歯周病の治療に力を入れています。
【お母様に知って頂きたいこと】
①お子様の歯は、お母様のお腹の中にいる時期から作られます!
乳歯は、お母さんのお腹の中で胎生7週ごろ(妊娠3ヶ月ごろ)からでき始めます。
永久歯も、胎生5か月くらいからです(もうこの時期からなのです!!)。
歯はコラーゲンというたんぱく質でできた繊維の網に、カルシウム、リンなどのミネラルが結合してつくられます。
生れてくる赤ちゃんのためにもバランスの良い食生活と心がける事が大切です。
糖分、リンの摂り過ぎは良くありません→歯の質が悪くなります
リンはレトルト食品に多く含まれています
ビタミンA 歯のエナメル質
ビタミンC 歯の象牙質
ビタミンD 石灰化
すでに子育ては始まっています!!
②むし歯の原因菌はお母さんから伝播します!
生まれてくる赤ちゃんのお口の中、最初は無菌です。
その後徐々に細菌が入ってきます。
神経質になる必要はありませんが、できればお母さんのお口はきれいな状態で赤ちゃんに接してあげてください。
【妊娠期のお口の中の変化】
①むし歯
食べ物の嗜好が変わったり、つわりで歯磨きが難しくなったりでむし歯のリスクが増える時期です。
②妊娠性歯肉炎
妊娠中はあるホルモンの分泌が盛んになります(エストロゲンやプロゲステロン)。
このホルモンを好む細菌が増えることにより、歯肉に炎症をおこしやすくなります。
しかし、必ずしも起こるわけではありません。日頃のブラッシングをしっかり行うことで防ぐ事は可能です。
出産後、ホルモンのバランスが落ち着くと治りますが、不潔のまま放置しておくと歯周炎に移行します。
また、低体重児を出産した母親と、正常体重児を出産した母親を比べると、低体重児を出産した母親の方が、歯周病が進行していたという報告があります。
③妊娠性エプーリス
歯茎の一部が増殖して、こぶのようなものができることがあります。良性なので心配はありません。
【妊娠中の歯科治療について】
①歯の治療は安定期(4~8か月)に!
この時期であれば原則、全ての歯科治療が可能です。早めに健診をうけ、早期発見早期治療をしましょう。
②歯科の麻酔について
歯科治療で使用される局所麻酔は主に2%リドカイン製剤です。
『局所』麻酔でしかも少量なので、これを使用してもお腹の赤ちゃんへの影響はほとんどないことが報告されています。
疼痛によるストレスを考えますと、安定期であれば使用した方が良いでしょう。
③レントゲンについて
歯科治療で使用するレントゲンの放射線量は、一年間に被ばくする自然放射線量と比較して、ごく微量です。
また歯科の場合、お腹からも離れており、防護エプロンも使用しますので、さらに影響は少ないと言えるでしょう。
ただし、レントゲンは必要最小限に留める配慮は欠かさないよう心掛けています。ご不安な場合はよくご相談ください。
④お薬について
基本的にはお薬は使用しない方向で考えます。
お薬を使用しないことでお母さんのお身体に悪影響がある場合には、お腹の赤ちゃんに影響が少ないとされるお薬を最小限使用します。
※妊娠初期、後期は応急処置に留める方が安全でしょう。(~15週と28週~)
2017年10月25日